解説の中に出てくる「改正民法」は、2020年4月1日の債権法の大改正のことを指します。わかりやすい表現にしたのと、今まで明文化されていなかった判例などを明文化したことが特徴です。
10.次の文章のうち、下線部が2ヵ所*とも正しい場合は○を、下線部のうち誤っている箇所がある場合は、誤っている箇所(1ヵ所)の記号を解答用紙の解答欄にマークしなさい。
*誤っている箇所がある場合は、1ヵ所である。
※以下は、民法に関する問題である。
① AがBに代理権を授与していないにもかかわらず、BがAの代理人としてCとの間で契約した場合、Cには、Aに対する追認の催告権が㋐ある。AがBに代理権を授与していないにもかかわらず、Cに対して、Bに代理権を与えた旨の表示をした場合、CがBの無権限について善意無過失のときは、Aは、Aが表示した代理権の範囲内でBがCとの間でした無権代理行為について責任を㋑負う。
② 表意者が、法律行為の基礎とした事情についてのその認識が真実に反する錯誤(行為基礎事情の錯誤)を理由として契約を取り消す場合、その事情が法律行為の基礎とされていることは、相手方に表示されている必要が㋐ない。表意者が重過失により錯誤に陥っていた場合で、相手方が表意者に錯誤があることを知っていたとき、表意者は意思表示を取り消すことが㋑できる。
③ 未成年者が法定代理人の同意を得ずにした法律行為を自ら取り消す際には、法定代理人の同意を得る必要が㋐ある。また、未成年者が成年になる前に追認をすることができるのは、法定代理人の同意がある場合に㋑限られる。
④ 売買契約を締結後、履行が可能であるにもかかわらず履行期日になっても商品の引渡しがない場合、原則として、買主は、㋐催告をしたうえで相当期間が経過したときは、売買契約を解除することができる。売買契約の目的物が一点もののアンティークの家具で、売主がその家具を搬送中に自動車事故を起こし、当該家具が滅失した場合、買主は、㋑催告をしないで解除をすることができる。
⑤ 隔地者間における非対面での契約は、㋐承諾の通知が申込者に到達した時点で成立する。相手方に申込みの通知が到達した後に申込者が後見開始の審判を受けた場合で、相手方が承諾の通知を発する前にその事実を知ったときは、申込みの意思表示は㋑効力を有しない。
解説・ポイント ※問題9を参照してください※
- 民法では2つの大問題が出題されています。問題形式としては最初に「正誤問題」と2問目に「穴埋問題」でしたが、「穴埋問題」の形式がなくなったことから、「正誤問題」しかも、「正誤×選択」という難しい形式になりました。また、穴埋め問題ではテーマが1つに絞られていましたが正誤問題になったことから別々の単独の5問の正誤問題になっています。2024年度以降も1つが10問程度の正誤○×問題、もう1つが5問の正誤×選択問題の15点分になっています。
- 今回の「正誤×選択」問題の特徴としては、民法でも複数の条文がミックスされた問題になっていることが多いということです。問題9が基本的に1つの条文からの出題だったのに対し、問題10は難易度が高くなっているということです。
2025年度 難易度(A易、B普通、C難)目標:3問以上/5問中
- 問題10① 無権代理と表見代理(第109条・第113条)C
- 問題10② 錯誤取り消し(第95条)BC
- 問題10③ 未成年者契約の取り消し AB
- 問題10④ 解除の催告(第541条・第542条)BC
- 問題10⑤ 意思表示の効力発生時期(第97条)BC
【(参考)2025年度 問題9 民法(正誤○×)難易度(A易、B普通、C難)目標:5問以上/10問中】
- 問題9① 後見制度・補助開始の審判(民法第15条)BC
- 問題9② 心裡留保(第93条) BC
- 問題9③ 時効の援用(第145条) BC
- 問題9④ 期間の計算(第140条) C
- 問題9⑤ 債権の相殺(第505条) C
- 問題9⑥ 敷金の返還(第622条の2) BC
- 問題9⑦ 第三者の弁済(第474条) BC
- 問題9⑧ 停止条件付法律行為(第127条・第131条) C
- 問題9⑩ 未成年者の損害賠償責任(第712条・第714条) C
過去問(2023年度試験以降の分)※正誤×選択問題の分※
- 問題10① 強行規定と任意規定 AB
- 問題10② 詐欺による取り消し(第96条)BC
- 問題10③ 表見代理(第109条・第116条)BC
- 問題10④ 消滅時効(第166条・第152条)C
- 問題10⑤ 危険負担(第536条・第537条)BC
2023年度 難易度(A易、B普通、C難)目標:3問以上/5問中
- 問題10① 法定後見・任意後見(民法第7条)C
- 問題10② 未成年者契約・取消し(第5条・第120条・第818条)B
- 問題10③ 契約自由の原則(第521条・第522条)B
- 問題10④ 双務契約・債務不履行・同時履行の抗弁(第533条)C
- 問題10⑤ 原状回復・最高裁判例(第121条の2・第708条)B
過去問(新試験以降の分)※穴埋問題の分※
- 2022年度(令和4年度)問題10 成年後見制度 ※難易度(A易、B普通、C難)目標:4問以上/5問
- 2021年度(令和3年度)問題11 錯誤取消し ※難易度(A易、B普通、C難)目標:3問以上/5問中
- 2020年度(令和2年度)問題12 時効 ※難易度(A易、B普通、C難)目標:1-3問以上/5問中
- 2019年度(令和元年度)本試験 問題12 代理 ※難易度(A易、B普通、C難)目標:4問以上/5問中
- 2019年度(令和元年度)再試験 問題12 成年後見制度 ※難易度(A易、B普通、C難)目標:4問以上/5問中
- 2018年度(平成30年度)問題12 民法(取消し・解除)※難易度(A易、B普通、C難)目標:3問以上/5問中
- 2017年度(平成29年度)問題12 民法(建物賃貸借契約)※難易度(A易、B普通、C難)目標:4問以上/5問中
- 2016年度(平成28年度)問題13 民法(無効・取消し)※難易度(A易、B普通、C難) A 目標:5問/5問中
このページの印刷画面を開く