2019年度(本試験) 問題1 消費者行政と関連法(正誤○×)その1(一般公開中)
1. 次の各文章が、正しければ○、誤っていれば×を解答用紙の解答欄に記入(マーク)しなさい。
① 消費者基本法は、事業者の責務等を規定している。例えば、消費者に対し必要な情報を明確かつ平易に提供することとしており、個別具体的に情報提供の法的義務を定めている。
② 消費者基本法では、消費者は、自ら進んで、その消費生活に関して、必要な知識を修得し、必要な情報を収集するなど、自主的かつ合理的に行動するよう努めなければならないと規定されている。
③ 消費者基本法は、消費者の権利の尊重と消費者の自立の支援を消費者政策の基本理念としており、消費者政策の推進にあたり、高度情報通信社会の進展への的確な対応、国際的な連携の確保、環境保全への配慮を求めている。
④ 地方公共団体における消費者行政に係る事務は、基本的に地方自治法上の自治事務として位置づけられている。
⑤ 国民生活センターは、グローバル化の進展に伴い、海外ネットショッピングなど、海外の事業者との取引でトラブルにあった消費者のための相談窓口である「越境消費者センター(CCJ)」を設置している。
⑥ 「事故情報データバンクシステム」とは、食品安全基本法に基づき、関係行政機関に情報提供される食品安全に関する事故情報を一元的に集約したデータベースをいう。これは、消費者庁と内閣府食品安全委員会が共同運営している。
⑦ 市町村は、高齢者等の消費者被害防止のための取組として、消費者安全法における「消費者安全確保地域協議会」を組織しなければならない。
⑧ 地方公共団体の長からの求めがある場合に、内閣総理大臣は、消費者安全法に基づき、見守り活動のために必要な限度において、本人の同意がある場合に限り、消費生活上特に配慮を要する購入者に関する個人情報を提供することができる。
解説
- 消費者行政の基本となる法律の単発問題です。旧試験でも毎回出題され、基本的に正誤×選択で10問でしたが、新試験になってから、試験問題数が減ったのに伴い、8問になり、なおかつ、単純正誤問題になったことから易しくなったといえます。
- ただし、基本的に法律の条文からの出題が多く、暗記問題でもあります。出題される問題は重要なポイントばかりですが、少し細かいところもあったりして、暗記をしていても正解しにくい問題もあります。
- 一方、×になる問題は、文章の日本語のつながりに違和感があったりして予想することができます。
- また、常識的に解釈したら正解となる問題もあります。
- 過去問を繰り返し解いてみて、「何となく正解できる」感覚を身につけることが、相談員試験全体に共通して言えることです。問題1でも、その感覚を使う問題が出ていますので感じ取ってください。
- 単純正誤問題であり、上記の感覚を使えば、そこそこ正解できますので、8問中6問以上の正答を目指してください。できれば、ここで満点を取っておけば楽になります。一方、引っ掛け問題等もあるので、ケアレスミスによる取りこぼしはできるだけ避けたいところです。
- なお、消費者行政と関連法の問題は、繰り返し同じような論点が出題されます。前年と同じ論点が連続で出題されることもあるので、過去問はしっかり押さえておいてください。
- 出題される問題は、消費者基本法と消費者安全法と消費者庁に関連する法律や重要施策などで、国民生活センターに関することも出題されます。旧試験ではほかの分野も若干入ってましたが、新試験になってからは同じような傾向になっています。
- 初めて出題されるわけわからない論点の問題があれば、捨て問題でOKです(確率1/2です)。
- なお、○が続いたり、×が続いたりして不安になるかもしれませんが、新試験での傾向であり、気にしないでください。ただし、すべて○、すべて×は0点となりますのでご注意ください。
難易度(A易、B普通、C難)目標:6問以上/8問中
2019年度(本試験) ※新試験4年目 難易度(A易、B普通、C難)目標:6問以上/8問中
- 問題1① 消費者基本法(第5条・事業者の責務)A
- 問題1② 消費者基本法(第7条・消費者の責務)A
- 問題1③ 消費者基本法(第1条 目的・第2条 基本理念)B
- 問題1④ 自治事務 BC ※24年度論文試験指定語句
- 問題1⑤ 国民生活センター越境消費者センター(CCJ) A
- 問題1⑥ 事故情報データバンクシステム AB
- 問題1⑦ 消費者安全法・消費者安全確保地域協議会 BC
- 問題1⑧ 消費者安全法・見守り活動への情報提供 BC ※変化球
出題分野としては、消費者基本法3問、消費者行政施策2問、国民生活センター1問、消費者安全法2問の合計8問で30年度試験と同じ配分でした。例年出題されている「消費者基本計画」が出題されませんでした。
2019年度(再試験) ※新試験4年目 難易度(A易、B普通、C難)目標:6問以上/8問中
- 問題1① 消費者基本法(第5条・事業者の責務)A ※ラッキー問題
- 問題1② 消費者基本法(第8条・消費者団体の責務)AB
- 問題1③ 消費者基本法(第3条・国の責務)A ※ラッキー問題
- 問題1④ 国民生活センター・訪日観光客消費者ホットライン BC
- 問題1⑤ 消費者委員会の業務 BC ※頻出
- 問題1⑥ 医療機関ネットワーク事業 B
- 問題1⑦ 消費者安全法・消費生活センターの設置基準 B ※頻出・重要※引っ掛け問題
- 問題1⑧ 消費者安全法・消費生活相談員の資質向上 AB ※重要
出題分野としては、消費者基本法3問、消費者行政施策2問、国民生活センター1問、消費者安全法2問の合計8問で30年度試験と同じ配分でした。例年出題されている「消費者基本計画」が出題されませんでした。本試験でも同様でした。
- 問題1① 消費者基本法(第5条・事業者の責務)A
- 問題1② 消費者基本法(第7条・消費者の責務)A
- 問題1③ 消費者基本法(第1条 目的・第2条 基本理念)B
- 問題1④ 自治事務 BC ※24年度論文試験指定語句
- 問題1⑤ 国民生活センター越境消費者センター(CCJ) A
- 問題1⑥ 事故情報データバンクシステム AB
- 問題1⑦ 消費者安全法・消費者安全確保地域協議会 BC
- 問題1⑧ 消費者安全法・見守り活動への情報提供 BC ※変化球
過去問
【参考】30年度試験 ※新試験3回目
- 問題1① 消費者基本法(第1条 目的・第7条 消費者の責務) A★☆ ※超基本
- 問題1② 消費者基本法(第26条 消費者団体の自主的な活動の促進)B ※ちょっと悩むかも
- 問題1③ 消費者基本計画(第27条 消費者政策会議)C★ ※主語がややこしい
- 問題1④ 消費者行政新未来創造オフィス(徳島県)AB ※トピックス
- 問題1⑤ 地方消費者行政強化作戦 AB ※平成28年度開始の重要消費者施策
- 問題1⑥ 国民生活センター法の改正(消費者裁判手続特例法での担保金の援助)AB ※法律改正論点
- 問題1⑦ 消費者安全法(第8条 都道府県の役割) AB★ ※常識対応可能
- 問題1⑧ 消費者安全法(第10条 消費生活センターの設置) AB★ ※超重要・超頻出
【参考】29年度試験 ※新試験2回目
- 問題1① 消費者基本法(第1条 目的) A★★☆
- 問題1② 消費者基本法(第5条 事業者の責務等) A★
- 問題1③ 消費者基本計画 BC
- 問題1④ 消費者庁の所管法律 B★
- 問題1⑤ 消費者委員会の事務(消費者教育) BC
- 問題1⑥ 国民生活センター(PIO-NET) A☆
- 問題1⑦ 消費者安全法(消費生活センターの設置義務) A★★
- 問題1⑧ 消費者安全法(消費生活センターの管轄地域) AB
【参考】28年度試験 ※新試験1回目
- 問題1① 消費者基本法(第1条 目的) A
- 問題1② 消費者基本法(第5条 事業者の責務等) A
- 問題1③ 消費者基本計画(第5条 事業者の責務等) AB
- 問題1④ 消費者庁の所管法律 BC
- 問題1⑤ 消費生活相談員の定義(消費者安全法) A
- 問題1⑥ ケネディ大統領の4つの権利 A
- 問題1⑦ 公益通報者保護法 B
- 問題1⑧ 国民生活センター越境消費者センター(CCJ) A
勉強方法とポイント
- 消費者庁(https://www.caa.go.jp)や国民生活センター(http://www.kokusen.go.jp)のホームページの法律や施策の最初の概要の説明文
- 消費者基本法 や消費者安全法の条文
- 消費者行政に関する最近のトピックス(報道されるようなトピックス)
消費者基本法と消費者安全法などの条文の問題は、参考書よりも、条文そのものを確認するほうが早いです。ポイントとしては、過去問でどのように出題されたかを確認します。できれば、新試験だけでなく、旧試験までさかのぼって確認してください。同じような問題が繰り返し出題されていることがわかると思います。
重要参考書「ハンドブック消費者2014(消費者庁発行)」 ※全文消費者庁のホームページから閲覧できます。
今となっては古くなりましたが、ほかの法律や消費者行政の歴史も含めてコンパクトにまとまっているので、2009年に消費者庁が創設されるまでと初期の施策についての全体像を学ぶのに適しています。私は非常に重宝しています。早く改訂版が出てほしいなあと思っているのですが、書籍として手元に置いておきたいです。
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ハンドブック消費者
「ハンドブック消費者」は、消費生活に関する各種法令・制度の解説に重点を置きつつ、消費者政策の状況、関係機関の活動状況等について、最新の情報を基に、その概況を幅広く収録したものであり、消費者行政関係者や一般の消費者がそれらについての理解を深めていただくことにより、消費者トラブルの未然防止・拡大防止につなげることを目的として作成しています。最新版「ハンドブック消費者2014」は、全国官報販売協同組合より出版されています。官報販売所又はお近くの書店等でもお取り寄せできますので、ご注文ください。
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_research/research_report/handbook/
アマゾンの中古は高いので、楽天等の中古などを探すしかないようですが、入手は難しいかもしれません。無理して大金を支払う必要はありません。また、上記で紹介している官報関係の販売所で在庫の有無をたずねてみるとよいかもしれません。