製品安全(製造物責任法、消費生活用製品安全法等製品安全4法、自動車リコール)
8. 次の各文章が、正しければ○、誤っていれば×を解答用紙の解答欄に記入(マーク)しなさい。
① 製造物責任法において、「欠陥」とは、製造物が通常有すべき安全性を欠くことをいい、欠陥の有無は、被害が生じた時点を基準として判断される。
② 製造物の欠陥による発火で自宅が焼損した場合において、欠陥の存在を知りつつ隠していたなど製造業者等に悪質な点があったときは、被害者は製造物責任法に基づき、現実に生じた損害の範囲を超えた懲罰的損害賠償を請求することができる。
③ 最終製品の製造業者と部品の製造業者が異なる場合において、部品の欠陥により、他人の生命、身体又は財産を侵害したときは、部品の製造業者が製造物責任法に基づく賠償責任を免れるためには、部品の欠陥が専ら最終製品の製造業者が行った設計に関する指示に従ったことにより生じていること等を証明しなければならない。
④ 消費生活用製品安全法における長期使用製品安全点検制度は、製品を購入した所有者に対して、メーカーや輸入業者から点検時期を知らせ、点検を受けることで、事故を防止するための制度である。
⑤ 消費生活用製品安全法によれば、「製品事故」には、一般消費者の生命又は身体に対する危害が発生するおそれのあるものも含まれるが、「重大製品事故」は、実際に危害が発生した事故に限定されている。
⑥ 消費生活用製品安全法において、「特定保守製品」とは、消費生活用製品のうち、経年劣化により安全上支障が生じ、一般消費者の生命又は身体に対して特に重大な危害を及ぼすおそれが多いと認められ、使用状況等からみてその適切な保守を促進することが適当であるものとして政令で指定されているものをいう。
⑦ 電気用品安全法では、電気用品の製造、輸入又は販売の事業を行う者は、国の定めた技術基準に適合している旨のPSE マーク表示がある製品でなければ、原則として販売できない。
⑧ フェイルセーフとは、部品の故障や破損、操作ミス、誤作動などが発生した際に、なるべく安全な状態に移行するような仕組みにしておくことであり、倒れると自動的に電源が切れる電気ストーブは、この例である。
⑨ 道路運送車両法は、所定の装置が保安基準に適合しない自動車の運行を禁止しており、自動運転システム(自動運行装置)についても、保安基準が定められている。
2023年度 難易度(A易、B普通、C難)目標:6-7問以上/9問中
- 問題8① 製造物責任法(定義・欠陥)AB
- 問題8② 製造物責任法(損害賠償の対象)BC
- 問題8③ 製造物責任法(部品・原材料製造業者の抗弁)BC
- 問題8④ 消費生活用製品安全法(長期使用製品安全点検制度)B
- 問題8⑤ 消費生活用製品安全法(定義・製品事故・重大製品事故)B
- 問題8⑥ 消費生活用製品安全法(定義・特定保守製品)BC
- 問題8⑦ 電気用品安全法(定義・マーク)AB
- 問題8⑧ 電気用品安全法(フェイルセーフ)C
- 問題8⑨ 自動車のリコール制度・保安基準・自動運転システム BC
解説
- 出題パターンとしては28年度・29年度試験は11問、30年度試験が10問、そして2019年度試験が9問と減少し、それ以降は同じ9問となっています。
- 出題分野の内訳は同じパターンで、製造物責任法と消費生活用製品安全法を中心に自動車のリコール制度やその他製品安全の関連問題が出題されています。※ここの製品安全関連法は主に事業者に対する業法的なものであり、消費者安全法の事故関連は行政に対するものであるので、以前は消費者安全法もここで出題されていましたが、今は分けられたという感じです。
- 消費者安全法は平成28年度(新試験1回目)で出題されたのが最後で、このくくりでは出題されず、最初の方に移動しています。
- 旧試験のほうが問題数が多かったので、問題数の減った新試験では、あまり複雑な問題は出ておらず、定義等の頻出問題や、それを少しひねった形で出題されています。とはいえ、条文の暗記問題もあるので、難易度は高めです。
- 制度が大きく変わることが少ないので過去問対策が効果的です。また、法改正等がある場合は出題論点になることが多いです。
- 2023年度試験では2022年度試験までと同じ構成の製品関係の問題で問題数も同じ9問でしたが、「正誤(×選択)問題」から「正誤○×問題」に変わったことで易しくなりました。
- また、2022年度に再び出題された「医薬品副作用被害救済制度」の分野が2023年度試験では出題されませんでした。今後は業法の分野で出題されるのではと思います。
ポイント
- 各法律の制度の概要
- 定義(条文)
- マークなどの関連する事項
- 過去問をやればほぼほぼ同じ論点での出題
製造物責任法
- 定義問題
- 少ない条文なので全部目を通す
- 過去問で同じ論点が頻出
消費生活用製品安全法
- 定義問題
- PSCマーク
- 特定製品の対象品
- 重大製品事故
- 長期使用製品安全点検制度
電気用品安全法
- 定義問題
- PSEマーク
- 長期使用製品安全表示制度
自動車のリコール制度
- 過去問で同じ論点が頻出
製品安全4法
- 「製品安全4法」とは、「消費生活用製品安全法」「電気用品安全法」「ガス事業法」「液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律(通称、液石法)」の4つの製品安全法の総称になっています。
- 試験の重要さでいえば①「消費生活用製品安全法」②「電気用品安全法」となります。
- 「ガス事業法」「液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律(通称、液石法)」は出題されたりされなかったりマイナーな分野ですが、ポイントとして「ガス事業法」は都市ガスのこと、「液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律(通称、液石法)」はLPガスのことと考えればイメージができると思います。
- それぞれのマークの名称も出題されます➡「消費生活用製品安全法」PSCマーク(消費のC)、「電気用品安全法」PSEマーク(電気のE)、「ガス事業法」PSTGマーク(都市ガスのTG)、「液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律(通称、液石法)」PSLPGマーク(LPガスのLPG)
- 製品安全4法以外の業界の安全マークもたまに出題されます(SGマーク、STマーク、SFマーク、BLマーク、HAPIマーク)※2018年度(平成30年度)問題9③・2017年度(平成29年度)問題9④
薬機法リコール・医薬品健康被害救済制度 ※今は業法の分野で出題※
- 制度の概要
- 特に医薬品副作用被害救済制度
- 薬機法でのリコール制度
- 過去問で同じ論点が頻出
分野別に分類
- 製造物責任法(PL法)
- 消費生活用製品安全法
- その他
過去問リスト 新試験の2016年度(平成28年度)~2023年度(令和5年度)
分野別にまとめていますので順番が多少前後しています。
2023年度 難易度(A易、B普通、C難)目標:6-7問以上/9問中
製造物責任法(PL法)
- 問題8① 製造物責任法(定義・欠陥)AB
- 問題8② 製造物責任法(損害賠償の対象)BC
- 問題8③ 製造物責任法(部品・原材料製造業者の抗弁)BC
消費生活用製品安全法
- 問題8④ 消費生活用製品安全法(長期使用製品安全点検制度)B
- 問題8⑤ 消費生活用製品安全法(定義・製品事故・重大製品事故)B
- 問題8⑥ 消費生活用製品安全法(定義・特定保守製品)BC
その他
- 問題8⑦ 電気用品安全法(定義・マーク)AB
- 問題8⑧ 電気用品安全法(フェイルセーフ)C
- 問題8⑨ 自動車のリコール制度・保安基準・自動運転システム BC
2022年度 難易度(A易、B普通、C難)目標:6問以上/9問中
製造物責任法(PL法)
- 問題8① 製造物責任法(定義・製造物)B
- 問題8② 製造物責任法(損害賠償の対象)BC
消費生活用製品安全法
- 問題8④ 消費生活用製品安全法(特定保守製品の保守点検制度)BC
- 問題8⑤ 消費生活用製品安全法(定義・製品事故・重大製品事故)B
その他
- 問題8③ 医薬品副作用被害救済制度(制度)C
- 問題8⑥ SGマーク(制度)C
- 問題8⑦ 電気用品安全法(制度・モバイルバッテリー)B
- 問題8⑧ ガス事業法(定義・マーク)BC
- 問題8⑨ 自動車のリコール制度・罰則・チャイルドシート BC
2021年度 難易度(A易、B普通、C難)目標:6-7問以上/9問中
製造物責任法(PL法)
- 問題9① 製造物責任法(定義・製造物)BC
- 問題9② 製造物責任法(定義・欠陥)B
- 問題9③ 製造物責任法(損害賠償責任)B
消費生活用製品安全法
- 問題9⑤ 消費生活用製品安全法(特別特定製品)BC
- 問題9⑥ 消費生活用製品安全法(重大製品事故)B
その他
- 問題9④ リコール・化粧品(医薬品医療機器等法)B
- 問題9⑦ 電気用品安全法(検査・マーク)B
- 問題9⑧ 液石法(検査・マーク)BC
- 問題9⑨ 自動車のリコール制度・個人輸入 BC
2020年度 難易度(A易、B普通、C難)目標:6-7問以上/9問中
製造物責任法(PL法)
- 問題10① 製造物責任法(定義・製造物)AB
- 問題10② 製造物責任法(開発危険の抗弁)BC
- 問題10③ 製造物責任法(時効)C
消費生活用製品安全法
- 問題10④ 消費生活用製品安全法(長期使用製品安全点検制度)AB
- 問題10⑤ 消費生活用製品安全法(重大製品事故)B
その他
- 問題10⑥ 医薬品健康被害救済制度 BC ※2019年度(本試験・再試験)出題
- 問題10⑦ 電気用品安全法(技術基準・特定電気用品)B
- 問題10⑧ 自動車のリコール制度 AB ※超頻出論点
- 問題10⑨ ガス事業法(マーク・特定ガス用品)B
2019年度(本試験) 難易度(A易、B普通、C難)目標:6-7問以上/9問中
製造物責任法(PL法)
- 問題9① 製造物責任法(定義・欠陥とは・第2条第2項)AB
- 問題9② 製造物責任法(欠陥による損害賠償の適用)BC
消費生活用製品安全法
- 問題9④ 消費生活用製品安全法(重大製品事故)AB
- 問題9⑤ 消費生活用製品安全法(定義・対象)AB
- 問題9⑥ 消費生活用製品安全法(長期使用製品安全点検制度)BC
- 問題9⑨ 消費生活用製品安全法(定義・特定製品)BC
その他
- 問題9③ 医薬品健康被害救済制度 BC
- 問題9⑦ 電気用品安全法(定義・電気用品・特定電気用品)AB
- 問題9⑧ 自動車のリコール制度 AB
2019年度(再試験) 難易度(A易、B普通、C難)目標:7問以上/9問中
製造物責任法(PL法)
- 問題9① 製造物責任法(目的・第1条)AB
- 問題9② 製造物責任法(定義・製造物・第2条第1項)AB
- 問題9③ 製造物責任法(定義・欠陥・第2条第2項)AB
消費生活用製品安全法
- 問題9⑥ 消費生活用製品安全法(定義・特定製品)B
- 問題9⑦ 消費生活用製品安全法(リコール)AB
その他
- 問題9④ 自動車アセスメント C
- 問題9⑤ 電気用品安全法(目的・マーク・対象)B
- 問題9⑧ ガス事業法・特定ガス用品 B
- 問題9⑨ 医薬品医療機器等法(医薬部外品の回収報告・販売停止命令) BC
2018年度・平成30年度 難易度(A易、B普通、C難)目標:6問以上/10問中(★頻出☆重要実務)
製造物責任法(PL法)
- 問題9① 製造物責任法(定義・製造者)AB★
- 問題9② 製造物責任法(部品・原材料製造業者の抗弁)BC
消費生活用製品安全法
- 問題9④ 消費生活用製品安全法(長期使用製品安全表示制度※実は電気用品安全法)BC
- 問題9⑦ 消費生活用製品安全法(定義・製品事故)AB
- 問題9⑧ 消費生活用製品安全法(定義・特定製品)BC★
- 問題9⑨ 消費生活用製品安全法(重大製品事故)BC★☆
その他
- 問題9③ 安全マーク BC★
- 問題9⑤ 自動車のリコール制度 BC★
- 問題9⑥ 医薬品副作用被害救済制度 BC
- 問題9⑩ 電気用品安全法(定義・電気用品・特定電気用品)BC
平成29年度 難易度(A易、B普通、C難)目標:8問以上/11問中(★頻出☆重要実務)
製造物責任法(PL法)
- 問題9① 製造物責任法(定義・製造物)AB★
- 問題9② 製造物責任法(目的、定義・欠陥)AB★
- 問題9③ 製造物責任法(開発詭弁の抗弁)AB★
消費生活用製品安全法
- 問題9⑤ 消費生活用製品安全法(定義・目的)B
- 問題9⑥ 消費生活用製品安全法(定義・消費生活用製品)AB
- 問題9⑦ 消費生活用製品安全法(定義・特定製品)B
- 問題9⑧ 消費生活用製品安全法(重大製品事故)AB
- 問題9⑪ 消費生活用製品安全法(長期使用製品安全点検制度)BC
その他
- 問題9④ 安全マーク B
- 問題9⑨ 自動車のリコール制度 B
- 問題9⑩ ガス事業法 BC
平成28年度 難易度(A易、B普通、C難)目標:6問/11問中
製造物責任法(PL法)
- 問題10① 製造物責任法・欠陥の定義 B
- 問題10② 製造物責任法・時効 BC
- 問題10③ 製造物責任法・民間PLセンター AB
消費生活用製品安全法
- 問題10⑥ 消費生活用製品安全法・基準とマーク B
- 問題10⑦ 消費生活用製品安全法・重大製品事故の届出 AB
その他
- 問題10⑧ JIS・子供服のひもの基準 AB
- 問題10⑨ 自動車リコール制度 BC
- 問題10⑩ 電気用品安全法・基準とマーク A
消費者安全法
- 問題10④ 消費者安全法・重大事故の定義 BC
- 問題10⑤ 消費者安全法・事故調 BC
- 問題10⑪ 消費者安全法・重大事故の定義 BC