【テキスト】相談員の資格の歴史・仕事での必要性・現在の消費生活相談員資格について解説します(動画解説あり)

【動画解説】消費生活相談員の資格について(34分55秒)

相談員の仕事に資格は必要か?

  • 行政の消費生活相談窓口で相談員として仕事をする場合に、医師のように、資格は絶対必要条件ではない。ただし、資格を有していることが採用時の応募要件であることが多い。※国民生活センターの「各地の相談員の募集」のリンクから各地の応募要項を確認できます
  • 消費生活相談員の資格制度が創設されるまでの消費生活相談に関係する資格は事実上、「消費生活専門相談員」「消費生活アドバイザー」「消費生活コンサルタント」の3資格であり、消費生活センターに就職する場合にも、この3資格のいずれかを有することというのが採用の基本であることが多い(地方では人材不足のため要件がない場合もある)。
  • ①最初に書いているように、相談員になるには、これまで、特に資格保有等の要件はなかったが、②消費者庁が創設され、同時に施行された消費者安全法で相談業務に関する事務や消費生活センターが法的に位置づけられ、要件として「専門的な知識及び経験を有する者」が相談業務に従事すると定められた。③その後の消費者安全法の改正で、消費生活相談員の法的位置づけと国家資格制度ができたことで、消費生活相談員が法的に定義づけられた。
  • なお、消費者庁創設時に施行された消費者安全法では、相談業務等の事務を行うために消費生活センターを設置することとなっている(都道府県は義務・市町村は努力義務)。
  • 2016年・平成28年4月1日の消費者安全法の改正で、「消費生活相談員」は、①試験に合格した者又は同等以上の者で、②都道府県・市町村において苦情の相談対応やあっせんの事務を行うという要件になった(啓発業務等については資格は不要)。

消費者安全法

(都道府県及び市町村による消費生活相談等の事務の実施)
第八条 都道府県は、次に掲げる事務を行うものとする。
一 次項各号に掲げる市町村の事務の実施に関し、市町村相互間の連絡調整及び市町村に対する必要な助言、協力、情報の提供その他の援助を行うこと。
二 消費者安全の確保に関し、主として次に掲げる事務を行うこと。
イ 事業者に対する消費者からの苦情に係る相談のうち、その対応に各市町村の区域を超えた広域的な見地を必要とするものに応じること。
ロ 事業者に対する消費者からの苦情の処理のためのあっせんのうち、その実施に各市町村の区域を超えた広域的な見地を必要とするものを行うこと。

ハ 消費者事故等の状況及び動向を把握するために必要な調査又は分析であって、専門的な知識及び技術を必要とするものを行うこと。
ニ 各市町村の区域を超えた広域的な見地から、消費者安全の確保のために必要な情報を収集し、及び住民に対し提供すること。
三 市町村との間で消費者事故等の発生に関する情報を交換すること。
四 消費者安全の確保に関し、関係機関との連絡調整を行うこと。
五 前各号に掲げる事務に附帯する事務を行うこと。
2 市町村は、次に掲げる事務を行うものとする。
一 消費者安全の確保に関し、事業者に対する消費者からの苦情に係る相談に応じること。
二 消費者安全の確保に関し、事業者に対する消費者からの苦情の処理のためのあっせんを行うこと。

三 消費者安全の確保のために必要な情報を収集し、及び住民に対し提供すること。
四 都道府県との間で消費者事故等の発生に関する情報を交換すること。
五 消費者安全の確保に関し、関係機関との連絡調整を行うこと。
六 前各号に掲げる事務に附帯する事務を行うこと。
3 都道府県は、市町村が前項各号に掲げる事務を他の市町村と共同して処理しようとする場合又は他の市町村に委託しようとする場合は、関係市町村の求めに応じ、市町村相互間における必要な調整を行うことができる。
4 第一項各号に掲げる事務に従事する都道府県の職員若しくはその職にあった者又は第二項各号に掲げる事務に従事する市町村の職員若しくはその職にあった者は、当該事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。

(消費生活センターの設置)
第十条 都道府県は、第八条第一項各号に掲げる事務を行うため、次に掲げる要件に該当する施設又は機関を設置しなければならない。
一 消費生活相談員を第八条第一項第二号イ及びロに掲げる事務に従事させるものであること。
二 第八条第一項各号に掲げる事務の効率的な実施のために適切な電子情報処理組織その他の設備を備えているものであること。
三 その他第八条第一項各号に掲げる事務を適切に行うために必要なものとして政令で定める基準に適合するものであること。
2 市町村は、必要に応じ、第八条第二項各号に掲げる事務を行うため、次に掲げる要件に該当する施設又は機関を設置するよう努めなければならない。
一 消費生活相談員を第八条第二項第一号及び第二号に掲げる事務に従事させるものであること。
二 第八条第二項各号に掲げる事務の効率的な実施のために適切な電子情報処理組織その他の設備を備えているものであること。
三 その他第八条第二項各号に掲げる事務を適切に行うために必要なものとして政令で定める基準に適合するものであること。
3 前項の規定により同項の施設又は機関を設置する市町村以外の市町村は、第八条第二項第一号及び第二号に掲げる事務に従事させるため、消費生活相談員を置くよう努めなければならない。

(消費生活相談員の要件等)
第十条の三 消費生活相談員は、内閣総理大臣若しくは内閣総理大臣の登録を受けた法人(以下「登録試験機関」という。)の行う消費生活相談員資格試験に合格した者又はこれと同等以上の専門的な知識及び技術を有すると都道府県知事若しくは市町村長が認める者でなければならない。
2 消費生活相談員は、消費生活を取り巻く環境の変化による業務の内容の変化に適応するため、消費生活相談(第八条第一項第二号イ及びロ又は第二項第一号及び第二号の規定に基づき都道府県又は市町村が実施する事業者に対する消費者からの苦情に係る相談及びあっせんをいう。以下同じ。)に関する知識及び技術の向上に努めなければならない。
3 第一項の消費生活相談員資格試験(以下単に「試験」という。)は、消費生活相談を行うために必要な知識及び技術を有するかどうかを判定することを目的とし、次に掲げる科目について行う。
一 商品等及び役務の特性、使用等の形態その他の商品等及び役務の消費安全性に関する科目
二 消費者行政に関する法令に関する科目
三 消費生活相談の実務に関する科目
四 その他内閣府令で定める科目
4 試験(登録試験機関の行うものを除く。)を受けようとする者は、内閣府令で定めるところにより、手数料を国に納付しなければならない。
5 前二項に定めるもののほか、試験の受験手続その他の実施細目は、内閣府令で定める。

消費者安全法施行規則

(消費生活センターの組織及び運営等の基準)
第八条 法第十条の二第二項に規定する内閣府令で定める基準は、次に掲げるとおりとする。
一 都道府県知事又は市町村長は、消費生活センターを設置したときは、遅滞なく、次に掲げる事項を公示すること。当該事項を変更したときも、同様とする。
イ 消費生活センターの名称及び住所
ロ 法第十条の三第二項に規定する消費生活相談(以下「消費生活相談」という。)の事務を行う日及び時間
二 消費生活センターには、消費生活センターの事務を掌理する消費生活センター長及び消費生活センターの事務を行うために必要な職員を置くこと。
三 消費生活センターには、法第十条の三第一項に規定する消費生活相談員資格試験(以下単に「試験」という。)に合格した者(不当景品類及び不当表示防止法等の一部を改正する等の法律(平成二十六年法律第七十一号。以下「景表法等改正等法」という。)附則第三条の規定により合格した者とみなされた者を含む。)を消費生活相談員として置くこと。
四 消費生活センターは、消費生活相談員が実務の経験を通じて専門的な知識及び技術を体得していることに十分配慮し、任期ごとに客観的な能力実証を行った結果として同一の者を再度任用することは排除されないことその他の消費生活相談員の専門性に鑑み適切な人材及び処遇の確保に必要な措置を講ずること。
五 消費生活センターは、当該消費生活センターにおいて法第八条第一項各号又は第二項各号に掲げる事務に従事する職員に対し、その資質の向上のための研修の機会を確保すること。
六 消費生活センターは、法第八条第一項各号又は第二項各号に掲げる事務の実施により得られた情報の漏えい、滅失又は毀損の防止その他の当該情報の適切な管理のために必要な措置を講ずること。

消費者基本法

第二章 基本的施策

(苦情処理及び紛争解決の促進)
第十九条 地方公共団体は、商品及び役務に関し事業者と消費者との間に生じた苦情が専門的知見に基づいて適切かつ迅速に処理されるようにするため、苦情の処理のあつせん等に努めなければならない。この場合において、都道府県は、市町村(特別区を含む。)との連携を図りつつ、主として高度の専門性又は広域の見地への配慮を必要とする苦情の処理のあつせん等を行うものとするとともに、多様な苦情に柔軟かつ弾力的に対応するよう努めなければならない。
2 国及び都道府県は、商品及び役務に関し事業者と消費者との間に生じた苦情が専門的知見に基づいて適切かつ迅速に処理されるようにするため、人材の確保及び資質の向上その他の必要な施策(都道府県にあつては、前項に規定するものを除く。)を講ずるよう努めなければならない。
3 国及び都道府県は、商品及び役務に関し事業者と消費者との間に生じた紛争が専門的知見に基づいて適切かつ迅速に解決されるようにするために必要な施策を講ずるよう努めなければならない。

消費者保護基本法
(苦情処理体制の整備等)
第十五条
1 事業者は、消費者との間の取引に関して生じた苦情を適切かつ迅速に処理するために必要な体制の整備等に努めなければならない。
2 市町村(特別区を含む。)は、事業者と消費者との間の取引に関して生じた苦情の処理のあつせん等に努めなければならない。
3 国及び都道府県は、事業者と消費者との間の取引に関して生じた苦情が適切かつ迅速に処理されるようにするために必要な施策を講ずるよう努めなければならない。

【相談員の資格の歴史】公的3資格から国家資格創設へ

3つの時代(~①~2009年~②~2016年~③~)

  1. 「いわゆる消費生活相談員(定義なし)」の時代(~2009年・平成21年9月1日)
    ※旧旧資格試験(1991年度・平成3年度~2008年度・平成20年度までの18年間)
    ⇒消費者保護基本法(1968年)・消費者基本法(2004年)※苦情処理体制の整備
  2. 消費者庁創設時に施行された消費者安全法に規定された「専門的な知識及び経験を有する者」の時代(2009年・平成21年9月1日~)※旧資格試験(2009年度・平成21年度試験から平成27年度試験までの7年間)
    消費生活専門相談員・消費生活アドバイザー・消費生活コンサルタントのいずれかの資格を有する者又はこれらと同等以上の専門的な知識及び経験を有する者(改正前の消費者安全法施行規則第7条)
  3. 消費者安全法に規定された「消費生活相談員」の時代(消費者安全法の改正・2016年・平成28年4月1日~現在)※新資格試験
    消費生活相談員資格試験に合格した者(みなし合格者を含む)又はこれと同等以上の専門的な知識及び技術を有すると都道府県知事若しくは市町村長が認める者(消費者安全法第10条の3)(不当景品類及び不当表示防止法等の一部を改正する等の法律の一部の施行に伴う経過措置に関する内閣府令)
    ※みなし合格者…改正消費者安全法の施行時点で1年以上の実務経験がある者は永久みなし合格者(1年の実務経験がない場合は指定講習会を受けることで5年間(2021年・令和3年3月末まで)のみ「みなし合格者」となる←無理やり経過措置で、もう5年経過するので、新資格試験を受ける必要がある←アセアセ。そして該当者は気が付いてるのか?)なお、期限が過ぎた場合でも消費生活相談員としての「みなし合格者」ではなくなるが、それぞれの資格(消費生活専門相談員等)は更新を続ける限り有効である。

消費者安全法施行規則(平成21 年8 月28 日内閣府令第48 号)※平成28年4月1日改正前※

第7条 消費者安全法(以下「法」という。)第10条第1項第1号又は第2項第1号に規定する者は、次に掲げるいずれかの資格を有する者又はこれらと同等以上の専門的な知識及び経験を有する者とする。
一 独立行政法人国民生活センター(以下「国民生活センター」という。)が付与する消費生活専門相談員の資格
二 財団法人日本産業協会が付与する消費生活アドバイザーの資格
三 財団法人日本消費者協会が付与する消費生活コンサルタントの資格

  • 「消費生活専門相談員」(1991年・平成3年~)5年更新・受験資格なし、独立行政法人国民生活センター理事長認定事業
  • 「消費生活アドバイザー」(1980年・昭和55年~)5年更新・受験資格なし、内閣総理大臣及び経済産業大臣認定事業
  • 「消費生活コンサルタント」(1962年・昭和37年~)更新不要・講座受講(約15万円)が受験要件、(財)日本消費者協会認定事業
  • (一般論)3資格は国家資格ではなく民間資格であるが、民間資格の中でも公的資格という位置付け

現在の消費生活相談員資格について

  • 「消費生活相談員資格試験」ですが、「消費生活相談員」としての独立した試験はない
  • 平成21年9月に消費者庁が創設されたと同時に新たに施行された消費者安全法の中に消費生活センターが法的に位置づけられたが、平成28年4月1日施行の改正消費者安全法で消費生活相談員が法的に位置づけられ、国家資格として消費生活相談員の資格制度ができた。
  • 消費者安全法に基づく「登録試験機関」での試験合格者が消費生活相談員試験の合格者とみなされる
  • 消費生活相談員試験に合格して資格を取っても、消費者庁に登録されたり、賞状のような資格証明書もない。ペラペラの合格通知書が証明になる。
  • 「登録試験機関」は現時点で2機関あり、「独立行政法人国民生活センターの消費生活専門相談員資格試験」と「一般財団法人日本産業協会の消費生活アドバイザー資格試験」で、今後増えることもないと思います(消費生活コンサルタントは有料の講座受講が必要で方向制が違うので登録はないと思います)。
  • 消費生活専門相談員と消費生活アドバイザーの2つの資格の違いは、前者が消費生活センター向けであり、後者が企業のお客様対応(CS:カスタマーセンター)向け
  • 「消費生活アドバイザー資格」は広く使える資格であるのに対して、消費生活専門相談員は実質的には消費生活センターなどの消費者行政でのみしか通用しない資格なので、「消費生活相談員資格」や「消費生活専門相談員資格」は企業への就職時の所有資格としては、あまり意味がない
  • 今や昔の話で表にはあまり出ていないが、もともと消費生活相談員資格は、民間にも活用できる資格としたいという目標がありました。消費消費生活専門相談員や消費生活アドバイザーの上位資格?に位置づけようとしていたが、失敗?に終わり、撤回?するわけにもいかないので、登録指定機関の資格試験に合格すると、「消費生活相談員試験」にも合格したことになる「みなし合格者」という変な制度になってしまった。また、新しい試験の出題要件等に合わせて、「消費生活専門相談員資格試験」の出題問題の内容が変わるかと思いきや、若干範囲が広がってはいるが、実質的には、これまでとほとんど変わらないものだった。
  • ちなみに、この試験に合格しただけでは「消費生活相談員」と名乗ることができない。消費生活センター等の消費者安全法に定める相談業務に従事している場合に「消費生活相談員」と名乗ることができる(下記参照)。そのほかの場合は、「消費生活相談員資格(国家資格)」「消費生活相談員資格試験合格者(国家資格)」となり、「×消費生活相談員」「×消費生活相談員(国家資格)」とは名乗れないことに注意が必要。ただし、「消費生活専門相談員」は5年ごとの資格登録更新をすれば名乗ることができる(研修受講・更新料が必要。消費生活アドバイザーも同じ)。
  • 正直言って、消費生活センターに就職しなければ、「消費生活相談員資格(消費生活専門相談員)」は、勉強するには面白いが、単に資格を所有するだけでは意味がないと思う。

消費生活相談員資格の名刺等への表記について

 消費生活相談員資格試験の合格者が名刺等へ資格名を記載する場合は、以下のとおり表記することができます。

・消費生活相談員資格(国家資格)
・消費生活相談員資格試験合格者(国家資格)
 また、登録試験機関名を併記することも可能です。

 なお、「消費生活相談員」の職に従事していない者が「消費生活相談員」と名刺に記載することは避けてください。

(例)
× 消費生活相談員
× 消費生活相談員(国家資格)

http://www.kokusen.go.jp/shikaku/shikaku.html

【参考】消費生活相談員資格の法的位置付けの明確化等に関する検討会(平成23年10月~平成25年8月)

(国立国会図書館が保存のアーカイブ)
消費者庁ホーム > 政策 > 政策一覧(消費者庁のしごと) > 消費者教育・地方協力 > 消費者の安全・安心確保のための制度整備 > 消費生活相談員資格の法的位置付けの明確化等に関する検討会

消費生活相談員資格の法的位置付けの明確化等に関する検討会

https://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/11062778/www.caa.go.jp/policies/policy/local_cooperation/system_improvement/committee_001/