2020年度 問題5 消費者教育・経済問題・環境問題(正誤×選択)その1(一般公開中)

5.次の文章のうち、下線部が2ヵ所とも正しい場合は○を、下線部のうち誤っている箇所がある場合は、誤っている箇所(1ヵ所)の記号を解答用紙の解答欄に記入(マーク)しなさい。
※誤っている箇所がある場合は、1ヵ所である。

① 消費者教育推進法は、学校における消費者教育を推進するため、国及び地方公共団体に対し、幼児、児童及び生徒の㋐発達段階に応じて、学校の授業その他の教育活動において㋑適切かつ体系的な消費者教育の機会を確保するため、必要な施策を推進することを義務づけている。

② 2018(平成 30)年に高等学校学習指導要領が改訂され、消費者教育に関わりの深い教科の一つである「公民」に必履修科目として㋐「公共」が新設された。自立した主体としてよりよい社会に参画することを目指し、多様な契約及び消費者の権利と責任などに関わる現実社会の課題等をもとに、社会の秩序が維持形成されていくことを理解することが盛り込まれている。また、㋑「総合的な探究の時間」が新設され、社会教育施設や社会教育関係団体等の各種団体との連携などの工夫を行うこととしている。

③ 消費者基本法において、国は、消費者の自立を支援するため、消費生活に関する㋐知識の普及及び情報の提供等、消費者に対する啓発活動を推進するとともに、消費者が生涯にわたって消費生活について学習する機会があまねく求められている状況にかんがみ、学校、地域、家庭、㋑公共施設その他のさまざまな場を通じて消費生活に関する教育を充実する等、必要な施策を講ずるものとされている。

④ 「消費動向調査」は、消費者の暮らし向きに関する考え方の変化や物価の見通しなどをとらえ、景気動向の把握や経済政策の企画・立案の基礎資料とすることを目的として、㋐内閣府が毎月実施している。その調査結果は、㋑「消費者物価指数」、「1年後の物価の見通し」として公表されている。

⑤ 外国為替相場を決定する大きな要因は、市場における通貨間の需要と供給のバランスである。中長期的にみた場合には、一般に㋐金利の上昇は通貨高要因、金利の低下は通貨安要因となり、貿易収支の黒字は㋑通貨高要因となる。各国の中央銀行は、物価や景気の安定化のために金融政策の決定と実行にあたっており、金融政策の見通しも為替市場において注目されている。

⑥ 金融庁は、2017(平成 29)年3月に「顧客本位の業務運営に関する原則」を公表し、金融事業者に対して本原則に沿った業務運営を実現するための明確な方針を策定・公表するよう求めた。本原則によると、金融事業者は、顧客の資産状況、取引経験、知識及び㋐取引目的・ニーズを把握し、当該顧客にふさわしい金融商品・サービスの㋑組成、販売・推奨等を行うべきとされている。

⑦ 2016(平成 28)年5月に「地球温暖化対策計画」が閣議決定された。そこでは、長期的な目標を見据えた戦略的取組として、すべての主要国が参加する公平かつ実効性ある国際枠組みの下、主要排出国がその能力に応じた温室効果ガス排出削減に取り組むよう㋐国際社会を主導し、地球温暖化対策と経済成長を両立させながら、長期的目標として 2050 年までに㋑50%の温室効果ガス排出削減を目指すこととされた。

⑧ 容器包装リサイクル法は、容器包装廃棄物の排出の抑制並びにその分別収集及びこれにより得られた分別基準適合物の㋐再商品化を促進するための措置を講ずること等により、一般廃棄物の減量及び再生資源の十分な利用等を通じて、廃棄物の適正な処理及び㋑資源の有効な利用の確保を図り、もって生活環境の保全及び国民経済の健全な発展に寄与することを目的としている。

解説

  • 問題1から順番に解答していくと最初に出てくる「正誤×選択」です。「正誤×選択」は一番難しい解答パターンです。ただし、この分野の問題は比較的易しいので心理的に助かります。
  • 新試験になってから、分野をまたいだ、さまざまな問題が集められています。新試験制度になってから問題数が減っているので大問題から外すような小問題をここに集結させたような感じです。
  • あまりなじみのない法律が出てきたりしていますので難しめになっています。例年、頭をうならせる分野ですが、常識力から正解を導き出すことにができる問題が多く、思った以上に得点源になります。
  • 知らない法律問題もあり、「正誤×選択」なので、大きく取りこぼさないように最低でも半分以上を目標にします。
  • 過去にも出題された同じような問題は取りこぼさないように過去問対策をしておきましょう。
  • 一般常識で解答が導き出されるような感覚をつけたいところです。あまり時間を書ける問題ではありませんので時間配分には気をつけてください。5分程度で終わらせましょう。5分程度ということは、1回読んだら読み返すことなく解答するという感じです。
  • 問題のタイトルから「食品問題」を除外しました。ここで出題される食品問題は、消費者教育に関わる食品ロスなどに含まれるので、シンプルにしました。
  • 最近注目となったSDGsが、2018年度と2019年度で出題されて注目していましたが、2020年度試験では出題されませんでした。ただし、注目の分野なので、今後も継続的に出題され可能性があります。また、エシカル消費や食品ロスといった注目すべき分野は、消費者庁のHPのトップ画面上部に「注目情報・キーワード」にありますので要チェックです。

正誤×選択は基本的に「ア・イ・ウ」の3つから誤っているものを選択する方式で、たまに「ア・イ」の2つの時もありました。しかし、2020年度試験は正誤×選択がすべて「ア・イ」の2つから選択する方式に変わりました。3つから2つに減ったから易しくなっと思いがちですが、逆に、明らかに×になるような問題が減るということなので、難易度が易しくなったわけではなく、むしろ難しくなった問題もあったりするので、微妙なところです。×ウが多かっただけに、そういうテクニックが使えな方っということです。面食らった受験生もいたかもしれませんが、特に慌てる必要はないと思います。2021年度試験がどうなるかは分かりません。ただ、出題傾向や問題の難易度は変わっていませんので、細かいところは気にしないようにしてください。
※ちなみに、これまでは×ウが多かったのですが、2択になったことで×イが多くなっています。また、新試験になってから〇も多くなっています。(2020年度は8問64個のうち、〇25個・×ア12個・×イ27個になっています)

30年度試験の「正誤×選択」問題から、「※誤っている箇所がある場合は、1ヵ所である。」という注意書きが追記されました。

旧試験では「正誤×選択」の場合、「×ウ」 のパターンが多かったのですが、新試験になってから、やたら「○」が多くなっています。○が連続で続くと不安になってしまいますが、実は○が多いという結果になっていますので、自信をもって「○」の判断を信じてください。ちなみに、ずべて同じ答えにしてしまうと0点になるので気を付けてください。
旧試験では問題用紙の表紙の注意事項に「※ ○×下線問題には、すべての設問が○またはすべての設問が×の問題はない。したがって、解答欄にすべて○またはすべて×をマークした場合は0点とする。」とありましたが、新試験からは問題用紙ではなく、マークシートに書かれています。

2020年度(令和2年度) 難易度(A易、B普通、C難)目標:4問以上/8問中

【消費者教育】2問
【その他】1問(消費者基本法)
【経済問題】3問
【環境問題】2問

問題5① 【消費者教育】基本的施策・消費者教育推進法第11条(学校における消費者教育の推進)AB
問題5② 【消費者教育】高等学校学習指導要領の改訂 BC
問題5③ 【消費者基本法】基本的施策・第17条(啓発活動及び教育の推進)BC
問題5④ 【経済問題】消費動向調査 C
問題5⑤ 【経済問題】外国為替相場 C ※捨て問題
問題5⑥ 【経済問題】顧客本位の業務運営に関する原則 AB
問題5⑦ 【環境問題】地球温暖化対策計画 C
問題5⑧ 【環境問題】容器包装リサイクル法 AB

過去問の分類と難易度

2019年度(令和元年度)(本試験) 難易度(A易、B普通、C難)目標:5-6問以上/8問中

【消費者教育】2問
【その他】1問
【経済問題】3問
【環境問題】2問

問題5① 【消費者教育】目的(消費者教育推進法第1条)A
問題5② 【その他】持続可能な開発目標(SDGs)・エシカル消費 B
問題5③ 【消費者教育】高等学校学習指導要領の改訂 B
問題5④ 【経済問題】物価安定目標 BC
問題5⑤ 【経済問題】キャッシュレス決済 AB
問題5⑥ 【経済問題】金融資産 BC
問題5⑦ 【環境問題】循環型社会形成推進基本法  BC
問題5⑧ 【環境問題】食品ロス B

2019年度(令和元年度)(再試験) 難易度(A易、B普通、C難)目標:5-6問以上/8問中

【消費者教育】2問
【その他】1問
【経済問題】3問
【環境問題】2問

問題5① 【消費者教育】大学等における消費者教育の推進(消費者教育推進法第12条)AB
問題5② 【消費者教育】消費者教育基本方針・若年者の消費者教育 BC
問題5③ 【その他】持続可能な開発目標(SDGs)・消費者教育 BC
問題5④ 【経済問題】有効求人倍率 BC
問題5⑤ 【経済問題】物価指数  BC
問題5⑥ 【経済問題】家計調査統計・消費支出 BC
問題5⑦ 【環境問題】地球温暖化対策のための税 AB
問題5⑧ 【環境問題】電力の小売全面自由化 BC

2018年度(平成30年度)難易度(A易、B普通、C難)目標:4問以上/8問中

【消費者教育】2問
【その他】1問
【経済問題】3問
【環境問題】2問

問題5① 【消費者教育】基本理念(消費者教育の推進に関する法律)AB
問題5② 【その他】持続可能な開発目標(SDGs)AB
問題5③ 【消費者教育】基本方針(消費者教育の推進に関する法律)B
問題5④ 【経済問題】景気低迷対策 B
問題5⑤ 【経済問題】クラウドファンディング A
問題5⑥ 【経済問題】国内総生産(GDP)AB
問題5⑦ 【環境問題】容器包装リサイクル法 B
問題5⑧ 【環境問題】PCB BC

2018年度(平成29年度)難易度(A易、B普通、C難)目標:4問以上/8問中

【消費者教育】2問
【その他】1問
【経済問題】3問
【環境問題】2問

問題5① 【消費者教育】消費者教育推進法(第13条 地域における消費者教育の推進)BC
問題5② 【消費者教育】消費者教育推進法(消費者教育推進会議)BC
問題5③ 【その他】食育基本法 B
問題5④ 【経済問題】経済問題(為替レート・円高円安)AB★
問題5⑤ 【経済問題】経済問題(マイナス金利)AB
問題5⑥ 【経済問題】経済問題(調査データ・有効求人倍率)BC
問題5⑦ 【環境問題】環境問題(省エネルギーラベル)BC
問題5⑧ 【環境問題】環境問題(ワシントン条約)BC

2018年度(平成28年度)難易度(A易、B普通、C難)目標:5問以上/8問中

【消費者教育】3問
【経済問題】3問
【環境問題】2問

問題5① 【消費者教育】消費者市民社会(消費者教育の推進に関する法律)
問題5② 【消費者教育】消費者教育の推進に関する基本的な方針(消費者教育の推進に関する法律)
問題5③ 【消費者教育】金融に関わる消費者教育
問題5④ 【経済問題】インフレ目標
問題5⑤ 【経済問題】円高・円安
問題5⑥ 【経済問題】(調査データ)ネット通販トラブル
問題5⑦ 【環境問題】食品リサイクル法
問題5⑧ 【環境問題】地球温暖化防止会議