2023年度 問題1①~③ 消費者行政と関連法(正誤○×)その2(一般公開)

2023年度試験…消費者行政と関連法 (消費者基本法3・消費者教育2・消費者安全法4)9問

1. 次の各文章が、正しければ○、誤っていれば×を解答用紙の解答欄に記入(マーク)しなさい。

① 消費者基本法は、「消費者の権利の尊重」と「消費者の自立の支援」を基本理念とした、消費者政策の基本となる事項を定めた法律である。

② 消費者基本計画は、消費者基本法に基づき、政府が消費者政策の計画的な推進を図るため、長期的に講ずべき消費者政策の大綱等について定めた消費者政策の推進に関する基本的な計画である。

③ 消費者基本法では、国民生活センターの役割の一つとして、「事業者と消費者との間に生じた苦情の処理のあつせん及び当該苦情に係る相談」を掲げている。

問題1① 消費者基本法(基本理念・第1条・目的)A ※超基本問題

① 消費者基本法は、「消費者の権利の尊重」と「消費者の自立の支援」を基本理念とした、消費者政策の基本となる事項を定めた法律である。

  • 簡単な超基本問題です。2022年度試験の問題1①では「消費者と事業者との格差」が出題されましたが、今回はペアとなっている「消費者の権利の尊重と消費者の自立支援」です。
  • 2022年度にも解説したように「消費者と事業者との格差」や「消費者の権利の尊重と消費者の自立支援」は論文でも使うフレーズです。
  • もし引っ掛けるとすると最後の「消費者政策の基本となる事項を定めた法律である」に全く違うことを書くというパターンもあり得るかなと思います。まあ、1問目からそんな意地悪はしないと思いますので素直に考えてください。

したがって、問題1①は○(正しい文章)です。

消費者基本法
(目的)
第一条 この法律は、消費者と事業者との間の情報の質及び量並びに交渉力等の格差にかんがみ、消費者の利益の擁護及び増進に関し、消費者の権利の尊重及びその自立の支援その他の基本理念を定め、国、地方公共団体及び事業者の責務等を明らかにするとともに、その施策の基本となる事項を定めることにより、消費者の利益の擁護及び増進に関する総合的な施策の推進を図り、もつて国民の消費生活の安定及び向上を確保することを目的とする。

2022年度 問題1① 消費者基本法(基本理念・第1条・目的)A ※超基本問題
① 消費者基本法は、消費者と事業者との間の情報の質及び量並びに交渉力等の格差にかんがみ、消費者の権利の尊重と消費者の自立支援等を基本理念として、消費者政策の基本となる事項を定めた法律である。
【正答】①→〇(正しい文章)              

問題1② 消費者基本法(消費者基本計画・第9条・目的)A ※基本問題

② 消費者基本計画は、消費者基本法に基づき、政府が消費者政策の計画的な推進を図るため、長期的に講ずべき消費者政策の大綱等について定めた消費者政策の推進に関する基本的な計画である。

  • 消費者基本計画は消費者基本法の中でも重要な政策となっております。問題文のとおりです。特に違和感はない文章ですが、例えば「長期的」を「短期的」に引っ掛けることもありえますが、そんな意地悪はしないと思います。
  • 消費者基本計画は5年ごとに策定されます。直近では第4期消費者基本計画(令和3年6月15日・閣議決定)でこの中のフレーズが論文試験でのキーワードにもなります。第4期消費者基本計画では「脆弱な消費者」という言葉が使われています。また消費者基本計画の策定に合わせ地方消費者行政強化作戦も更新されます。なお、消費者基本計画工程表(消費者政策会議決定)は毎年更新されます。
    ※消費者庁ホーム > 政策 > 政策一覧(消費者庁のしごと) > 消費者政策 > 消費者基本計画等
  • 第9条第2項に「次に掲げる事項について定める」とあり、複数あるので問題文では「長期的に講ずべき消費者政策の大綱」となって、まとめられています

したがって、問題1②は○(正しい文章)です。

消費者基本法
(消費者基本計画)
第九条 政府は、消費者政策の計画的な推進を図るため消費者政策の推進に関する基本的な計画(以下「消費者基本計画」という。)を定めなければならない。
2 消費者基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
一 長期的に講ずべき消費者政策の大綱
二 前号に掲げるもののほか、消費者政策の計画的な推進を図るために必要な事項
3 内閣総理大臣は、消費者基本計画の案につき閣議の決定を求めなければならない。
4 内閣総理大臣は、前項の規定による閣議の決定があつたときは、遅滞なく、消費者基本計画を公表しなければならない。
5 前二項の規定は、消費者基本計画の変更について準用する。

問題1③ 消費者基本法(第25条・国民生活センターの役割)A

③ 消費者基本法では、国民生活センターの役割の一つとして、「事業者と消費者との間に生じた苦情の処理のあつせん及び当該苦情に係る相談」を掲げている。

  • 消費者基本法に掲げられている国民生活センターの役割のうちの1つが問題となっております。特に深読みする必要のない問題です。
  • 列挙されている他の役割についても頻出ですので、責務等とも合わせて、一通り押さえておいてください。
  • 消費者基本法の「第3章行政機関等」として3条分あり、第24条で「国及び地方公共団体」、第25条で「国民生活センター」、第26条で「消費者団体」について書かれています

したがって、問題1③は○(正しい文章)です。

消費者基本法
第三章 行政機関等
(行政組織の整備及び行政運営の改善)
第二十四条 国及び地方公共団体は、消費者政策の推進につき、総合的見地に立つた行政組織の整備及び行政運営の改善に努めなければならない。
(国民生活センターの役割)
第二十五条 独立行政法人国民生活センターは、国及び地方公共団体の関係機関、消費者団体等と連携し、国民の消費生活に関する情報の収集及び提供、事業者と消費者との間に生じた苦情の処理のあつせん及び当該苦情に係る相談、事業者と消費者との間に生じた紛争の合意による解決、消費者からの苦情等に関する商品についての試験、検査等及び役務についての調査研究等、消費者に対する啓発及び教育等における中核的な機関として積極的な役割を果たすものとする。
(消費者団体の自主的な活動の促進)
第二十六条 国は、国民の消費生活の安定及び向上を図るため、消費者団体の健全かつ自主的な活動が促進されるよう必要な施策を講ずるものとする。

【正答】
①→○、②→○、③→○