製品安全(製造物責任法、消費生活用製品安全法等製品安全4法、自動車リコール制度)
7.次の文章のうち、下線部が2ヵ所※とも正しい場合は○を、下線部のうち誤っている箇所がある場合は、誤っている箇所(1ヵ所)の記号を解答用紙の解答欄にマークしなさい。
※誤っている箇所がある場合は、1ヵ所である。
① 製造物責任法において「製造物」とは、製造又は加工された動産を指し、縁日の屋台で販売されているリンゴ飴は「製造物」に㋐該当する。ソフトウェアそのものは「製造物」に㋑該当しない。
② 製造物責任法における「開発危険の抗弁」とは、裁判時において当該製造物が欠陥を有すると判断される場合に、㋐製造業者等が製造物を引き渡した時点における科学又は技術に関する知見によっては欠陥を認識することができなかったと客観的に認められたときに製造物責任を負わないことをいう。この場合の知見は、具体的な製造業者等の規模や技術水準に㋑左右される。
③ 製造物責任法に基づく損害賠償請求権は、人の生命又は身体を侵害した場合を除き、被害者又はその法定代理人が損害及び賠償義務者を知った時から㋐3年間行使しないときは、時効によって消滅する。また、製造業者等が欠陥を有する製造物を引き渡した時から㋑10年を経過したときも、時効によって消滅する。
④ 一般消費者が日常使用する製品で他の法令で個別に安全規制の対象となっている製品は、消費生活用製品安全法の消費生活用製品に㋐該当しない。製造事業者等が業務用として製造又は輸入している製品のうち、一般消費者が店舗や通信販売等で容易に購入可能で一般家庭において広く使用できる製品は、消費生活用製品に㋑該当する。
⑤ 消費生活用製品安全法における消費生活用製品のうち、「特定製品」の販売事業者は、製品ごとに定められた技術上の基準に適合したことを証明する㋐PSEマークを付したものでなければ販売できない。磁石製娯楽用品は、「特定製品」に㋑含まれる。
⑥ 消費生活用製品安全法の「特定保守製品」の㋐製造又は販売の事業を行う者は、所有者情報の提供を受けた「特定保守製品」の所有者に対し、点検すべき旨の点検通知を発信しなければならない。点検通知に点検料金の内訳及び金額の目安を㋑記載する必要がある。
⑦ ガス事業法において、構造・使用条件・使用状況等からみて特に災害の発生のおそれが多いと認められる㋐特定ガス用品は、第三者機関の検査が義務づけられている。液化石油ガス(LPガス)用の器具の製造及び販売は、ガス事業法で㋑規制されている。
⑧ 道路交通法では、自転車利用者に乗車用ヘルメットの着用の㋐努力義務が課せられている。自転車の乗車用ヘルメットについては、安全性に関する公的な規格基準が㋑定められている。
⑨ 自動車の製作者等がリコールを実施する場合、あらかじめ国土交通大臣に届け出る㋐必要がある。道路運送車両法で規定される特定後付装置である㋑チャイルドシートは、リコール制度の対象である。
⑩ 日本版「製品安全誓約」とは、㋐OECDが公表した「製品安全誓約の声明」を踏まえ、関係省庁と主要なオンラインマーケットプレイスを運営する事業者により策定したもので、オンライン市場におけるリコール製品や安全ではない製品のリスクから消費者を保護することを目的とした、官民協働の㋑自主的な取組である。
2024年度 難易度(A易、B普通、C難)目標:7-8問以上/10問中
- 問題7① 製造物責任法(定義・製造物)AB
- 問題7② 製造物責任法(開発危険の抗弁)B
- 問題7③ 製造物責任法(時効)C
- 問題7④ 消費生活用製品安全法(定義)BC
- 問題7⑤ 消費生活用製品安全法(特定製品・マーク)A
- 問題7⑥ 消費生活用製品安全法(長期使用製品安全点検制度)AB
- 問題7⑦ ガス事業法(製品安全4法)AB
- 問題7⑧ 自転車の乗車用ヘルメット(道路交通法) BC
- 問題7⑨ 自動車のリコール制度 B
- 問題7⑩ 日本版「製品安全誓約」C
解説
- 出題パターンとしては28年度・29年度試験は11問、30年度試験が10問、そして2019年度試験が9問と減少し、それ以降は同じ9問となっていましたが、2024年度は10問となっています。
- 2023年度試験では2022年度試験までと同じ構成の製品関係の問題で問題数も同じ9問でしたが、「正誤(×選択)問題」から「正誤○×問題」に変わったことで易しくなりました。しかし、2024年度は、「正誤(×選択)問題」にもどりました。
- 出題分野の内訳は同じパターンで、製造物責任法と消費生活用製品安全法を中心に自動車のリコール制度やその他製品安全の関連問題が出題されています。※ここの製品安全関連法は主に事業者に対する業法的なものであり、消費者安全法の事故関連は行政に対するものであるので、以前は消費者安全法もここで出題されていましたが、今は分けられたという感じです。
- 消費者安全法は平成28年度(新試験1回目)で出題されたのが最後で、このくくりでは出題されず、最初の方に移動しています。
- 旧試験のほうが問題数が多かったので、問題数の減った新試験では、あまり複雑な問題は出ておらず、定義等の頻出問題や、それを少しひねった形で出題されています。とはいえ、条文の暗記問題もあるので、難易度は高めです。
- 制度が大きく変わることが少ないので過去問対策が効果的です。また、法改正等がある場合は出題論点になることが多いです。
- また、2022年度に再び出題された「医薬品副作用被害救済制度」の分野が2023年度試験では出題されませんでした。今後は業法の分野で出題されるのではと思います。
ポイント
- 各法律の制度の概要
- 定義(条文)
- マークなどの関連する事項
- 過去問をやればほぼほぼ同じ論点での出題
製造物責任法
- 定義問題
- 少ない条文なので全部目を通す
- 過去問で同じ論点が頻出
消費生活用製品安全法
- 定義問題
- PSCマーク
- 特定製品の対象品
- 重大製品事故
- 長期使用製品安全点検制度
電気用品安全法
- 定義問題
- PSEマーク
- 長期使用製品安全表示制度
自動車のリコール制度
- 過去問で同じ論点が頻出
製品安全4法
- 「製品安全4法」とは、「消費生活用製品安全法」「電気用品安全法」「ガス事業法」「液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律(通称、液石法)」の4つの製品安全法の総称になっています。
- 試験の重要さでいえば①「消費生活用製品安全法」②「電気用品安全法」となります。
- 「ガス事業法」「液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律(通称、液石法)」は出題されたりされなかったりマイナーな分野ですが、ポイントとして「ガス事業法」は都市ガスのこと、「液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律(通称、液石法)」はLPガスのことと考えればイメージができると思います。
- それぞれのマークの名称も出題されます➡「消費生活用製品安全法」PSCマーク(消費のC)、「電気用品安全法」PSEマーク(電気のE)、「ガス事業法」PSTGマーク(都市ガスのTG)、「液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律(通称、液石法)」PSLPGマーク(LPガスのLPG)
- 製品安全4法以外の業界の安全マークもたまに出題されます(SGマーク、STマーク、SFマーク、BLマーク、HAPIマーク)※2018年度(平成30年度)問題9③・2017年度(平成29年度)問題9④
薬機法リコール・医薬品健康被害救済制度 ※今は業法の分野で出題※
- 制度の概要
- 特に医薬品副作用被害救済制度
- 薬機法でのリコール制度
- 過去問で同じ論点が頻出
分野別に分類
- 製造物責任法(PL法)
- 消費生活用製品安全法
- その他
過去問リスト 新試験の2016年度(平成28年度)~2024年度(令和6年度)
分野別にまとめていますので順番が多少前後しています。
2024年度 難易度(A易、B普通、C難)目標:7-8問以上/10問中
製造物責任法(PL法)
- 問題7① 製造物責任法(定義・製造物)AB
- 問題7② 製造物責任法(開発危険の抗弁)B
- 問題7③ 製造物責任法(時効)C
消費生活用製品安全法
- 問題7④ 消費生活用製品安全法(定義)BC
- 問題7⑤ 消費生活用製品安全法(特定製品・マーク)A
- 問題7⑥ 消費生活用製品安全法(長期使用製品安全点検制度)AB
その他
- 問題7⑦ ガス事業法(製品安全4法)AB
- 問題7⑧ 自転車の乗車用ヘルメット(道路交通法) BC
- 問題7⑨ 自動車のリコール制度 B
- 問題7⑩ 日本版「製品安全誓約」C
2023年度 難易度(A易、B普通、C難)目標:6-7問以上/9問中
製造物責任法(PL法)
- 問題8① 製造物責任法(定義・欠陥)AB
- 問題8② 製造物責任法(損害賠償の対象)BC
- 問題8③ 製造物責任法(部品・原材料製造業者の抗弁)BC
消費生活用製品安全法
- 問題8④ 消費生活用製品安全法(長期使用製品安全点検制度)B
- 問題8⑤ 消費生活用製品安全法(定義・製品事故・重大製品事故)B
- 問題8⑥ 消費生活用製品安全法(定義・特定保守製品)BC
その他
- 問題8⑦ 電気用品安全法(定義・マーク)AB
- 問題8⑧ 電気用品安全法(フェイルセーフ)C
- 問題8⑨ 自動車のリコール制度・保安基準・自動運転システム BC
2022年度 難易度(A易、B普通、C難)目標:6問以上/9問中
製造物責任法(PL法)
- 問題8① 製造物責任法(定義・製造物)B
- 問題8② 製造物責任法(損害賠償の対象)BC
消費生活用製品安全法
- 問題8④ 消費生活用製品安全法(特定保守製品の保守点検制度)BC
- 問題8⑤ 消費生活用製品安全法(定義・製品事故・重大製品事故)B
その他
- 問題8③ 医薬品副作用被害救済制度(制度)C
- 問題8⑥ SGマーク(制度)C
- 問題8⑦ 電気用品安全法(制度・モバイルバッテリー)B
- 問題8⑧ ガス事業法(定義・マーク)BC
- 問題8⑨ 自動車のリコール制度・罰則・チャイルドシート BC
2021年度 難易度(A易、B普通、C難)目標:6-7問以上/9問中
製造物責任法(PL法)
- 問題9① 製造物責任法(定義・製造物)BC
- 問題9② 製造物責任法(定義・欠陥)B
- 問題9③ 製造物責任法(損害賠償責任)B
消費生活用製品安全法
- 問題9⑤ 消費生活用製品安全法(特別特定製品)BC
- 問題9⑥ 消費生活用製品安全法(重大製品事故)B
その他
- 問題9④ リコール・化粧品(医薬品医療機器等法)B
- 問題9⑦ 電気用品安全法(検査・マーク)B
- 問題9⑧ 液石法(検査・マーク)BC
- 問題9⑨ 自動車のリコール制度・個人輸入 BC
2020年度 難易度(A易、B普通、C難)目標:6-7問以上/9問中
製造物責任法(PL法)
- 問題10① 製造物責任法(定義・製造物)AB
- 問題10② 製造物責任法(開発危険の抗弁)BC
- 問題10③ 製造物責任法(時効)C
消費生活用製品安全法
- 問題10④ 消費生活用製品安全法(長期使用製品安全点検制度)AB
- 問題10⑤ 消費生活用製品安全法(重大製品事故)B
その他
- 問題10⑥ 医薬品健康被害救済制度 BC ※2019年度(本試験・再試験)出題
- 問題10⑦ 電気用品安全法(技術基準・特定電気用品)B
- 問題10⑧ 自動車のリコール制度 AB ※超頻出論点
- 問題10⑨ ガス事業法(マーク・特定ガス用品)B
2019年度(本試験) 難易度(A易、B普通、C難)目標:6-7問以上/9問中
製造物責任法(PL法)
- 問題9① 製造物責任法(定義・欠陥とは・第2条第2項)AB
- 問題9② 製造物責任法(欠陥による損害賠償の適用)BC
消費生活用製品安全法
- 問題9④ 消費生活用製品安全法(重大製品事故)AB
- 問題9⑤ 消費生活用製品安全法(定義・対象)AB
- 問題9⑥ 消費生活用製品安全法(長期使用製品安全点検制度)BC
- 問題9⑨ 消費生活用製品安全法(定義・特定製品)BC
その他
- 問題9③ 医薬品健康被害救済制度 BC
- 問題9⑦ 電気用品安全法(定義・電気用品・特定電気用品)AB
- 問題9⑧ 自動車のリコール制度 AB
2019年度(再試験) 難易度(A易、B普通、C難)目標:7問以上/9問中
製造物責任法(PL法)
- 問題9① 製造物責任法(目的・第1条)AB
- 問題9② 製造物責任法(定義・製造物・第2条第1項)AB
- 問題9③ 製造物責任法(定義・欠陥・第2条第2項)AB
消費生活用製品安全法
- 問題9⑥ 消費生活用製品安全法(定義・特定製品)B
- 問題9⑦ 消費生活用製品安全法(リコール)AB
その他
- 問題9④ 自動車アセスメント C
- 問題9⑤ 電気用品安全法(目的・マーク・対象)B
- 問題9⑧ ガス事業法・特定ガス用品 B
- 問題9⑨ 医薬品医療機器等法(医薬部外品の回収報告・販売停止命令) BC
2018年度・平成30年度 難易度(A易、B普通、C難)目標:6問以上/10問中(★頻出☆重要実務)
製造物責任法(PL法)
- 問題9① 製造物責任法(定義・製造者)AB★
- 問題9② 製造物責任法(部品・原材料製造業者の抗弁)BC
消費生活用製品安全法
- 問題9④ 消費生活用製品安全法(長期使用製品安全表示制度※実は電気用品安全法)BC
- 問題9⑦ 消費生活用製品安全法(定義・製品事故)AB
- 問題9⑧ 消費生活用製品安全法(定義・特定製品)BC★
- 問題9⑨ 消費生活用製品安全法(重大製品事故)BC★☆
その他
- 問題9③ 安全マーク BC★
- 問題9⑤ 自動車のリコール制度 BC★
- 問題9⑥ 医薬品副作用被害救済制度 BC
- 問題9⑩ 電気用品安全法(定義・電気用品・特定電気用品)BC
平成29年度 難易度(A易、B普通、C難)目標:8問以上/11問中(★頻出☆重要実務)
製造物責任法(PL法)
- 問題9① 製造物責任法(定義・製造物)AB★
- 問題9② 製造物責任法(目的、定義・欠陥)AB★
- 問題9③ 製造物責任法(開発詭弁の抗弁)AB★
消費生活用製品安全法
- 問題9⑤ 消費生活用製品安全法(定義・目的)B
- 問題9⑥ 消費生活用製品安全法(定義・消費生活用製品)AB
- 問題9⑦ 消費生活用製品安全法(定義・特定製品)B
- 問題9⑧ 消費生活用製品安全法(重大製品事故)AB
- 問題9⑪ 消費生活用製品安全法(長期使用製品安全点検制度)BC
その他
- 問題9④ 安全マーク B
- 問題9⑨ 自動車のリコール制度 B
- 問題9⑩ ガス事業法 BC
平成28年度 難易度(A易、B普通、C難)目標:6問/11問中
製造物責任法(PL法)
- 問題10① 製造物責任法・欠陥の定義 B
- 問題10② 製造物責任法・時効 BC
- 問題10③ 製造物責任法・民間PLセンター AB
消費生活用製品安全法
- 問題10⑥ 消費生活用製品安全法・基準とマーク B
- 問題10⑦ 消費生活用製品安全法・重大製品事故の届出 AB
その他
- 問題10⑧ JIS・子供服のひもの基準 AB
- 問題10⑨ 自動車リコール制度 BC
- 問題10⑩ 電気用品安全法・基準とマーク A
消費者安全法
- 問題10④ 消費者安全法・重大事故の定義 BC
- 問題10⑤ 消費者安全法・事故調 BC
- 問題10⑪ 消費者安全法・重大事故の定義 BC