消費生活相談員資格試験の具体的な内容について解説します(動画解説あり)

「消費生活相談員資格(国家資格)」の試験対策としては、「みなし合格」になるため、「独立行政法人国民生活センターの消費生活専門相談員資格試験」に合格するための対策をするということになります

【動画解説】消費生活相談員資格試験の具体的な内容について(52分32秒)

消費生活専門相談員の試験科目

消費生活専門相談員の試験科目(法律・ガイドラインに準拠)

① 商品等及び役務の特性、使用等の形態その他の商品等及び役務の消費安全性に関する科目
② 消費者行政に関する法令に関する科目
③ 消費生活相談の実務に関する科目
④ 消費生活一般に関する科目
⑤ 消費者のための経済知識に関する科目

❉第1次試験問題における出題の根拠となる法令等は、当該年度の5 月1 日時点で施行されているものです。ただし、既に公布され、施行を控えた法律の内容について、その概要に関して問う問題が出題されることがありえます。
❉「論文試験」及び「面接試験」は、上記の5つの試験科目のうち、③の科目の一環として行います。

※専門相談員試験では「③ 消費生活相談の実務に関する科目」の科目は「1次論文試験」と「2次面接試験」の一環としている。この科目は法律による免除規定があるので、「現職相談員」と「指定講習会受講済みの3資格保有者」は「2次面接試験」の免除を申請することができる(勉強になるので普通に2次試験を受けてもよい。現職無資格相談員は内緒受験もいる。3資格保有者の場合わざわざ指定講習会を受けるのはもったいない。)

【参考】旧試験の要項での試験範囲(新試験になっても基本的に同じ)

1. 出題範囲
(1)消費者問題に係わる一般常識
(2)消費者行政に係わる知識
(3)消費生活に係わる経済知識
(4)消費者問題に係わる基礎的な法律知識
(5)消費生活上の商品・サービスに係わる知識
(6)消費生活相談に関連する基礎的知識
❉第1次試験問題における出題の根拠となる法令等は、当該年度の4月1日現在施行されているものです。

消費生活相談員資格試験の実施時期・1次試験・2次試験の具体的な内容

試験の実施時期

  • 例年10月初旬から中旬に1次試験、11月末から12月初旬に2次試験が開催される
  • 1次試験は消費生活アドバイザー試験(日曜日に実施)とは重ならない日程になっている(2日連続という年も多い)

1次試験

  • 午前中(10:00~12:30)の2時間30分でマークシートの択一・穴埋問題が180問(大問題が24問前後)で合格ラインは基本的に65%以上(117点/180点満点)。
  • 午後(13:30~15:30)に2時間の論文試験で合格ラインは60点/100点満点で、マークシートが不合格の場合は採点されない。
  • 1次試験のマークシートは、①選択穴埋、②正誤×選択(アイもしくはアイウの下線部の正誤〇×問題で、×の場合はどれが×か選択)、③正誤〇×(文章全体の正誤)、④5肢2択(ア~オまでの5つの文章のうち誤っている文章2つを選択)の4種類で新試験から③④の形式が追加された ※問題ごとの割合などはおおむね毎年同じ
  • 平成21年度の旧試験時代に250問出題されていた問題数が、同じ試験時間で250問→200問(23年度から)→180問(新試験から)に減少したため、楽にはなったが、難易度は変わらず、そこそこ難しい。
  • 新試験制度により一般知識問題が少し増えたが、全体として旧試験と基本的には同じ傾向(試験後には毎回「傾向が変わった」という受験生もいるが、基本的には変わっていない)。
  • 1次試験の論文試験は2つのテーマから1つを選択し、5つの指定語句を使って、1000-1200字で論文を書く。論文には評価の基準が要項や問題文に示されている。
  • 試験問題は持ち帰ることができる。1次試験終了後の翌週早々に解答が公表されるので、自己採点ができる。また、最終合否通知のころに、1次試験の特典を照会できる(択一・論文ともに)
  • 毎年1000人前後が受験し、合格率は約25%。※有資格者再受験組が多かった最初は合格率が高かった

2次試験

  • 2次試験は約15分の個別面談。合格率は約95%以上。基本的によほどのことがない限り合格する。落とすための試験ではなく合格させるための試験。2019年度より評価基準が変わり少し厳しくなった。複数の日程で行われ、開催会場が少なくなるので、居住地によっては遠隔となる。受験生ごとに面接時刻が割りふられる。
  • 2次試験の内容は受験要項に『面接試験(上記6.(1)の試験科目・出題範囲から出題します。消費生活相談を行う上での知識のほか、コミュニケーションスキルやヒアリング力などの技術を総合的に評価します。)』と書かれているが、具体的な内容は書かれていない。
  • 勉強部屋では管理人の旧試験と新試験の2回の体験談と会員からの体験談をもとに、具体的な内容を公開している。

【2次試験(面接試験)の内容は基本的に4つの項目 ※面接時間は約15分】
1.志望動機や心構え・資格を取ろうと思った理由
2.事例問題(メイン)1~2問⇒基本的には1問
3.最近の消費者問題・気になる消費者問題
4.消費生活センターの役割

試験内容は旧試験と基本的には同じですが、新試験になってから面接時間が20分から15分に短縮されており、受験者によっては聞かれない項目もあったりします。受験生の経歴や受け答えの内容によって、変わってくると思われます。

重要なポイントは、圧迫面接の印象を持つかもしれませんが、答えられない時でも、固まってしまい、何も発言できず黙り込むと、評価できず不合格になる可能性がありますので、間違ったことでもいいので、嫌味を言われながらでも、会話をしましょう。部屋を出てから泣きましょう。

その他

  • 出題範囲は消費者安全法により基準が定められたが、実際には、これまでとほとんど変わっていない(アドバイザー試験の方が出題範囲が広いので、より準拠していると思う)
  • 個人的には、この試験問題は特徴があって面白く好きである。

重要ポイント

①基礎知識を暗記すれば正解できるような問題ではなく、基礎知識をベースとした実践的な問題が出題される。テキスト学習よりも過去問学習の方が効果的であり、過去問学習しなければ合格は難しい(そもそもテキスト自体が少ない)。
②論文試験は、相談員試験の独特の論文問題と評価基準があり、論文が苦手な場合はきちんと論文対策しないと合格は難しい。

消費生活相談員資格試験の受験対策用のテキスト

  • 民間資格試験の場合は、その試験実施機関が公認のテキストを作成していることが多いのですが、消費生活専門相談員試験の場合は実施機関が作成するテキストがありません。実施機関である国民生活センターが独立行政法人となっており公的機関の色合いが強いのからかもしれませんね。そのかわり、毎年の受験要項に「参考図書・参考ホームページ一覧」が掲載されています。(ちなみに、消費生活アドバイザーは実施機関である日本産業協会がテキストを販売しています)
  • 一般的な資格試験の場合は、どこかから参考書やテキストが販売されることが多いのですが、ニッチな資格のためか、専用のテキストは販売されていません。ただし、消費生活専門相談員を持っている現職相談員が多く会員になっている「公益社団法人 全国消費生活相談員協会(全相協)」がテキストを作成して販売しています。ただ、初学者にとって、このテキストでは適切な試験対策にはならないのが正直な感想です。なお、全相協が作成した過去問解説集があるが通信講座参加者もしくは会員限定での販売であり、どのような内容かはわかりません。そのほか、勉強部屋で以前はおすすめしていた市販テキストの「消費生活アドバイザー受験合格対策」があります。

勉強部屋ではテキストは不要としています

参考図書(受験要項より)

くらしの豆知識、ウェブ版国民生活、消費生活年報、消費者白書

参考ホームページ(受験要項より)

公益社団法人 全国消費生活相談員協会(全相協)のテキスト

消費者問題入門 消費生活相談員資格試験受験対策テキスト3冊セット(3冊ともA4版)
3冊セット 価格 6,050円(本体価格5,500円+税)(送料・払込手数料は別途)
編集・発行:公益社団法人全国消費生活相談員協会

http://www.zenso.or.jp/plsh/juken.html

【参考】資格試験についての法律・ガイドライン

消費者安全法
(消費生活相談員の要件等)
第十条の三 消費生活相談員は、内閣総理大臣若しくは内閣総理大臣の登録を受けた法人(以下「登録試験機関」という。)の行う消費生活相談員資格試験に合格した者又はこれと同等以上の専門的な知識及び技術を有すると都道府県知事若しくは市町村長が認める者でなければならない。
2 消費生活相談員は、消費生活を取り巻く環境の変化による業務の内容の変化に適応するため、消費生活相談(第八条第一項第二号イ及びロ又は第二項第一号及び第二号の規定に基づき都道府県又は市町村が実施する事業者に対する消費者からの苦情に係る相談及びあっせんをいう。以下同じ。)に関する知識及び技術の向上に努めなければならない。
3 第一項の消費生活相談員資格試験(以下単に「試験」という。)は、消費生活相談を行うために必要な知識及び技術を有するかどうかを判定することを目的とし、次に掲げる科目について行う。
一 商品等及び役務の特性、使用等の形態その他の商品等及び役務の消費安全性に関する科目
二 消費者行政に関する法令に関する科目
三 消費生活相談の実務に関する科目

四 その他内閣府令で定める科目
4 試験(登録試験機関の行うものを除く。)を受けようとする者は、内閣府令で定めるところにより、手数料を国に納付しなければならない。
5 前二項に定めるもののほか、試験の受験手続その他の実施細目は、内閣府令で定める。

消費者安全法施行規則

(試験の科目)
第八条の二 法第十条の三第三項第四号に規定する内閣府令で定める科目は、次に掲げるとおりとする。
一 消費生活一般に関する科目
二 消費者のための経済知識に関する科目


(試験科目の免除)
第八条の八 登録試験機関は、試験を受けようとする者が次の各号のいずれかに該当する場合には、試験を受けようとする者の申請により、消費生活相談の実務に関する科目につき試験の一部を免除することができる。
一 受験申込書を提出する際現に消費生活相談の事務に従事している者
二 受験申込書を提出する際現に、消費生活相談の事務に従事することが既に決定されている者
三 受験申込書を提出した日から遡って五年間において、消費生活相談の事務に通算して一年以上従事していた者
2 登録試験機関は、試験を受けようとする者が次の各号のいずれにも該当する場合には、試験を受けようとする者の申請により、消費生活相談の実務に関する科目につき試験の一部を免除することができる。
一 次に掲げるいずれかの資格を有すること。
イ 独立行政法人国民生活センター(以下「国民生活センター」という。)が付与する消費生活専門相談員の資格
ロ 一般財団法人日本産業協会が付与する消費生活アドバイザーの資格
ハ 一般財団法人日本消費者協会が付与する消費生活コンサルタントの資格
二 景表法等改正等法附則第三条第二項に規定する講習会の課程を修了したこと。
3 登録試験機関は、第一項又は前項の規定により消費生活相談の実務に関する科目につき試験の一部を免除する場合には、免除する内容を法第十一条の十五第一項に規定する試験業務規程(以下「試験業務規程」という。)において定めなければならない。

登録試験機関の消費生活相談員資格試験の試験業務に関するガイドライン(消費者庁 平成27 年3月27 日制定)※4-5ページ

登録試験機関の消費生活相談員資格試験の試験業務に関するガイドライン
消費者庁
平成27 年3月27 日制定

4-5ページ

(2)試験の内容
ア.試験科目及び科目ごとの出題範囲
試験科目については、法第10条の3第3項の規定に基づき、次の①から⑤までに掲げる科目を実施するとともに、科目ごとの出題範囲は別紙1に示す、各科目に該当する事項の例示を参考にして出題することとする。
①商品等及び役務の特性、使用等の形態その他の商品等及び役務の消費安全性に関する科目
②消費者行政に関する法令に関する科目
③消費生活相談の実務に関する科目
④消費生活一般に関する科目
⑤消費者のための経済知識に関する科目

https://www.caa.go.jp/policies/policy/local_cooperation/system_improvement/consumer_safety_act_amendment/

消費生活相談員資格試験(消費生活専門相談員資格認定試験)受験要項

6.試験科目・出題形式・合否判定基準
(1)試験科目
① 商品等及び役務の特性、使用等の形態その他の商品等及び役務の消費安全性に関する科目
② 消費者行政に関する法令に関する科目
③ 消費生活相談の実務に関する科目
④ 消費生活一般に関する科目
⑤ 消費者のための経済知識に関する科目
❉第1次試験問題における出題の根拠となる法令等は、当該年度の5 月1 日時点で施行されているものです。ただし、既に公布され、施行を控えた法律の内容について、その概要に関して問う問題が出題されることがありえます。
❉「論文試験」及び「面接試験」は、上記の5つの試験科目のうち、③の科目の一環として行います。

http://www.kokusen.go.jp/shikaku/shikaku.html

消費生活専門相談員と消費生活アドバイザーの違いについて(試験内容・難易度)

  • 1次試験(択一穴埋問題)のボリュームが違う(=勉強範囲が広く多い)※合格ラインは同じ65%
    専門相談員…1科目で2時間30分(大問題24問前後で解答数が180個)
    アドバイザー…3科目で各70分(大問題が合わせて55問で解答数は問題ごとに2-5問程度が最近は275個)
  • 2次試験の内容が違う(専門相談員は面接のみ、アドバイザーのは論文と面接)
  • 専門相談員はメインの分野が特化されており、難しく奥深く、実務を想定している反面、イメージで覚えやすいが、アドバイザーは広く浅いので単純暗記が必要。特に、経済問題の難易度は高い(専門知識の暗記が必要)。
  • 専門相談員は消費生活センターでしか活用できない資格であるのに対して、アドバイザーは企業向けで広く活用できる

日本産業協会 – 2020年度 消費生活アドバイザー資格試験 – 受験要項

5. 試験範囲
1. 消費者問題
2. 消費者のための⾏政・法律知識
 (1) ⾏政知識
 (2) 法律知識
3. 消費者のための経済知識
 (1) 経済⼀般と経済統計の知識
 (2) 企業経営⼀般知識
 (3) ⾦融の知識
 (4) ⽣活経済
 (5) 地球環境問題・エネルギー需給
4. ⽣活基礎知識
 (1) 医療と健康
 (2) 社会保険と福祉
 (3) 余暇⽣活
 (4) ⾐服と⽣活
 (5) ⾷⽣活と健康
 (6) 快適な住⽣活
 (7) 商品・サービスの品質と安全性
 (8) 広告と表⽰
 (9) 暮らしと情報
・第1次試験問題の出題根拠となる法令等は2020 年4 ⽉1 ⽇時点で施⾏されているものです。

6. 出題形式
(1) 第1 次試験(択一および○×式)
「5. 試験範囲」より、択一および○×式で出題します。
マークシートでの解答とし、全55 問、550 点満点となります。
(2) 第2 次試験(論文・面接)
▶︎ 論文試験
60 分の論文試験を2 時限行います。各時限、4題より1題の選択となります。
出題は「5. 試験範囲」のうち、以下の範囲より出題します。
第1 時限(4 題)…①消費者問題、②行政知識、③④法律知識(2 題)
第2 時限(4 題)…①経済一般知識、②企業経営一般知識、③生活経済、④地球環境問題・エネルギー需給
▶︎ 面接試験
面接委員による個人面接を行います。
7.合否判定基準
(1) 第1 次試験(択一および○×式)
第1 時限~第3 時限の合計得点が原則として、正解率65%(358 点)以上を合格の基準とします。第3 時限までの全ての答案を提出していない場合には、採点対象外となります。
(2) 第2 次試験(論文・面接)
▶︎ 論文試験は、消費生活アドバイザー及び消費生活相談員として必要な、出題の理解力、課題の捉え方、表現力等を審査し、選択した2題それぞれが5段階評価(A~E)のC以上とします。
▶︎ 面接試験は、消費生活アドバイザー及び消費生活相談員として必要な、見識、相応しい態度、積極性、コミュニケーション能力等について審査し、面接委員の総合評価が3段階評価(A~C)のB以上とします。

http://www.nissankyo.or.jp/adviser/siken/about-test.html

【参考】W合格を目指すためのアドバイザー試験での戦略(メインは専門相談員)

  • 1科目目の消費者行政問題を9割以上、2科目目の経済問題を何とか5割、3科目目の基礎知識問題を6-7割の平均で合格ラインの65%を目指す
  • W受験のテキストは「消費生活アドバイザー受験合格対策」
  • 基本はテキストによる単純暗記が多い