2020年度 問題10 製造物責任法・消費生活用製品安全法・製品関係法(正誤×選択)その1(一般公開分)

10.次の文章のうち、下線部が2ヵ所とも正しい場合は○を、下線部のうち誤っている箇所がある場合は、誤っている箇所(1ヵ所)の記号を解答用紙の解答欄に記入(マーク)しなさい。
※誤っている箇所がある場合は、1ヵ所である。

① 製造物責任法における「製造物」とは、製造又は加工された動産のことをいう。農家が無人販売所で販売している自家製漬物は、「製造物」に㋐該当する。不動産である建物の屋根瓦は、「製造物」に㋑該当しない

② 製造物責任法上、製造業者等が、㋐当該製造物を開発した時点における科学又は技術に関する知見によっては当該製造物にその欠陥があることを認識することができなかったことを証明したときは、製品に欠陥があったとしても製造物責任を負わない。これを「開発危険の抗弁」という。この場合の判断基準となる科学又は技術に関する知見とは、当該製造物の製造業者等が㋑実際に有していた知見ではない

③ 製造物の欠陥により人の生命又は身体が侵害された場合、製造物責任法に基づく損害賠償請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び賠償義務者を知ったときから㋐5年間行使しないときは時効によって消滅する。また、製造業者が製造物を引き渡したときから㋑20年を経過したときも、同様に消滅する。

④ 消費生活用製品安全法の「長期使用製品安全点検制度」は、製造又は輸入の事業を行う者に加えて、販売事業者等や消費者等、それぞれが適切に役割を果たして経年劣化による製品事故を防止するための制度である。「特定保守製品」の㋐製造又は輸入の事業を行う者は、「特定保守製品」の設計標準使用期間と点検期間の設定その他の必要な体制の整備を行わなければならない。「特定保守製品」の㋑販売事業者には、点検期間に点検を行うことが義務づけられている。

⑤ 消費生活用製品安全法上、一酸化炭素中毒が発生した製品事故のうち、治療に要する期間が 20 日であったものは、「重大製品事故」に㋐該当する。火災が生じた製品事故のうち、一般消費者の生命又は身体に危害が発生していないものは、「重大製品事故」に㋑該当しない

⑥ 医薬品医療機器等法によれば、医薬品による副作用その他の事由によるものと思われる疾病等が生じた場合、これを知った当該医薬品の製造販売業者等は、廃棄、回収、販売の停止、㋐情報の提供その他必要な措置を講じなければならず、回収するときは、㋑回収に着手した旨及び回収の状況を厚生労働大臣に報告しなければならない。

⑦ 電気用品安全法の届出事業者は、原則として、㋐製造又は輸入する電気用品が国の定めた技術上の基準に適合するようにしなければならない。その電気用品が「特定電気用品」である場合は、原則として、㋑登録検査機関による技術基準等の適合性検査を受けなければならない。

⑧ 道路運送車両法に基づく自動車のリコール制度は、設計又は製造の過程に問題があったために安全・環境基準(保安基準)に適合していない、又は適合しなくなるおそれのある自動車について、㋐自動車の製作者等が自らの判断により㋑国土交通大臣に事前に届出を行い、対象車を回収し、改善のための修理を行い、事故・トラブルを未然に防止する制度である。

⑨ ガス事業法によれば、都市ガス用の器具のうち、ガス瞬間湯沸器、ガスストーブ、ガスバーナー付きふろがま、ガスふろバーナー、ガスこんろの5品目については、国の定めた技術上の基準に適合した旨の㋐PSTGマークがないと販売できない。このうち、㋑ガスこんろは、第三者機関の検査が義務づけられている「特定ガス用品」である。

解説

  • 出題パターンとしては28年度・29年度試験は11問、30年度試験が10問、そして前回の2019年度試験が9問、今回の2020年度試験も9問となっています。
  • 内訳は同じパターンで、製造物責任法と消費生活用製品安全法を中心に自動車のリコール制度やその他製品安全の関連問題が出題されています。
  • 消費者安全法は平成28年度(新試験1回目)で出題されたのが最後で、このくくりでは出題されず、最初の方に移動した感じです。問題数の減少もこれが要因かもしれません。
  • 旧試験のほうが問題数が多かったので、問題数の減った新試験では、あまり複雑な問題は出ておらず、定義等の頻出問題を少しひねった形で出題されています。とはいえ、条文の暗記問題もあるので、難易度は高めです。
  • 制度が大きく変わることが少ないので過去問対策が効果的です。また、改正がある場合は出題論点になることが多いです。

ポイント

  • 各法律の制度の概要
  • 定義(条文)
  • マークなどの関連する事項
  • 過去問をやればほぼほぼ同じ論点での出題

製造物責任法

  • 定義問題
  • 少ない条文なので全部目を通す
  • 過去問で同じ論点が頻出

消費生活用製品安全法

  • 定義問題
  • PSCマーク
  • 特定製品の対象品
  • 重大製品事故
  • 長期使用製品安全点検制度

電気用品安全法

  • 定義問題
  • PSEマーク
  • 長期使用製品安全表示制度

医薬品健康被害救済制度

  • 制度の概要
  • 特に医薬品副作用被害救済制度
  • 過去問で同じ論点が頻出

自動車のリコール制度

  • 過去問で同じ論点が頻出

製品安全4法

  • 「製品安全4法」とは、「消費生活用製品安全法」「電気用品安全法」「ガス事業法」「液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律(通称、液石法)」の4つの製品安全法の総称になっています。
  • 試験の重要さでいえば①「消費生活用製品安全法」②「電気用品安全法」となります。
  • 「ガス事業法」「液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律(通称、液石法」は出題されたりされなかったりマイナーな分野ですが、ポイントとして「ガス事業法」は都市ガスのこと、「液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律(通称、液石法)」はLPガスのことと考えればイメージができると思います。

2020年度 難易度(A易、B普通、C難)目標:6-7問以上/9問中

  • 問題10① 製造物責任法(定義・製造物)AB
  • 問題10② 製造物責任法(開発危険の抗弁)BC
  • 問題10③ 製造物責任法(時効)C
  • 問題10④ 消費生活用製品安全法(長期使用製品安全点検制度)AB
  • 問題10⑤ 消費生活用製品安全法(重大製品事故)B
  • 問題10⑥ 医薬品健康被害救済制度 BC ※2019年度(本試験・再試験)出題
  • 問題10⑦ 電気用品安全法(技術基準・特定電気用品)B
  • 問題10⑧ 自動車のリコール制度 AB ※超頻出論点
  • 問題10⑨ ガス事業法(マーク・特定ガス用品)B

製造物責任法(PL法)

  • 問題10① 製造物責任法(定義・製造物)AB
  • 問題10② 製造物責任法(開発危険の抗弁)BC
  • 問題10③ 製造物責任法(時効)C

消費生活用製品安全法

  • 問題10④ 消費生活用製品安全法(長期使用製品安全点検制度)AB
  • 問題10⑤ 消費生活用製品安全法(重大製品事故)B

その他

  • 問題10⑥ 医薬品健康被害救済制度 BC ※2019年度(本試験・再試験)出題
  • 問題10⑦ 電気用品安全法(技術基準・特定電気用品)B
  • 問題10⑧ 自動車のリコール制度 AB ※超頻出論点
  • 問題10⑨ ガス事業法(マーク・特定ガス用品)B

過去問(2019年度・令和元年度~2016年度・平成28年度)

分野別にまとめていますので順番が多少前後しています。

2019年度(本試験) 難易度(A易、B普通、C難)目標:6-7問以上/9問中

製造物責任法(PL法)

  • 問題9① 製造物責任法(定義・欠陥とは・第2条第2項)AB
  • 問題9② 製造物責任法(欠陥による損害賠償の適用)BC

消費生活用製品安全法

  • 問題9④ 消費生活用製品安全法(重大製品事故)AB
  • 問題9⑤ 消費生活用製品安全法(定義・対象)AB
  • 問題9⑥ 消費生活用製品安全法(長期使用製品安全点検制度)BC
  • 問題9⑨ 消費生活用製品安全法(定義・特定製品)BC

その他

  • 問題9③ 医薬品健康被害救済制度 BC
  • 問題9⑦ 電気用品安全法(定義・電気用品・特定電気用品)AB
  • 問題9⑧ 自動車のリコール制度 AB

2019年度(再試験) 難易度(A易、B普通、C難)目標:7問以上/9問中

製造物責任法(PL法)

  • 問題9① 製造物責任法(目的・第1条)AB
  • 問題9② 製造物責任法(定義・製造物・第2条第1項)AB
  • 問題9③ 製造物責任法(定義・欠陥・第2条第2項)AB

消費生活用製品安全法

  • 問題9⑥ 消費生活用製品安全法(定義・特定製品)B
  • 問題9⑦ 消費生活用製品安全法(リコール)AB

その他

  • 問題9④ 自動車アセスメント C
  • 問題9⑤ 電気用品安全法(目的・マーク・対象)B
  • 問題9⑧ ガス事業法・特定ガス用品 B
  • 問題9⑨ 医薬品医療機器等法(医薬部外品の回収報告・販売停止命令) BC

2018年度・平成30年度 難易度(A易、B普通、C難)目標:6問以上/10問中(★頻出☆重要実務)

製造物責任法(PL法)

  • 問題9① 製造物責任法(定義・製造者)AB★
  • 問題9② 製造物責任法(部品・原材料製造業者の抗弁)BC

消費生活用製品安全法

  • 問題9④ 消費生活用製品安全法(長期使用製品安全表示制度※実は電気用品安全法)BC
  • 問題9⑦ 消費生活用製品安全法(定義・製品事故)AB
  • 問題9⑧ 消費生活用製品安全法(定義・特定製品)BC★
  • 問題9⑨ 消費生活用製品安全法(重大製品事故)BC★☆

その他

  • 問題9③ 安全マーク BC★
  • 問題9⑤ 自動車のリコール制度 BC★
  • 問題9⑥ 医薬品副作用被害救済制度 BC
  • 問題9⑩ 電気用品安全法(定義・電気用品・特定電気用品)BC

平成29年度 難易度(A易、B普通、C難)目標:8問以上/11問中(★頻出☆重要実務)

製造物責任法(PL法)

  • 問題9① 製造物責任法(定義・製造物)AB★
  • 問題9② 製造物責任法(目的、定義・欠陥)AB★
  • 問題9③ 製造物責任法(開発詭弁の抗弁)AB★

消費生活用製品安全法

  • 問題9⑤ 消費生活用製品安全法(定義・目的)B
  • 問題9⑥ 消費生活用製品安全法(定義・消費生活用製品)AB
  • 問題9⑦ 消費生活用製品安全法(定義・特定製品)B
  • 問題9⑧ 消費生活用製品安全法(重大製品事故)AB
  • 問題9⑪ 消費生活用製品安全法(長期使用製品安全点検制度)BC

その他

  • 問題9④ 安全マーク B
  • 問題9⑨ 自動車のリコール制度 B
  • 問題9⑩ ガス事業法 BC

平成28年度 難易度(A易、B普通、C難)目標:6問/11問中

製造物責任法(PL法)

  • 問題10① 製造物責任法・欠陥の定義 B
  • 問題10② 製造物責任法・時効 BC
  • 問題10③ 製造物責任法・民間PLセンター AB

消費生活用製品安全法

  • 問題10⑥ 消費生活用製品安全法・基準とマーク B
  • 問題10⑦ 消費生活用製品安全法・重大製品事故の届出 AB

その他

  • 問題10⑧ JIS・子供服のひもの基準 AB
  • 問題10⑨ 自動車リコール制度 BC
  • 問題10⑩ 電気用品安全法・基準とマーク A

消費者安全法

  • 問題10④ 消費者安全法・重大事故の定義 BC
  • 問題10⑤ 消費者安全法・事故調 BC
  • 問題10⑪ 消費者安全法・重大事故の定義 BC