2020年度 問題2 消費者行政の歴史(消費者庁創設関連)(選択穴埋 )その1(一般公開)
2.次の文章の[ ]に入る最も適切な語句を、下記の語群の中から1つ選び、解答用紙の解答欄にその番号を記入(マーク)しなさい。なお、同一記号には同一語句が入る。
① 明治以来、各府省庁は縦割りの仕組みの下、所管する領域で[ ア ]を通して国民経済の発展を図り、第二次世界大戦後、日本は急速な経済発展を遂げた。この間、[ イ ]は、副次的、縦割り的に行われてきた。
しかし、2000 年代に入り、複数の府省庁にまたがる消費者問題事案に対して適切に対応することが困難な状況が発生した。そこで、これまでの行政のパラダイム(価値規範)を転換し、各府省庁の所管分野に横断的にまたがる事案に対して消費者行政の司令塔として機能する新たな組織として消費者庁が設立され、[ ウ ]の外局に位置づけられた。消費者庁の任務は、[ エ ]第3条において定められている。
② 消費者委員会は、各種の消費者問題について、自ら[ オ ]を行い、消費者行政全般に対して建議等を行っている。例えば、「レンタルオーナー制度」と称する「[ カ ]」により甚大な消費者被害が発生したこと等を受け、2019(令和元)年8月に、「いわゆる『[ カ ]』に関する消費者問題についての建議」がなされた。なお、同委員会の委員は内閣総理大臣が任命し、委員の任期は[ キ ]年である。
国民生活センターは、特殊法人として設立され、2020(令和2)年10 月1日で[ ク ]周年を迎えた。消費者基本法において、国民生活センターの役割は、「国及び地方公共団体の関係機関、[ ケ ]等と連携」し、消費生活に関する情報収集・提供、苦情相談等における「[ コ ]な機関として積極的な役割を果たすものとする」と定められている。
【語群】
1. 内閣府 2. 消費者の保護 3. 販売預託商法 4. 45 5. 教育機関 6. 事業者の保護育成 7. 2 8. 消費者庁及び消費者委員会設置法 9. 直接的 10. 調査審議 11. 消費者基本法 12. 消費者団体 13. 横断的 14. 消費者安全法 15. 内閣官房 16. 中核的 17. マルチ商法 18. 検証評価 19. 3 20. 50
解説
- 消費者庁・消費者委員会の設置と消費者委員会の役割・業務についての基本問題です。関連して、国民生活センターの役割も出題されています。
- 「ハンドブック消費者2014」が参考資料となる頻出問題です。同じ論点が繰り返し出題されます。
- ただし、中には微妙に悩む二択がありますので日本語解釈などのテクニックをフル活用しましょう。
ポイント ※基本的に毎年度同じ解説※
- 問題2と問題3で「消費者行政の歴史」についての穴埋問題が出題されています。
- 出題される分野としては、「古い消費者問題」「最近の消費者問題」「消費者庁創設関連」「重要な法律制定改正」を中心に組み合わせられています。
- 「古い消費者問題」「消費者庁創設関連」については「ハンドブック消費者2014」がテキストとなります。
- 「最近の消費者問題」では、主に不祥事や事故等の社会問題から出題されていますので、直近数年間のニュースを見ていれば常識的な比較的易しい問題になります。
語群からの選択のポイント(2問に分かれていて語群が一塊)
- 穴埋が①と②の大きく2問に分かれているにもかかわらず、語群は2問まとめて20個の選択肢があるというパターンで出題されています。
- この2問が明らかに別の分野の場合は、20個の語群もざっくり2つに分けることができますが、似通った分野だと、どちらの問題の語群かが分かりにくいことがあります。①か②かわかれば非常に解きやすくなります。それは出題される年によって異なります。
- じっくり時間をかければ、2つに分けれて、かつ、各穴埋が原則2択にまで絞ることができます。勉強段階では分けていく方法で解説しますが、本番ではそこまでの時間はないので、それを繰り返して、慣れていくことが重要です。本番では、記号を使って、ペアで見え消ししていく方法で時間を節約しながら解答していくといいでしょう。どのように選択して、見え消しして、解答していくかは、実際に問題を解きながら実践しますので、動画解説で確認してください。
- 穴埋問題は基本的に点数を稼ぐ問題ですので平均以上(=7割以上)とれるようにしましょう。
- 2択まで絞れると、一般常識で正解できることも多いです。ただし、数字になると難しいかもしれません。
- 注意したいのは、年によって、結構時間がかかる悩ましい問題が出題されることがあります。難易度的には難しくはなく8割ぐらい取れるのですが、2問目で時間を使ってしまうというプレッシャーで、得点できる問題を逃してしまうこともあります。落ち着いて解答しましょう。5分ぐらいで解きたいところですが、悩んでいると、すぐに10分ぐらい経過してしまうので、そうなった場合も、トータルで見れば、あせる必要はないと思います。見直しする必要がないように終わらせておきましょう。見直して書き換えたら間違っているパターンが多いので直感を信じましょう。
1個目2個目の穴埋が悩んで難しければ、一旦後回しにして、その後の問題文から推測しなおしたり、余った語群を見て解答するのもいいでしょう。これは、穴埋問題共通のテクニックです。
2018年度(平成30年度)試験の問題2の悲劇を忘れるな!
とにかく時間がかかる問題でした。時間さえかければ、パズルのように正解がはまっていくのですが、どの選択肢が入るのか問題文自体も読みにくく苦労した問題です。通常、穴埋10個だと5分程度で解きたいのですが、私は10分かけてかろうじて埋まったような感じですので、15分ぐらいかかった受験生もいたのではないでしょうか。結果的に飛ばして捨て問題にしてもよかったのですが、本番ではそこまで頭が回りません。何といっても点数の取りやすい穴埋問題ですから。そして、悲劇は、この問題2が2番目の問題であったことから、時間経過によるあせりがでてしまい、ペースが乱されて、最後まで影響した受験生がいたことです。この問題ばかりは私でも頭が痛く、過去の相談員試験の中でも、こんなに時間がかかる穴埋問題はなかったです。ただ、ここで例え10分余分に使っても、時間的には大丈夫ですので、冷静になってください。
難易度(A易、B普通、C難)目標:8問以上/10問中)
①ア~エ 消費者庁の創設の歴史
ア 国の政策 BC(A)
イ 国の政策 BC(A)
ウ 組織(消費者庁の国の組織での位置づけ)BC
エ 法律(消費者庁の任務)B
②(オ~コ)消費者委員会・国民生活センターの役割・業務
オ 消費者委員会の業務 B ※重要頻出語句
カ 消費者委員会の建議 BC
キ 消費者委員会の委員の任期 BC
ク 数字・国民生活センターの設立周年 BC
ケ 国民生活センターの役割(消費者基本法第25条)BC
コ 国民生活センターの役割(消費者基本法第25条)B
新試験での過去の出題状況(問題2と問題3)
2020年度試験
問題2①消費者庁の創設の歴史
問題2②消費者委員会・国民生活センターの役割・業務
問題3①消費者行政の始まり(消費者運動・公害の歴史)
問題3②消費者行政の始まり(法律の歴史)
2019年度試験
2019年度本試験
問題2①消費者庁・消費者委員会の設置
問題2②消費者委員会の役割・業務
問題3①世界消費者権利デー
問題3②SDGs(第3期消費者基本計画)
2019年度再試験
問題2①消費者安全法制定のきっかけ(消費者事故・不祥事の社会問題化)
問題2②消費者安全調査委員会(消費者安全法の改正)
問題3①消費者行政の始まり(公害の歴史)
問題3②海外の消費者行政の始まり(歴史)
平成30年度試験
問題2①景品表示法の誕生のきっかけ
問題2②景品表示法の歴史・ジュースの表示
問題3①企業不祥事・自動車・鉄鋼・2016年~2017年(平成28年~29年)
問題3②旅行業者の破綻(旅行業法)・2017年(平成29年)
平成29年度試験
問題2①消費者行政の創設期
問題2②消費者庁の創設期
問題3①企業不祥事・自動車・食品廃棄物(公益通報者保護法)
問題3②改正個人情報保護法・2017年(平成29年)5月
平成28年度試験 ※新試験1年目で出題分野が安定していないためイレギュラー
問題2①不当請求や悪質や新サービスの悪質商法・2015年(平成27年)
問題2②最近の相談傾向(高齢者の被害)
問題3 消費者を保護するための規制
問題4①国民生活センターの位置付けと業務内容
問題4②消費者委員会