2021年度 問題6 クリーニング・食品(正誤〇×)その1(一般公開中)

6. 次の各文章が、正しければ○、誤っていれば×を解答用紙の解答欄に記入(マーク)しなさい。

① 衣類等の洗濯表示は、繊維製品のケアのために、繊維製品の洗濯などの取扱いを行う間に回復不可能な損傷を起こさない最も厳しい処理・操作に関する情報を提供することを目的としている。表示記号及びその使用方法を明確にする体系については、JIS(日本産業規格)により規定されている。

② 「クリーニング事故賠償基準」において、クリーニング業者とは、利用者とクリーニング契約を結んだ当事者と定義されている。洗濯物の受取り及び引渡しや保管を宅配業者等の第三者が行う場合、事故原因がこうした履行補助者にあっても、利用者に対しての賠償責任は契約当事者であるクリーニング業者が負うとされている。

③ ウエットクリーニングとランドリーは、どちらも水を使う洗濯方法である。汚れを除去する作用は、高温で洗濯し、アルカリ剤も使用できるウエットクリーニングのほうが優れている。

④ 機能性表示食品は、事業者の責任において、疾病に罹患している人を対象に、科学的根拠に基づいた機能性を表示することができる食品である。

⑤ 食品表示基準では、食品関連事業者が容器包装に入れて消費者に販売する加工食品においては、栄養成分表示として、熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウム(食塩相当量に換算したもの)について表示しなければならないとされている。

⑥ 遺伝子組換え農産物を原材料とする加工食品の原材料のうち、食品表示基準において「遺伝子組換えである」旨の表示義務対象となるのは、原材料の重量に占める割合が上位3位以内で、かつ、原材料及び添加物の重量に占める割合が5%以上のものである。

⑦ 食品表示法は、食品を摂取する際の安全性及び一般消費者の自主的かつ合理的な食品選択の機会を確保するため、食品衛生法、健康増進法、景品表示法の食品表示に関する規定を統合し、食品表示に関する包括的かつ一元的な制度を創設したものである。

⑧ 栄養機能食品は、食品ごとに食品の有効性や安全性について国の審査を受け、許可を得た食品である。

解説

出題数の変化

  • 【旧試験】クリーニング5問、食品10問と大問題で分かれていました
  • 【新試験】問題数が減ったことで、あわせて10問になりました(正誤×選択)
  • 【新試験1年目の28年度と29年度試験】クリーニング3問と食品7問が2回続きました
  • 【30年度試験・元年度(2019年度)】食品が1問減ってクリーニング3問と食品6問の合計9問に
  • 【2020年度試験】クリーニングと食品が別々の大問題に分かれて、問題6としてクリーニングが従来通り3問、問題7として食品が1問減って5問になりました。また、問題6のクリーニングは正誤×選択から単純正誤○×問題に変わっています(ただし、難易度はあまり変わってないかも)
  • 【2021年度】クリーニングと食品が大問題に合体して元に戻り、食品がそのまま問題数で、クリーニング3問と食品5問の合計8問になっています。さすがに、大問題で3問だけというのは無理があったのかもしれません(「すべて同じ答えにすると0点になる」という特別ルールがあります)。

クリーニングのポイント ※基本的に毎年同じです

  • クリーニング事故賠償基準
  • クリーニング方法(ランドリー・ドライの違い)、繊維製品の基礎知識
  • クリーニング業法(出題頻度は低くなっています)
  • 法改正・制度改正
  • クリーニングは知識と苦情相談対応の実務的な知識が必要とされるので、難易度は高くなりがちですが、知らない問題でもクリーニングや衣料品という日常生活の一般常識と知恵を絞りだして意外に得点できますので、しっかり問題文を読み込みましょう。
  • 問題設定次第で難易度の幅が広がります。メインとなる事故賠償基準は現場経験があれば想像が付きますが、一般受験生には厳しいかもしれません。過去問でイメージを掴んでください。また、基本的な定番問題も出題されますが、暗記系に近いので、なかなか覚えるのは大変ですが、実生活をイメージしながら覚えましょう。
  • 特に法律改正などの新しい制度が出題ポイントにもなっています。
  • 3問しかないので、重要な問題しか出題されない可能性もあります。ということは過去問対策と過去問解説の関連解説、法改正や基準改正等の改正部分がポイントです。
  • 正解できそうな問題をできるだけ取りこぼさないように、また、日本語や一般常識から類推される正解に気づけるようにしましょう。

食品のポイント ※基本的に毎年同じです

定番ともいえる問題が出題されていますが、一般常識・日本語の読み込みで正解できるものもあります。暗記系の問題が多いので難し目です。

  • いわゆる健康食品(特定保健用食品・栄養機能食品・機能性食品)…同じ論点で頻出
  • 食品表示(新たな食品表示基準)…令和2年4月1日に完全施行されましたが、猶予期間の時から出題され続けています。
  • 法改正等(アレルギー表示など基準に新たに追加されたときは注目です)※推奨表示のアレルゲンに「アーモンド」が追加されています
  • 所管(消費者庁・厚生労働省・農林水産省・食品安全委員会)

出題分野【クリーニング】

2021年度(令和3年度)試験 難易度(A易、B普通、C難)目標:2問以上/3問中

問題6① 洗濯表示の目的(繊維製品品質表示規程・JIS規格)BC
問題6② クリーニング業者の定義と賠償責任(クリーニング事故賠償基準)BC
問題6③ クリーニング方法(ウェット・ランドリー)BC

新試験以降の過去問の分類と難易度

2020年度(令和2年度)試験 難易度(A易、B普通、C難)目標:2問以上/3問中

問題6① クリーニング(クリーニング事故賠償基準)C ※暗記
問題6② 取扱い表示・ポリウレタン樹脂(雑貨工業品品質表示規程)C
問題6③ クリーニング(ドライ)C

2019年度(令和元年度)(本試験) 

問題6① クリーニング(クリーニング事故賠償基準)BC
問題6② 取扱い表示(繊維製品品質表示規定)BC
問題6③ 繊維製品の基礎知識(防炎用品・消防法)BC

2019年度(令和元年度)(再試験)

問題6① クリーニング(ドライクリーニング)B ※基本・頻出
問題6② クリーニング(クリーニング事故賠償基準)BC
問題6③ クリーニング(ランドリー)B

2018年度(平成30年度)試験

問題6① クリーニング(標準営業約款)AB
問題6② クリーニング(クリーニング事故賠償基準)BC ※数字が暗記
問題6③ クリーニング(繊維製品の基礎知識)B ※日本語解釈でA

2017年度(平成29年度)試験

問題6① クリーニング(クリーニング方法の種類と特徴)AB★
問題6② クリーニング(洗濯表示)C
問題6③ クリーニング(クリーニング事故賠償基準)BC

2016年度(平成28年度)試験

問題6① クリーニング(クリーニング方法)AB 
問題6② クリーニング(洗濯表示の規格)AB
問題6③ クリーニング(クリーニング事故賠償基準)BC

出題分野【食品】

2021年度(令和3年度)試験 難易度(A易、B普通、C難)目標:3問以上/5問中

問題7④ 機能性表示食品(定義)BC
問題7⑤ 食品表示基準(栄養成分表示)B
問題7⑥ 遺伝子組み換え農産物(表示義務対象)C
問題7⑦ 食品表示法(目的)AB
問題7⑧ 栄養機能食品(定義)B

新試験以降の過去問の分類と難易度

2020年度(令和2年度)試験 難易度(A易、B普通、C難)目標:3問以上/5問中

問題7① 食品(特定保健用食品)BC
問題7② 食品(食品安全基本法)BC
問題7③ 食品(食品添加物の定義と表示)BC
問題7④ 食品(食品表示基準・期限表示)A ※ラッキー問題
問題7⑤ 食品(食品表示基準・分類)AB

2019年度(令和元年度)(本試験) 

問題6④ 食品(栄養機能食品)C ※健康食品の分類
問題6⑤ 食品(機能性表示食品)C ※新しい食品表示制度
問題6⑥ 食品(遺伝子組換え食品)C
問題6⑦ 食品(食品のリスク分析・管理)BC ※30年度過去問出題
問題6⑧ 食品(食品表示基準・栄養成分表示)B  ※新しい食品表示制度
問題6⑨ 食品(食品表示基準・固有記号)BC

2019年度(令和元年度)(再試験)

問題6④ 食品(特別用途食品・保健機能食品)C
問題6⑤ 食品(特定保健用食品)C
問題6⑥ 食品(HACCP)BC
問題6⑦ 食品(食中毒)B
問題6⑧ 食品(食品表示基準・期限表示)B
問題6⑨ 食品(食品表示基準・アレルゲン)BC

2018年度(平成30年度)試験

問題6④ 食品(機能性表示食品)AB ※新しい食品表示制度
問題6⑤ 食品(保健機能食品)AB★ ※健康食品の分類
問題6⑥ 食品(食品添加物)B ※所管
問題6⑦ 食品(食品のリスク分析・管理)BC
問題6⑧ 食品(食品表示基準・アレルギー表示)C★ ※アレルギー物質は頻出
問題6⑨ 食品(食品表示基準・栄養強調表示)C

2017年度(平成29年度)試験

問題6④ 食品(保健機能食品)AB★
問題6⑤ 食品(食品のリスク分析)B
問題6⑥ 食品(HACCP)AB
問題6⑦ 食品(食中毒の報告)C
問題6⑧ 食品(食品表示基準・アレルギー表示)BC★
問題6⑨ 食品(食品表示基準・原料原産地表示)B
問題6⑩ 食品(食品表示基準・栄養成分表示)AB

2016年度(平成28年度)試験

問題6④ 食品(有機JASマーク)B
問題6⑤ 食品(残留農薬基準)C
問題6⑥ 食品(食品添加物)B
問題6⑦ 食品(輸入食品の検疫)A
問題6⑧ 食品(期限表示)A
問題6⑨ 食品(保健機能食品)B
問題6⑩ 食品(機能性表示食品)B

解説【クリーニング】

クリーニング方法(ドライ・ウェット・ランドリー)の基本 ※頻出

【以前に作成した解説】下記の表はアドバイザー受験対策本からの抜粋ですが、少し分かりにくいところがあるので、右端に私のコメントを追加しています。

種類 特徴 私のコメントを追加
水洗い ランドリー ドラム型の大型洗濯機で弱アリカリ性洗剤と高温水を用いて、主にワイシャツやリネン類を洗う。 家庭洗濯と基本は同じだが、お湯で洗うことが特徴。
ウェットクリーニング 手洗いやウェットクリーニング表示などの衣料を水でやさしく洗って仕上げる方法。 水洗い不可の衣類の水溶性汚れを落とすのに手洗いや軽い揉み洗いなどを使う方法。水洗い可能でも傷みやすい衣料品であれば対象。
ドライクリーニング 石油系溶剤 溶解力や機械力が弱い。油剤に弱い樹脂接着プリントなどに。可燃性。 脂汚れを脂(石油系溶剤)で落とす一般的なドライクリーニング。水洗い禁止のスーツや制服などで使用。有機溶剤に溶けるプリント系の接着剤等は一緒に溶けて苦情になる。水溶性の汚れは界面活性剤剤入りのドライクリーニング用の洗剤を少量使用することで落とすことができる。
パークロロエチレン(塩素系溶剤) 脱脂力が大きく、洗浄力に優れているが、風合いを損ないやすい。不燃性。 汚れの除去能力の高い溶剤を使用する。溶剤が高価なのでクリーニング料金も高い。昔はフロンが強力だったが今は規制が厳しくほとんどない。通称「パーク」。

「水洗い」と「ドライクリーニング」の大きく2つの洗い方があります。

  • 「水洗い」…水溶性の汚れを取る
  • 「ドライクリーニング」・・・脂溶性の汚れを取る
  • 当然ですが、反対の汚れは取れない

水溶性汚れも、脂溶性汚れも、両方とも落とそうと思えば、水洗いで水溶性の汚れを取って、ドライで脂溶性の汚れを取れば、両者の汚れを落とすことがっできます。いわゆる「W(ダブル)洗い」ですね。

もっと単純に説明すると、水溶性の汚れは、大量の水の中に入れれば衣類から拡散して溶け出します。お湯であればもっと溶けやすいですよね。
脂汚れは、石油系溶剤や有機系溶剤に漬けると、拡散して衣類から溶け出します。
暮らしの知恵として知っていることですね。

しかし、実は、衣料品の素材によっては、水洗いできないものやドライできないものがあったりします。例えば、「ウール」ですね。ウールを水洗いしてしまうと、縮みます。したがって、クリーニング店にドライで依頼します。

その矛盾する組み合わせを落とすことがプロの仕事です。

水洗いには「ランドリー」と「ウエットクリーニング」の2種類

  • 水洗いには「ランドリー」と「ウエットクリーニング」の2種類あって、基本は「ランドリー」です。コインランドリーにある洗濯機の大きなものです。家庭と大きく違うのは水ではなくお湯を使うことです。お湯で洗うほうが落ちやすいですよ。
  • 「ウエットクリーニング」は分かりにくいですが、水洗いできないものを着け洗い等により洗います。少し技術が必要です。
  • ドライクリーニングは、ほぼほぼ石油系溶剤を使用します。パークロロエチレンやフッ素などは規制が厳しく、今ではあまり使用されていません。特に安価なクリーニングでは石油系溶剤を使用します。しかし、フッ素などのパークは試験対策の知識として、また相談対応の知識として知っておく必要はあります。

解説【食品】

  • 食品の分野で毎年必ず出題されるのが「健康食品」の関連です。
  • 相談現場では健康食品に関する相談が多いので、相談員として知っておきなさいよという感じで毎年のように健康食品の関連分野が出題されます。
  • そもそも、健康食品とは?という定義ですが、健康食品のこれだという定義はないのですね。法律で機能性を表示してもよいとされる機能性食品が「健康食品」とされ、それ以外の健康食品が「いわゆる健康食品」といわれています。
  • 法律的に健康食品といわれるものは3種類あり、「特定保健用食品」いわゆるトクホと「栄養機能食品」の2種類に加えて、2015年の食品表示法の制定により「機能性表示食品」という新しい分野となっています。したがって、健康食品といわれているものはこの3種類というところが基本になります。この3種類の分類自体が頻出ポイントになります。
  • それに加えて 特別用途食品というちょっと特殊な分野の食品があり、これも出題されています。
  • また、「いわゆる健康食品」には健康補助食品、栄養補助食品、栄養調整食品、サプリメントなどの分野があります。
  • なお、「食品」と「医薬品(医療用医薬品・一般用医薬品)・医薬部外品」とは全く異なる区分けになっていますので留意しておいてください。

【出典】第1回特別用途食品制度に関する検討会(平成28年2月9日開催)【資料3】特別用途食品制度の概要及び検討事項等[PDF:511KB](クリックで拡大)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/other/review_meeting_006/

【出典】消費者の皆様へ「機能性が表示されている食品を購入する際は、キャッチコピーだけでなく、パッケージの表示をしっかり確認しましょう!」[PDF:733KB](クリックで拡大)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/health_promotion/