2019年度(本試験) 問題14 特定商取引法(正誤○×)その1(一般公開中)
14. 次の各文章が、正しければ○、誤っていれば×を解答用紙の解答欄に記入(マーク)しなさい。
※以下は、特定商取引法に関する問題である。
① 学生サークルのメンバー間で使用する SNS に、「留学についてのアンケートに答えてほしい」というグループ内メッセージが送信されたので、指定された事務所に行くと、「聞くだけで英会話が上達する」などと言われて、英会話の DVD 教材の購入契約を締結した。この場合、特定商取引法の訪問販売の規定が適用される。
② 訪問販売の事業者が消費者に売買契約の代金を支払わせるために、虚偽の年収や預貯金額を契約書に記載させたり、消費者の意に反して銀行 ATM に連れて行ったりすることは、主務大臣による指示対象行為となり、指示処分がなされたときは必ず公表される。
③ 電話勧誘販売により契約がなされた場合、販売業者は、購入者に契約書面を交付しなければならない。この書面の交付に代えて、書面記載事項をメールに記載して送付する方法でも書面交付義務を果たしたことになる。
④ 電話勧誘販売業者が、1回の販売行為で、相手方消費者にとって日常生活において通常必要とされる分量を著しく超えた量の商品の販売、いわゆる過量販売を行った場合、消費者がその契約を解除するためには、販売業者が、その販売が過量販売であることを認識している必要がある。
⑤ ネガティブ・オプションにおいて、4月1日に商品の送付を受けた消費者が、商品の引取りを請求しない場合は、4月 15 日以降、当該商品を販売業者に返還する必要はない。
⑥ 通信販売により商品を購入した契約者に対して、契約者からの請求も承諾もなくファクシミリ広告を送ることは、禁止されている。ただし、当該契約の内容確認や当該契約の履行に関わる重要事項をファクシミリで通知する場合に、その通信文の一部に付随的に広告を掲載する場合等はその限りではない。
⑦ 特定継続的役務提供契約を消費者の都合で中途解約した場合、すでに提供された役務の対価等の精算に用いる単価は、契約締結時の単価を上限としなければならない。
⑧ 特定継続的役務提供契約を締結した際に関連商品を購入した場合、特定継続的役務提供の規定に基づいて当該関連商品をクーリング・オフできるのは、本体の役務提供契約をクーリング・オフした場合に限られる。
⑨ 連鎖販売業における「物品の販売」には、施設を利用し又は役務の提供を受ける権利の販売を含む。
⑩ 業務提供誘引販売取引については、特定商取引法上、クーリング・オフ期間の経過後であっても、中途解約により契約を解除することができる旨の規定がある。
⑪ 訪問購入において、購入業者は、買い取った物品をクーリング・オフ期間中に転売することが禁止されている。
解説・ポイント ※問題14の多くが定義問題※
- 相談員にとって一番重要かつメインの法律です。
- 新試験になってからの出題形式が毎年コロコロ変わっています。29年度は単純正誤18問でしたが、30年度は単純正誤11問と正誤×選択5問の合計16問で、正誤×選択が復活したことで難易度が上がりました。また、今回の単純正誤11問もやや難しかったように感じます。
- 勉強部屋2018のコメントで「難易度は、平成28年度試験から下がっています。27年度までは正誤×選択で長文ばかりで問題文を読むだけで心が折れそうになりました。しかし、28年度から単純正誤で短い問題形式です。試験の難易度を上げるとすれば、単純正誤から、正誤×選択の長文問題にすればいいだけです。新試験1回目はそうでしたので、復活の可能性も頭のすみに入れておいてください。このように、新試験制度になってからのすべてにおいて出題パターンが変わっていますので。30年度試験においても変わる可能性も考慮しておいてください。もしかすると、何問かは5肢2択になるかもという気がします。ただし、その場合は、30年度試験から、2択が2つとも正解して1点ではなく、それぞれ1点づつとなるので、点数は取りやすくなるかもしれません。」と書きましたが、そのとおり正誤×選択が復活して難易度が上がりましたし、5肢2択1問(2点分)もありました。2019年度は難易度的には30年度程度と同等になるのではと考えています。⇒実際に平成30年度試験と同じパターンになりました。もしかすると、このパターンで定着するかもしれません。
出題パターンのまとめ
- (新試験)2019年度⇒単純正誤11問+正誤×選択5問+5肢2択1問(2点分)=合計17問(18点分)※本試験・再試験とも
- (新試験)30年度⇒単純正誤11問+正誤×選択5問+5肢2択1問(2点分)=合計17問(18点分)
- (新試験)29年度⇒単純正誤のみ18問
- (新試験)28年度⇒単純正誤11問+5肢2択2問=合計13問
- (旧試験)27年度⇒正誤×選択15問
出題ポイント
- 特定商取引法には7つの取引類型がありますが、すべての分野から、まんべんなく出題されています。
- 30年度試験から問題14の多くが、定義問題で、それぞれの類型に該当するかが問われています。結構ひねった問題も出されていますが、逐条解説等に例として挙げられています。
勉強方法
どこまで勉強するかという時間と根気との兼ね合いになりますが、まず、大きな基本事項を知って、あとは過去問での出題パターンと過去問解説の関連事項等を勉強するのが効率がいいと思います。逐条解説はボリュームが多いので必要な時だけ参照してください。解説の中で該当部分を引用します。
基本事項は「特商法ガイド」に7つの類型について、アウトラインが解説されています。特商法ガイドのホームページから、下記のページとそれぞれの取引類型のページをご覧ください。
少なくとも7つの取引のイメージを持ってください。わからない問題は、これらのイメージを膨らませて頭を総動員して正解を想像してください。
特定商取引法ガイド >特定商取引法とは
特定商取引法とは
特定商取引法は、事業者による違法・悪質な勧誘行為等を防止し、消費者の利益を守ることを目的とする法律です。 具体的には、訪問販売や通信販売等の消費者トラブルを生じやすい取引類型を対象に、事業者が守るべきルールと、クーリング・オフ等の消費者を守るルール等を定めています。(以下の内容は概要です。詳しくは、特定商取引法の条文の該当部分を御覧ください。)
特定商取引法の対象となる類型
訪問販売
事業者が消費者の自宅に訪問して、商品や権利の販売又は役務の提供を行う契約をする取引の事。 キャッチセールス、アポイントメントセールスを含みます。通信販売
事業者が新聞、雑誌、インターネット等で広告し、郵便、電話等の通信手段により申込みを受ける取引のこと。 「電話勧誘販売」に該当するものを除きます。電話勧誘販売
事業者が電話で勧誘を行い、申込みを受ける取引のこと。 電話をいったん切った後、消費者が郵便や電話等によって申込みを行う場合にも該当します。連鎖販売取引
個人を販売員として勧誘し、更にその個人に次の販売員の勧誘をさせるかたちで、販売組織を連鎖的に拡大して行う商品・役務の取引のこと。特定継続的役務提供
長期・継続的な役務の提供と、これに対する高額の対価を約する取引のこと。 現在、エステティックサロン、語学教室など7つの役務が対象とされています。業務提供誘引販売取引
「仕事を提供するので収入が得られる」という口実で消費者を誘引し、仕事に必要であるとして、商品等を売って金銭負担を負わせる取引のこと。訪問購入
http://www.no-trouble.go.jp/what/
事業者が消費者の自宅等を訪問して、物品の購入を行う取引のこと。
2019年度(本試験) 難易度(A易、B普通、C難)目標:7-8問以上/11問中
- 問題14① 訪問販売・定義に該当するか BC
- 問題14② 訪問販売・指示処分 B
- 問題14③ 電話勧誘販売・書面交付義務 BC
- 問題14③ 電話勧誘販売・過量販売 BC ※28年改正論点
- 問題14⑤ ネガティブオプション AB
- 問題14⑥ 通信販売・FAX広告 BC ※28年改正論点
- 問題14⑦ 特定継続的役務・中途解約 BC
- 問題14⑧ 特定継続的役務・関連商品のクーリングオフ B
- 問題14⑨ 連鎖販売・定義「物品の販売」 BC
- 問題14⑩ 業務提供誘引販売・中途解約 BC
- 問題14⑪ 訪問購入・転売禁止 BC
2019年度(再試験) 難易度(A易、B普通、C難)目標:7-8問以上/11問中
- 問題14① 訪問販売・定義に該当するか(キャッチセールス)C
- 問題14② 訪問販売・過量販売 BC
- 問題14③ 電話勧誘販売・定義に該当するか BC
- 問題14④ 通信販売・定期購入契約 B ※28年改正論点
- 問題14⑤ 通信販売・定義に該当するか B
- 問題14⑥ 通信販売・禁止事項 B
- 問題14⑦ 特定継続的役務・美容医療の中途解約 BC
- 問題14⑧ 特定継続的役務・定義に該当するか AB
- 問題14⑨ 連鎖販売・指示対象 BC
- 問題14⑩ 業務提供誘引販売・定義に該当するか BC
- 問題14⑪ 訪問購入・定義に該当するか BC
過去問
(参考)平成30年度試験 問題14(正誤○×)目標:7-8問以上/11問中(★頻出☆重要実務)
- 問題14① 訪問販売・定義に該当するか(キャッチセールス)B ※引っ掛け
- 問題14② 訪問販売・定義に該当するか BC
- 問題14③ 電話勧誘販売・定義に該当するか BC ※知らなければ難問かも
- 問題14④ 特定権利:定義に該当するか B ※28年改正論点
- 問題14⑤ 通信販売・定期購入契約 AB ※28年改正論点
- 問題14⑥ 通信販売・返品特約 AB ※引っ掛け
- 問題14⑦ 特定継続的役務・訪問販売との重複適用の有無 B ※知ってたらA
- 問題14⑧ 特定継続的役務・定義に該当するか BC
- 問題14⑨ 連鎖販売・中途解約の違約金 C
- 問題14⑩ 業務提供誘引販売・定義に該当するか AB
- 問題14⑪ 訪問購入・訪問購入か訪問販売か B
(参考)平成29年度試験 問題14(正誤○×)目標:10問以上/18問中
- 問題14① 訪問販売・26条適用除外(契約者) A★
- 問題14② 訪問販売・26条適用除外(商品) AB ★
- 問題14③ 電話勧誘販売・定義(通信販売の適用) BC
- 問題14④ 電話勧誘販売・定義(勧誘行為) A ★
- 問題14⑤ 電話勧誘販売・過料販売(29年改正) AB
- 問題14⑥ 通信販売・適用対象 BC
- 問題14⑦ 通信販売・返品特約 C ☆
- 問題14⑧ 通信販売・電子メール広告 C
- 問題14⑨ 連鎖販売取引・定義(政令指定) BC
- 問題14⑩ 連鎖販売取引・定義(特定負担) BC
- 問題14⑪ 特定継続的役務提供・パソコン教室(関連商品) BC
- 問題14⑫ 特定継続的役務提供・結婚相手紹介サービス(契約期間) AB
- 問題14⑬ 業務提供誘引販売取引・クーリングオフ BC
- 問題14⑭ 業務提供誘引販売取引・定義(業務) BC
- 問題14⑮ 訪問購入・定義(適用除外) AB
- 問題14⑯ 訪問購入・定義(適用除外) B ★
- 問題14⑰ 再勧誘の禁止 BC
- 問題14⑱ 不実告知による取り消し BC
(参考)平成28年度試験 問題16(正誤○×)目標:7問以上/11問中
- 問題16① 訪問販売・書面不備によるクーリングオフ AB
- 問題16② 訪問販売・店舗外勧誘 AB
- 問題16③ 訪問販売・消費分のクーリングオフ BC
- 問題16④ 訪問販売・路上勧誘・飲食店 B
- 問題16⑤ 訪問販売・路上勧誘・エステ BC
- 問題16⑥ 連鎖販売・加入者の中途解約 C
- 問題16⑦ 特定継続的役務・店舗契約 B
- 問題16⑧ 特定継続的役務・学習塾の教材 C
- 問題16⑨ 業務提供誘引販売・通信講座 BC
- 問題16⑩ 訪問購入・不招請勧誘 AB
- 問題16⑪ 投資用マンションのクーリングオフ BC