2020年度 問題22 金融商品・立替払い型の後払い決済サービス(選択穴埋)その1(一般公開中)

22.次の文章の[ ]に入る最も適切な語句を、下記の語群の中から1つ選び、解答用紙の解答欄にその番号を記入(マーク)しなさい。なお、同一記号には同一語句が入る。

 インターネット通販における決済手段の一つとして、「立替払い型の後払い決済サービス」がある。これは、消費者、販売店(インターネット上の店舗等)、後払い決済サービス事業者(以下、決済事業者)の三者間の契約関係の中で行われる決済のことである。
 消費者が販売店で商品を購入すると、販売店は消費者の名前、住所、メールアドレス等を含む[ ア ]を決済事業者へ伝える。決済事業者は消費者の与信審査を行い、問題がなければ販売店へ[ イ ]を行う。販売店が商品を発送し、消費者の手元に届いた後、決済事業者は販売店へ立替払いを行い、消費者は支払期日までにコンビニや銀行等から決済事業者に代金を支払うという流れである。
 決済事業者は、クレジットカードほど高くはないが、1ヵ月当たり一定の[ ウ ]を設けている。クレジットカードを持たない消費者でも利用でき、販売店にとっても商品代金の未回収リスクを回避できるなど、利便性が高いことから注目を集めている。一方、消費者が、決済事業者が異なる複数の販売店を利用した場合、消費者への[ エ ]になる可能性がある。また、決済サービスについて[ オ ]の適用がないケースが多いことや、第三者による不正利用を防止する取組等にも課題がある。

【語群】
1. 消費者契約法 2. 特定個人情報 3. 取引情報 4. 最低利用金額 5. 貸付け 6. 承諾通知 7. 利益供与 8. 割賦販売法 9. 民法 10. 与信限度額 11. 注意喚起 12. 過剰与信

解説・出題傾向

新試験になってからの新しい金融商品のパターンの問題です。正誤×選択でも解説しましたが、新試験になってから個別の具体的な金融商品や金融サービスについての5問の穴埋め問題が出題されています。旧試験での出題形式は正誤×選択であったり穴埋であったりバラバラでしたが、新試験になって、問題数が減少し、金融商品については「主に法律関係が正誤×選択12-13問」と今回の「個別の金融商品・サービスの穴埋5問」の形になり、今後も、この出題パターンになると思います。

難易度としては一般常識で正解できる問題が多く、易しいので、5問中4問以上の正解を目指したいところです。穴埋めなので暗記していなくても一般常識力や想像力をフル稼働させましょう。また、選択肢の数が一定していませんので、多い時はケアレスミスで落とすようなことがないようにうまく整理してください。

  • 2020年度 問題22(選択穴埋)5〔決済サービス〕※選択肢12個
  • 2019年度(本試験)問題21(選択穴埋)5〔つみたてNISA〕※選択肢14個
  • 2019年度(再試験)問題21(選択穴埋)5〔キャッシュレス決済〕※選択肢13個
  • 2018年度(平成30年度)問題20(選択穴埋)5〔 iDeCo 〕※選択肢11個
  • 2017年度(平成29年度)問題20(選択穴埋)5〔投資信託〕※選択肢14個
  • 2016年度(平成28年度)問題25(選択穴埋)5〔ファンド〕※選択肢10個

今回のテーマである「決済サービス」は、日常的に使う機会が多いと思いますので、一般常識をフル活用して満点近くを目指してください

この問題の最大のポイントは、どんなサービスなのかを思い浮かべることができるかどうかです。誰もが知っているサービスですが、難しい言葉を使っているので、なぜか想像できなかったり、試験終盤で頭がパニックになっているかもしれません。具体的なサービスが思い浮かべば、易しいレベルの問題になります。

ネット通販の支払手段として、後払いでのコンビニ支払をイメージしてください。クレジットカードを持っていない大学生が手軽に利用することができます。

この問題が出題された経緯を想像

  • 国民生活センターが、特別調査として、「消費者トラブルからみる立替払い型の後払い決済サービスをめぐる課題」を2020年1月23日に公表していました。
  • この資料試験対策で事前チェックするのは難しいですね。
  • 「立替払い型の後払い決済サービス」が定期購入に利用されているという問題があるというのが背景です。安い金額のコンビニ支払い可能な後払いだから、と思って申し込んだら、定期購入になっていて、後から、高額な後払いの請求書が商品とともに送付されたというものです。
  • 使い過ぎにならないように後払い型を選んでいるのに、とんでもない金額の請求が来たらトラブルになります。
  • これらの要素が定期購入のトラブルとからんでいるという点を試験問題にしたという鋭いところを突いてきますね。感心します。
  • さらに、立替払い型の後払い決済サービスには、「割賦販売法」や「資金決済に関する法律(以下、資金決済法)」の適用がなく、加盟店調査等が不十分であるということです。法律のすき間事案みたいですね。
  • 実生活に密接にかかわっていることなので、一般常識でも十分に正解できます。
  • 問題文は、この国民生活センターの報告書本文の中から引用されています。

国民生活センターHP
トップページ > 注目情報 > 発表情報 > (特別調査)消費者トラブルからみる立替払い型の後払い決済サービスをめぐる課題[2020年1月23日:公表]

(特別調査)消費者トラブルからみる立替払い型の後払い決済サービスをめぐる課題
*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文[PDF形式]」をご覧ください。

 現在、商品やサービスの購入時の決済手段としては、店頭での現金払い、口座振込、代金引換、クレジットカード、電子マネー、キャリア決済、コード決済等の様々な決済手段が存在していますが、ECサイトでのインターネット通販における決済手段の一つとして、「立替払い型の後払い決済サービス」があります。2018年に実施されたキャッシュレス決済に関するアンケート調査(注1)によれば、オンラインショッピングの支払方法として「コンビニ・銀行・郵便局支払(後払い)」(後払いサービス(注2))の認知度は8割を超えており、実際に後払いサービスを利用したことがある人は約5割いました。今後利用してみたいと思う人も含めると6割以上になり、消費者の後払い決済サービスへの認知度や関心の高さが伺えます。

 その一方で、全国の消費生活センター等には立替払い型の後払い決済サービスが利用された取引に関するトラブルが近年寄せられはじめています。国民生活センターに寄せられた具体的な相談事例を示しながら、立替払い型の後払い決済サービスをめぐる課題を検討します。

(中略)

消費生活相談からみる立替払い型の後払い決済サービスの課題
 国民生活センターや全国の消費生活センター等には、「お試し」定期購入に関する相談が多く寄せられていますが、「お試し」定期購入の決済手段として立替払い型の後払い決済サービスが多く利用されています。これらの相談事例や、相談処理における決済サービス事業者からの聞き取り等から、立替払い型の後払い
決済サービスについて以下のような課題があげられます。

消費者の支払い能力を超えた請求がされている
消費者トラブルへの対応が不十分
加盟店調査等が十分ではない

[報告書本文] (特別調査)消費者トラブルからみる立替払い型の後払い決済サービスをめぐる課題[PDF形式](530KB)

http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20200123_1.html

難易度(A易、B普通、C難) 目標:4問以上/5問中

  • ア 決済事業者へ伝える情報 BC
  • イ 販売店への回答 A
  • ウ 金額 AB
  • エ リスクの可能性 A
  • オ 法律 AB