3.次の文章の[ ]に入る最も適切な語句を、下記の語群の中から1つ選び、解答用紙の解答欄にその番号を記入(マーク)しなさい。なお、同一記号には同一語句が入る。

① 第二次世界大戦終結後、人々は生活用品の欠乏、ヤミ物資、不良品、量目不足に悩まされ、これらに立ち向かうため、さまざまな動きがあった。1945(昭和20)年、大阪の主婦らが配給公団に押しかけ、遅配・欠配分の[ ア ]を要求したのが、「[ ア ]よこせ」運動の発端であり、それが各地に波及した。翌年5月には「食糧メーデー」が開かれ、労働者や主婦らが集結して食糧事情の現状を訴えた。そのほか、配給品として出回った不良[ イ ]追放の運動をきっかけに、「台所の声を政治に」をスローガンに[ ウ ]が結成された。
 高度経済成長期を経て日本は豊かになり、1956(昭和31)年度の『[ エ ]』には「もはや『戦後』ではない」と記された。一方で、不当表示、薬害、公害など、高度経済成長のひずみが生じた。1968(昭和43)年に日本初の公害病に認定された[ オ ]は、鉱業所からの排水等に含まれた[ カ ]が原因で神通川流域で発生したものである。

② このような中で、消費者問題への取組が本格化し薬事法、割賦販売法などの整備が進められた。1962(昭和37)年には、不当表示が問題となった[ キ ]をきっかけに、独占禁止法の特例として[ ク ]が成立した。さらに、消費者保護基本法が制定され、消費者政策の基本的枠組みが定められた。1970 年代に入ると、製品の安全性の問題がさらに大きくなる一方で、[ ケ ](SF)商法、[ コ ](いわゆるねずみ講)や、訪問販売による被害など、新しいタイプの消費者問題が発生し、消費者問題は、商品の品質・性能及び安全性に関するものから、販売方法・契約等に関するものへと比重が移っていった。

【語群】
1. 食品表示法 2. 水銀 3. 連鎖販売取引 4. 景品表示法 5. 日本生活協同組合連合会 6. 経済白書(年次経済報告) 7. カラーテレビ二重価格 8. 霊感 9. イタイイタイ病 10. 米 11. 水俣病 12. ニセ牛缶事件 13. マッチ 14. カドミウム 15. 催眠 16. 主婦連合会 17. 無限連鎖講 18. タバコ 19. 塩 20. 国民生活白書

解説

  • 古い消費者行政の問題で、①は消費者行政の始まり(消費者運動・公害の歴史)で6個の穴埋め、②は消費者行政の始まり(法律の歴史)で4個の穴埋めの問題になっています。①②とは関連付いています。
  • 消費者運動は「ニセ牛缶事件」が定番ですが、今回初めて「米よこせ運動」が出題されました。すると、「カラーテレビ不買運動」も念のために要チェックですね。
  • ①②とも、エを除いて正解できるレベルなので、取りこぼさないように気を付けてください。
  • この問題1・2・3の30個で満点近くとることができれば(問題4も点が取れる)、後が楽になります。逆に、ここで取りこぼしが多いと、1点2点のボーダーラインの紙一重の差に泣いてしまうので、試験開始直後でのペースを落ち着きつつ得点してください。特に、択一不合格だった受験生は、この最初の取りこぼしが最後まで影響していたということもあったようです。

ポイント ※基本的に毎年度同じ解説※

  • 問題2と問題3で「消費者行政の歴史」についての穴埋問題が出題されています。
  • 出題される分野としては、「古い消費者問題」「最近の消費者問題」「消費者庁創設関連」「重要な法律制定改正」を中心に組み合わせられています。
  • 「古い消費者問題」「消費者庁創設関連」については「ハンドブック消費者2014」がテキストとなります。
  • 「最近の消費者問題」では、主に不祥事や事故等の社会問題から出題されていますので、直近数年間のニュースを見ていれば常識的な比較的易しい問題になります。

語群からの選択のポイント(2問に分かれていて語群が一塊)

  • 穴埋が①と②の大きく2問に分かれているにもかかわらず、語群は2問まとめて20個の選択肢があるというパターンで出題されています。
  • この2問が明らかに別の分野の場合は、20個の語群もざっくり2つに分けることができますが、似通った分野だと、どちらの問題の語群かが分かりにくいことがあります。①か②かわかれば非常に解きやすくなります。それは出題される年によって異なります。
  • じっくり時間をかければ、2つに分けれて、かつ、各穴埋が原則2択にまで絞ることができます。勉強段階では分けていく方法で解説しますが、本番ではそこまでの時間はないので、それを繰り返して、慣れていくことが重要です。本番では、記号を使って、ペアで見え消ししていく方法で時間を節約しながら解答していくといいでしょう。どのように選択して、見え消しして、解答していくかは、実際に問題を解きながら実践しますので、動画解説で確認してください。
  • 穴埋問題は基本的に点数を稼ぐ問題ですので平均以上(=7割以上)とれるようにしましょう。
  • 2択まで絞れると、一般常識で正解できることも多いです。ただし、数字になると難しいかもしれません。
  • 注意したいのは、年によって、結構時間がかかる悩ましい問題が出題されることがあります。難易度的には難しくはなく8割ぐらい取れるのですが、2問目で時間を使ってしまうというプレッシャーで、得点できる問題を逃してしまうこともあります。落ち着いて解答しましょう。5分ぐらいで解きたいところですが、悩んでいると、すぐに10分ぐらい経過してしまうので、そうなった場合も、トータルで見れば、あせる必要はないと思います。見直しする必要がないように終わらせておきましょう。見直して書き換えたら間違っているパターンが多いので直感を信じましょう。

1個目2個目の穴埋が悩んで難しければ、一旦後回しにして、その後の問題文から推測しなおしたり、余った語群を見て解答するのもいいでしょう。これは、穴埋問題共通のテクニックです。

2018年度(平成30年度)試験の問題2の悲劇を忘れるな!

とにかく時間がかかる問題でした。時間さえかければ、パズルのように正解がはまっていくのですが、どの選択肢が入るのか問題文自体も読みにくく苦労した問題です。通常、穴埋10個だと5分程度で解きたいのですが、私は10分かけてかろうじて埋まったような感じですので、15分ぐらいかかった受験生もいたのではないでしょうか。結果的に飛ばして捨て問題にしてもよかったのですが、本番ではそこまで頭が回りません。何といっても点数の取りやすい穴埋問題ですから。そして、悲劇は、この問題2が2番目の問題であったことから、時間経過によるあせりがでてしまい、ペースが乱されて、最後まで影響した受験生がいたことです。この問題ばかりは私でも頭が痛く、過去の相談員試験の中でも、こんなに時間がかかる穴埋問題はなかったです。ただ、ここで例え10分余分に使っても、時間的には大丈夫ですので、冷静になってください。

難易度(A易、B普通、C難)目標:8-9問以上/10問中

①(ア~カ)消費者行政の始まり(消費者運動・公害の歴史)

ア 消費者運動 BC(A)
イ 消費者運動 BC(A)
ウ 消費者団体 BC(A)
エ 報告書 BC
オ 公害 AB
カ 公害 AB

②(キ~コ)消費者行政の始まり(法律の歴史)

キ 事件 AB ※超頻出
ク 法律 AB ※超頻出
ケ 商法 AB
コ 商法 AB

新試験での過去の出題状況(問題2と問題3)

2020年度試験

問題2①消費者庁の創設の歴史
問題2②消費者委員会・国民生活センターの役割・業務
問題3①消費者行政の始まり(消費者運動・公害の歴史)
問題3②消費者行政の始まり(法律の歴史)

2019年度試験

2019年度本試験

問題2①消費者庁・消費者委員会の設置
問題2②消費者委員会の役割・業務
問題3①世界消費者権利デー
問題3②消費者基本計画・SDGs

2019年度再試験

問題2①消費者安全法制定のきっかけ(消費者事故・不祥事の社会問題化)
問題2②消費者安全調査委員会(消費者安全法の改正)
問題3①消費者行政の始まり(公害の歴史)
問題3②海外の消費者行政の始まり(歴史)

平成30年度試験

問題2①景品表示法の誕生のきっかけ
問題2②景品表示法の歴史・ジュースの表示
問題3①企業不祥事・自動車・鉄鋼・2016年~2017年(平成28年~29年)
問題3②旅行業者の破綻(旅行業法)・2017年(平成29年)

平成29年度試験

問題2①消費者行政の創設期
問題2②消費者庁の創設期
問題3①企業不祥事・自動車・食品廃棄物(公益通報者保護法)
問題3②改正個人情報保護法・2017年(平成29年)5月

平成28年度試験 ※新試験1年目で出題分野が安定していないためイレギュラー

問題2①不当請求や悪質や新サービスの悪質商法・2015年(平成27年)
問題2②最近の相談傾向(高齢者の被害)
問題3 消費者を保護するための規制
問題4①国民生活センターの位置付けと業務内容
問題4②消費者委員会

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