5. 次の文章のうち、下線部がすべて正しい場合は○を、下線部のうち誤っている箇所がある場合は、誤っている箇所(1ヵ所)の記号を解答用紙の解答欄に記入(マーク)しなさい。
※誤っている箇所がある場合は、1ヵ所である。

① 消費者教育の推進に関する法律には、消費者教育の「基本理念」が定められている。具体的には、消費者教育は㋐年齢、障害の有無その他の消費者の特性に配慮した適切な方法で行われることが必要であること、㋑それぞれの場における消費者教育を推進する多様な主体の連携が必要であること、また、㋒災害その他非常の事態においても消費者が合理的に行動することができるよう、消費者教育を行わなければならないこと等である。

② 2015(平成27)年9月の国連サミットで、「持続可能な開発のための2030 アジェンダ」が採択された。この中に掲げられた「持続可能な開発目標(SDGs)」では、㋐発展途上国向けの開発目標として、 ㋑2030 年を期限とする包括的な17 の目標を設定している。その目標の一つとして、㋒持続可能な生産消費形態を確保することが掲げられている。

③ 消費者教育の推進に関する法律において、政府は、㋐「消費者教育の推進に関する基本的な方針(基本方針)」を定めなければならないと規定されている。その内容については、㋑消費者基本法に規定する㋒消費者基本計画との調和が保たれたものでなければならないとされている。

④ 日本銀行は、景気低迷時に経済活動を活発化させるため、市中の資金量の㋐増加、金利の㋑低下を通して投資を刺激することを狙いとした、㋒売りオペレーション(金融機関への国債等の売却)を実施することがある。

⑤ インターネットを介して多数の者から少額ずつ資金を集める、いわゆる「クラウドファンディング」は、一般に㋐寄付型(資金提供者が無償で資金を提供する)、購入型(資金提供者は対価として財・サービスを受ける)、投資型(資金提供者は対価として収益の配当又は財産の分配を受ける)に大別される。このうち投資型のクラウドファンディングには、㋑金融商品取引法が適用される。また、投資者に対する分配金・配当金は、法律上、㋒保証される

⑥ 国の経済規模を測る指標として用いられるGDPは、㋐国内で一定期間内に生産されたモノやサービスの付加価値の合計額である。GDPには、日本企業が海外拠点で生産したモノやサービスの付加価値は㋑含まれない。名目GDPが実質GDPを下回る状況は、㋒物価が下落状況にあることを意味する。

⑦ 容器包装リサイクル法は、容器包装廃棄物のリサイクルの促進等により、㋐一般廃棄物の減量及び再生資源の十分な利用等を通じて、廃棄物の適正な処理及び資源の有効な利用の確保を図り、もって㋑生活環境の保全及び国民経済の健全な発展に寄与することを目的としている。同法における容器包装とは、㋒容器及び包装のうち、中身の商品が消費されたり、中身の商品と分離されたりした際に不要になるものである。

⑧ PCB は不燃性、電気絶縁性が高く化学的に安定な性質を有することから電気機器をはじめ幅広い用途で利用されてきたが、1968(昭和43)年に㋐カネミ油症事件が発生し、その毒性が社会問題化し、現在は、㋑製造・輸入ともに禁止されている。PCB 廃棄物の保管の長期化による環境汚染が懸念され、確実かつ適正な処理を推進するため、2001(平成13)年にPCB 特別措置法が公布・施行された。同法は2016(平成28)年に改正され、高濃度PCB 廃棄物を保管する事業者が㋒一定期間内にその処分を行うことを義務づける等、対策が強化された。

解説

  • 28年度29年度と同様、分野をまたいださまざまな問題が集められています。新試験制度になってから問題数が減っているので大問題から外すような小問題をここに集結させたような感じです。
  • あまりなじみのない法律が出てきたりしていますので難しめになっています。知らない問題は常識力から正解を導き出すことになりますが、30年度は易しい問題が多かったので得点源になります。最初の「正誤×選択」が易しい問題というのは心理的に助かります。少なくとも6個、できれば7個、もしくは満点を目指してください。
  • 知らない法律問題もあり、「正誤×選択」なので、大きく取りこぼさないように半分以上を目標にします。例年、頭をうならせる分野です。
  • 過去にも出題された同じような問題は取りこぼさないように過去問対策をしておきましょう。
  • 一般常識で解答が導き出されるような感覚をつけたいところです。あまり時間を書ける問題ではありませんので時間配分には気をつけてください。

今回の「正誤×選択」問題から、「※誤っている箇所がある場合は、1ヵ所である。」という注意書きが追記されました。もしかしたら、いろいろあったのかもしれませんね。

難易度(A易、B普通、C難)目標:6問以上/8問中(★頻出☆重要実務)

問題5① 【消費者教育】基本理念(消費者教育の推進に関する法律)AB
問題5② 【その他】持続可能な開発目標(SDGs)AB
問題5③ 【消費者教育】基本方針(消費者教育の推進に関する法律)B
問題5④ 【経済問題】景気低迷対策 B
問題5⑤ 【経済問題】クラウドファンディング A
問題5⑥ 【経済問題】国内総生産(GDP)AB
問題5⑦ 【環境問題】容器包装リサイクル法 B
問題5⑧ 【環境問題】PCB BC

28年度・29年度の過去問の分類と難易度

29年度試験の難易度を再掲

難易度(A易、B普通、C難)目標:4問以上/8問中

【消費者教育】2問
【その他】1問
【経済問題】3問
【環境問題】3問

問題5① 【消費者教育】消費者教育推進法(第13条 地域における消費者教育の推進)BC
問題5② 【消費者教育】消費者教育推進法(消費者教育推進会議)BC
問題5③ 【その他】食育基本法 B
問題5④ 【経済問題】経済問題(為替レート・円高円安)AB★
問題5⑤ 【経済問題】経済問題(マイナス金利)AB
問題5⑥ 【経済問題】経済問題(調査データ・有効求人倍率)BC
問題5⑦ 【環境問題】環境問題(省エネルギーラベル)BC
問題5⑧ 【環境問題】環境問題(ワシントン条約)BC

28年度試験の難易度を再掲

難易度(A易、B普通、C難)目標:5問以上/8問中

【消費者教育】3問
【経済問題】3問
【環境問題】2問

問題5① 【消費者教育】消費者市民社会(消費者教育の推進に関する法律)
問題5② 【消費者教育】消費者教育の推進に関する基本的な方針(消費者教育の推進に関する法律)
問題5③ 【消費者教育】金融に関わる消費者教育
問題5④ 【経済問題】インフレ目標
問題5⑤ 【経済問題】円高・円安
問題5⑥ 【経済問題】(調査データ)ネット通販トラブル
問題5⑦ 【環境問題】食品リサイクル法
問題5⑧ 【環境問題】地球温暖化防止会議