7. 次の各文章が、正しければ○、誤っていれば×を解答用紙の解答欄に記入(マーク)しなさい。

① 宅地建物取引業者は、不動産登記上の地目が「宅地」ではなく、「山林」や「原野」となっている土地を売却する場合にも、重要事項説明義務を負うことがある。

② 宅地建物取引業法によれば、宅地建物取引業者が売主となる場合に、その事務所等以外の場所において、宅地又は建物の買受けの申込みをした者は、原則として、宅地建物取引業者から書面によりクーリング・オフ制度について告げられた日から8日以内に限り、書面により申込みの撤回を行うことができる。

③ 2017(平成29)年4月に「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律」(住宅セーフティネット法)が改正され、民間の空き家、空き室を活用して、高齢者、低額所得者、子育て世帯等の「住宅確保要配慮者」の入居を拒まない賃貸住宅の登録制度が創設された。

④ 国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」によれば、建物の賃貸借の終了時に賃借人が負担する原状回復の内容は、賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少をすべて復旧することとされている。

⑤ 建設業法によれば、住宅リフォーム工事を行う事業者は、建設業法に基づく建設業の許可を受けていることが必要である。ただし、500 万円未満の住宅リフォーム工事のみを請け負う場合においては、その限りではない。

⑥ 建築基準法上、いわゆる違反建築物については、特定行政庁が請負人に対して違反を是正するための措置を命令する制度はあるが、建築物の建築主に対して違反是正の措置を命じる制度はない。

⑦ 転貸事業を行う目的で、建物賃貸借契約を締結して、建物所有者からオフィスビルやマンション等を一括して借り上げる形態のサブリース契約については、最高裁判所の判例では、賃料増減額請求権を定めた借地借家法第32 条第1項の適用が排除されるものではない、としている。建物の賃借人である事業者は、同項に基づき、賃貸人である建物所有者に対して、賃料の減額を請求し得る。

⑧ 有料老人ホームの設置者は、入居者から家賃等の前払金を受領する場合においては、入居契約の締結日から3ヵ月を経過する日までの間に、その契約が解除された場合に、上記の前払金の額から厚生労働省令に基づき算定される額を控除した額を返還する旨の契約を締結しなければならない。

⑨ 新築住宅の建築工事請負契約では、建設業の許可を受けた請負人は、当該住宅のすべての瑕疵について、住宅を注文者に引き渡した時から10 年間瑕疵担保責任を負い、これに反する特約は無効とされている。

⑩ 「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づく指定住宅紛争処理機関は、同法に基づく建設住宅性能評価書が交付された住宅について、その建設工事の請負契約又は売買契約に関する紛争について、あっせん、調停等の住宅紛争処理を行うが、設計住宅性能評価書のみが交付された住宅に関する紛争は取り扱うことができない。

解説

  • 住宅の問題です。住宅の問題には、賃貸契約や不動産登記、高齢者住宅サービス、宅建業法、敷金、原状回復など雑多な分野があり、難問ぞろいです。
  • 相談現場では住宅関連のトラブルが少なくありません。センター単独で処理できる場合や住宅専門の相談機関がある場合もあります。ただし、金銭がらみのトラブルは単独で処理するのは難しいこともあり、センターの規模にもよりますが、ほかの相談窓口を紹介することことも多いように感じます。
  • 行政の住宅相談窓口や宅建業協会などです。
  • それぞれの法律や制度の仕組みをすべて覚えるのはきついです。頻出問題を除いて、何とか一般常識力で解答して、勘でもいいので、少しでも多く正解したいところです。
  • 頻出分野としては、宅建業、原状回復義務、不動産登記の読み方(甲乙など最近は出ていない)、瑕疵担保責任、住宅にかかわる法律などです。同じような論点で出題されています。
  • 新しい制度などが出題されることもありますが、一般常識で正解できる問題も少なくありません。
  • そもそも宅建業法の問題は旧試験ではそんなに出題されていませんでした。新試験になってから、なぜか出題されるようになりました。しかも、そこそこのボリュームで。

ポイント

  • 宅建業法まで覚えている時間や暗記力はないと思います。余裕があれば勉強すればいいのですが、結構一般常識的に正解できる問題や原状回復・などの頻出問題がありますので、過去問に出てきているところと関連問題に絞ってもいいのではと思います。
  • 28年度試験では5肢2択が3問+正誤のみ2問の合計5問でした
  • 29年度試験では正誤のみ10問で、問題数が倍増していますので、全体に占める影響が少なくありませんでした。さらに、民法がらみで問題12に建物賃貸借契約として5個の穴埋め問題が出題されています。
  • 29年度試験以降は正誤10問だけです。今後も正誤10問というパターンになると思われます。
  • 意外に推測やテクニックで点数を取れる問題も多いので、本番では知らない専門用語が出てきても心が折れないように取り組んでください。
  • 短い問題文ですので10問あっても5分程度で終わらせるようにしましょう。

2019年度(本試験) 難易度(A易、B普通、C難)目標:7問以上/10問中

  • 問題7① 宅建業法( 重要事項説明義務 )BC ※テクニックを使えばA
  • 問題7② 宅建業法(クーリングオフ)AB
  • 問題7③ 住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律(住宅セーフティネット法)BC
  • 問題7④ 原状回復ガイドライン(原状回復をめぐるトラブルとガイドライン)AB
  • 問題7⑤ 建設業法(住宅リフォーム工事)BC ※一般常識で推測
  • 問題7⑥ 建築基準法(違反建築への措置)BC ※一般常識で推測
  • 問題7⑧ 有料老人ホーム(費用)C
  • 問題7⑨ 住宅の品質確保の促進等に関する法律(瑕疵担保責任)AB
  • 問題7⑩ 住宅の品質確保の促進等に関する法律(指定住宅紛争処理機関)C

2019年度(再試験) 難易度(A易、B普通、C難)目標:7問以上/10問中

  • 問題7① 宅建業法(手付金)AB
  • 問題7② 宅建業法(重要事項説明義務)AB
  • 問題7③ 借地借家法(定期建物賃貸借契約の解約)AB
  • 問題7④ 原状回復ガイドライン(原状回復をめぐるトラブルとガイドライン)AB
  • 問題7⑤ 建築基準法(完了検査・中間検査)C
  • 問題7⑥ 建築基準法(構造基準)BC
  • 問題7⑦ 住宅の品質確保の促進等に関する法律(日本住宅性能表示基準)B
  • 問題7⑧ 老人福祉法・有料老人ホーム(費用)C
  • 問題7⑨ 請負契約(瑕疵担保責任期間)C
  • 問題7⑩ 建物の区分所有等に関する法律(マンションの管理者)BC

28年度・29年度・30年度の過去問の分類と難易度

平成30年度 過去問 難易度(A易、B普通、C難)目標:7問以上/10問中

  • 問題7① 宅建業法(瑕疵担保責任期間)C
  • 問題7② 宅建業法(営業保証金)BC
  • 問題7③ 建物賃貸借契約(敷金)AB
  • 問題7④ 建物賃貸借契約(借地借家法・修繕費用の負担)BC
  • 問題7⑤ 住宅瑕疵担保履行法(制度)BC
  • 問題7⑥ 建築基準法(目的の定義)AB
  • 問題7⑦ 建築基準法(建築確認)A
  • 問題7⑧ 住宅の品質確保の促進等に関する法律(性能表示)BC
  • 問題7⑨ 老人福祉法・有料老人ホーム(費用)B
  • 問題7⑩ 建築基準法(建築物の定義)AB

平成29年度 過去問 難易度(A易、B普通、C難)目標:6問以上/10問中

  • 問題7① 建築基準法(建築物の定義)C
  • 問題7② 宅建業法(契約解除)C
  • 問題7③ 宅建業法(再勧誘の禁止)BC☆
  • 問題7④ 不動産表示の公正競争規約(特定用語の使用)C
  • 問題7⑤ 不動産表示の公正競争規約(新築表示)C
  • 問題7⑥ 賃貸住宅標準契約書(原状回復費用)C
  • 問題7⑦ 賃貸住宅標準契約書(原状回復義務)AB★
  • 問題7⑧ サービス付き高齢者向け住宅(定義・登録)C
  • 問題7⑨ 有料老人ホーム(費用)C
  • 問題7⑩ 住宅の品質確保の促進等に関する法律(瑕疵担保責任)BC★

平成28年度 過去問(5肢2択※両方正解で1点)難易度(A易、B普通、C難)目標:1問/3問中

  • 問題7① 宅建業法 C
  • 問題7② 宅建業法 B
  • 問題7③ 原状回復ガイドライン AB

平成28年度 過去問(正誤○×)※「住宅・(旧)薬事法」8問のうちの2問

  • 問題8① 住宅・瑕疵担保責任の特約 BC
  • 問題8② 住宅・住宅の瑕疵担保責任 B

旧試験の過去の住宅問題の出題内容

下記のとおり、基本は普通の住宅の契約関係で、請負・売買、瑕疵担保、不動産登記が中心で、同じような問題が繰り返し出題されています。

勉強部屋の過去問対策をしていれば、大丈夫だと考えます。

年度問題番号種別問題数出題内容
27年度問題15選択穴埋10住宅の建築契約(請負・売買、瑕疵担保)
26年度問題15選択穴埋10不動産登記、住宅紛争審査会
25年度問題11正誤×選択10請負・売買、不動産登記、紛争処理、瑕疵担保、賃貸借契約
24年度(本)問題10選択穴埋10瑕疵担保、救済制度
24年度(沖)問題8選択穴埋10賃貸の保証人、敷引き
23年度問題13選択穴埋10損害賠償

このページの印刷画面を開く