1. 次の各文章が、正しければ○、誤っていれば×を解答用紙の解答欄に記入(マーク)しなさい。
⑦ 消費者安全法において、消費者が消費安全性を欠く商品を使用し、火災が生じた場合、消費者の生命又は身体に被害が生じていなくても、「重大事故等」に該当する。
⑧ 消費者安全法では、都道府県による消費生活センターの設置基準の一つとして、消費生活相談・あっせん業務に係る事務を、1週間につき3日以上行うことができるものであることを定めている。
⑨ 消費者安全確保地域協議会は、消費者安全法に基づいて組織され、一定の必要があると認めるときは、本人の同意が得られない場合であっても、構成員に対し、消費生活上特に配慮を要する消費者に関する情報の提供等の必要な協力を求めることができる。
⑩ 消費者安全調査委員会は、消費生活における生命身体事故等の原因を究明するための調査を行い、その結果に基づき、事業者に対し、消費者に代わって被害回復を請求することができる。
問題1⑦ 消費者安全法(第2条第6項・重大事故の定義)B
⑦ 消費者安全法において、消費者が消費安全性を欠く商品を使用し、火災が生じた場合、消費者の生命又は身体に被害が生じていなくても、「重大事故等」に該当する。
- 「消費者の生命又は身体に被害が生じていなくても」とあるので、「身体被害がないから重大事故等に該当しない」と勘違いしないように。試験本番ではなぜか油断してしまいます。
- 「生命身体事故等(法第2条第5項)」の要件として、「実際に被害が発生した事故(法第2条第5項第1号)」と「被害は発生していないが事故の発生のおそれのある事態(法第2条第5項第2号)」の2つが定義づけられています。
- さらに、「生命身体事故等(法第2条第5項)のうち、要件を満たした場合に重大事故となります。
- 「実際に被害が発生した事故(法第2条第5項第1号)」の場合は、政令要件(死亡、負傷又は疾病(30日以上の治療期間)、一酸化炭素中毒)
- 「被害は発生していないが事故の発生のおそれのある事態(法第2条第5項第2号)」の場合は、政令要件(劣化、毒劇物、窒息、火災)
したがって、問題1⑦は○(正しい文章)です。
生命身体事故等(法第2条第5項)
〈被害が発生した事故〉(法第2条第5項第1号)⇒重大事故・・・死亡、負傷又は疾病(30日以上の治療期間)、一酸化炭素中毒
〈事故発生のおそれのある事態〉(法第2条第5項第2号)⇒重大事故の発生のおそれ
財産に関する事態(法第2条第5項3号)⇒多数消費者財産被害事態
「消費者事故等(第2条第5項)」の定義を「生命身体事故等(第2条第6項)」「重大事故等(第2条第7項)」と関連させると3つに分類される
①商品や役務で身体被害が発生したもの(明らかに「消費安全性を欠くもの」ではないものを除く)
⇒定義「生命身体事故等」(第2条第6項)に該当
(ステップアップ)⇒政令要件に該当すれば定義「重大事故等」(第2条第7項第1号)に該当
⇒政令要件は施行令第4条(死亡、30日以上の治療、一酸化炭素中毒)
②商品や役務の消費安全性を欠く場合で身体被害が発生するおそれがあるもの
⇒定義「生命身体事故等」(第2条第6項)に該当
(ステップアップ)⇒政令要件に該当すれば定義「重大事故等」(第2条第7項第1号)に該当
⇒政令要件は施行令第5条(劣化、毒劇物、窒息、火災)
③【第3号】財産被害のおそれがあるものが行われた
⇒定義「生命身体事故等」(第2条第6項)に該当
(ステップアップ)⇒第2条第8項第1号第2号に該当すれば「多数消費者財産被害事態」
消費者安全法
(定義)
第二条
5 この法律において「消費者事故等」とは、次に掲げる事故又は事態をいう。
一 事業者がその事業として供給する商品若しくは製品、事業者がその事業のために提供し若しくは利用に供する物品、施設若しくは工作物又は事業者がその事業として若しくはその事業のために提供する役務の消費者による使用等に伴い生じた事故であって、消費者の生命又は身体について政令で定める程度の被害が発生したもの(その事故に係る商品等又は役務が消費安全性を欠くことにより生じたものでないことが明らかであるものを除く。)
二 消費安全性を欠く商品等又は役務の消費者による使用等が行われた事態であって、前号に掲げる事故が発生するおそれがあるものとして政令で定める要件に該当するもの
三 前二号に掲げるもののほか、虚偽の又は誇大な広告その他の消費者の利益を不当に害し、又は消費者の自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがある行為であって政令で定めるものが事業者により行われた事態
6 この法律において「生命身体事故等」とは、前項第一号に掲げる事故及び同項第二号に掲げる事態をいう。
7 この法律において「重大事故等」とは、次に掲げる事故又は事態をいう。
一 第五項第一号に掲げる事故のうち、その被害が重大であるものとして政令で定める要件に該当するもの
二 第五項第二号に掲げる事態のうち、前号に掲げる事故を発生させるおそれがあるものとして政令で定める要件に該当するもの
問題1⑧ 消費者安全法(第10条・消費生活センターの設置基準)AB
⑧ 消費者安全法では、都道府県による消費生活センターの設置基準の一つとして、消費生活相談・あっせん業務に係る事務を、1週間につき3日以上行うことができるものであることを定めている。
- 頻出の消費生活センターの設置基準のうち、窓口を開けている日数です。
- ざっくり半分以上と覚えましょう。つまり、1週間7日間のうち、3日ではなく4日になります。
- 簡単なひっかけ問題ですね。過去にも同じひっかけ問題が出題されています。
したがって、問題1⑧は×(誤っている文章)です。
【2019年度(再試験) 問題1⑦ 消費者安全法・消費生活センターの設置基準 B ※頻出・重要※引っ掛け問題】
⑦ 消費者安全法は、消費生活センターの設置基準の一つとして、消費生活相談・あっせん業務に係る窓口を、週3日以上開設していることを定めている。市町村の消費生活センターの設置基準は、都道府県のそれと基本的には同様である。
【正答】問題1⑦→×(誤っている文章)※週3日ではなく4日以上
消費生活相談等の事務・消費生活センターの設置
【重要基本事項】
・消費生活センターが法的に定義
・都道府県は設置義務、市町村は設置努力義務
・1週間で4日以上
・PIO-NET(電子情報処理組織その他の設備)
・専門的な知見を有する者⇒消費生活相談員(消費者安全法の改正により定義付け)※2016年・平成28年4月1日施行
・消費者安全法の改正で消費生活相談員を条文に組み込んだ(国家資格化)※2016年・平成28年4月1日施行
・指定消費生活相談員の制度化(都道府県の消費生活相談員の中から、市町村の行う消費生活相談の事務に関し、助言等の援助を行う ことを職務)※いまいち制度?
消費者安全法
(消費生活センターの設置)
第十条 都道府県は、第八条第一項各号に掲げる事務を行うため、次に掲げる要件に該当する施設又は機関を設置しなければならない。
一 消費生活相談員を第八条第一項第二号イ及びロに掲げる事務に従事させるものであること。
二 第八条第一項各号に掲げる事務の効率的な実施のために適切な電子情報処理組織その他の設備を備えているものであること。
三 その他第八条第一項各号に掲げる事務を適切に行うために必要なものとして政令で定める基準に適合するものであること。
2 市町村は、必要に応じ、第八条第二項各号に掲げる事務を行うため、次に掲げる要件に該当する施設又は機関を設置するよう努めなければならない。
一 消費生活相談員を第八条第二項第一号及び第二号に掲げる事務に従事させるものであること。
二 第八条第二項各号に掲げる事務の効率的な実施のために適切な電子情報処理組織その他の設備を備えているものであること。
三 その他第八条第二項各号に掲げる事務を適切に行うために必要なものとして政令で定める基準に適合するものであること。
3 前項の規定により同項の施設又は機関を設置する市町村以外の市町村は、第八条第二項第一号及び第二号に掲げる事務に従事させるため、消費生活相談員を置くよう努めなければならない。
消費者安全法施行令
(都道府県が設置する消費生活センターの基準)
第六条 法第十条第一項第三号の政令で定める基準は、法第八条第一項第二号イ及びロに掲げる事務を一週間につき四日以上行うことができるものであることとする。
(市町村が設置する消費生活センターの基準)
第七条 法第十条第二項第三号の政令で定める基準は、法第八条第二項第一号及び第二号に掲げる事務を一週間につき四日以上行うことができるものであることとする。
問題1⑨ 消費者安全法(消費者安全確保地域協議会・個人情報の提供)BC
⑨ 消費者安全確保地域協議会は、消費者安全法に基づいて組織され、一定の必要があると認めるときは、本人の同意が得られない場合であっても、構成員に対し、消費生活上特に配慮を要する消費者に関する情報の提供等の必要な協力を求めることができる。
- 初見だと難問ですが、過去にも出題されている問題です。見守り活動において、個人情報が必要な場合、本人から同意がなくても、構成員に情報提供できるという規定です。
- 対象としては、消費生活上特に配慮を要する消費者となっており、高齢者等の弱者・ぜい弱な消費者等を指すものと思われます。
- 「本人の同意が得られない場合」は提供できないというのでは機能しないので意味がないと考えるのがポイントになります。
したがって、問題1⑨は○(正しい文章)です。一般常識的に考えれば正解できると思います。
消費者安全法
(協議会の事務等)
第十一条の四 協議会は、前条の目的を達成するため、必要な情報を交換するとともに、消費者安全の確保のための取組に関する協議を行うものとする。
2 協議会の構成員(次項において単に「構成員」という。)は、前項の協議の結果に基づき、消費者安全の確保のため、消費生活上特に配慮を要する消費者と適当な接触を保ち、その状況を見守ることその他の必要な取組を行うものとする。
3 協議会は、第一項に規定する情報の交換及び協議を行うため必要があると認めるとき、又は構成員が行う消費者安全の確保のための取組に関し他の構成員から要請があった場合その他の内閣府令で定める場合において必要があると認めるときは、構成員に対し、消費生活上特に配慮を要する消費者に関する情報の提供、意見の表明その他の必要な協力を求めることができる。
4 協議会の庶務は、協議会を構成する地方公共団体において処理する。
【2019年度(本試験) 問題1⑧ 消費者安全法・見守り活動への情報提供 BC ※変化球】
⑧ 地方公共団体の長からの求めがある場合に、内閣総理大臣は、消費者安全法に基づき、見守り活動のために必要な限度において、本人の同意がある場合に限り、消費生活上特に配慮を要する購入者に関する個人情報を提供することができる。
【正答 ⑧→× ※本人の同意がなくても提供可能】
問題1⑩ 消費者安全法(消費者安全調査委員会・被害回復請求)B
⑩ 消費者安全調査委員会は、消費生活における生命身体事故等の原因を究明するための調査を行い、その結果に基づき、事業者に対し、消費者に代わって被害回復を請求することができる。
- 一般常識的に考えて、国の調査機関か事業者に対して、被害回復まで請求することはやってません。
- これ以上の説明はないというシンプルな解説になります。
- 一応、消費者庁のホームページのよくある質問と回答を参考にしてください。
したがって、問題1⑩は×(誤っている文章)です。
消費者庁ホーム > 政策 > 審議会・研究会 > 消費者安全調査委員会 > よくある質問と回答/その他
https://www.caa.go.jp/policies/council/csic/faq/
よくある質問と回答/その他
消費者安全調査委員会に関するよくある質問と回答
Q1
消費者安全調査委員会は何をするところでしょうか?
A1 消費者の生命・身体に被害をもたらす事故について、「なぜ事故が起こったのか」を科学的に調査し、同じような事故が起こらないように防止策を提言していく組織です。
例えば、製品やサービスの状況のほか、消費者が日常的に製品を使い、サービスを利用する環境や子供・高齢者などの利用者の特性にも目を向けて、広い視点から調査を行っています。
なお、消費者安全調査委員会は、事故の原因を究明し、将来において同じような事故が起こらないように提言をすることを目的としているため、個別的な被害の救済を目的として行っているものではないことを御理解ください。
【正答】
⑦→〇、⑧→×、⑨→〇、⑩→×