2021年度 問題2 消費者行政の歴史(消費者行政の始まり・消費者保護基本法・消費者基本法)(選択穴埋 )その1(一般公開)

2. 次の文章の[ ]に入る最も適切な語句を、下記の語群の中から1つ選び、解答用紙の解答欄にその番号を記入(マーク)しなさい。なお、同一記号には同一語句が入る。

① 1965(昭和40)年に、消費者行政を担当する政府の部局として、経済企画庁に[ ア ]が設置された。また、同年、消費者政策等を審議するための内閣総理大臣の[ イ ]機関として[ ウ ]が設置されるとともに、地方公共団体では、[ エ ]に我が国初の消費生活センターが設置された。

② 1968(昭和43)年に制定された消費者保護基本法においては、地方公共団体の責務が規定されたほか、翌年の地方自治法の改正で[ オ ]が地方公共団体の固有事務として規定された。各地方公共団体に消費者行政担当部局が設置され、地域の実情に応じた施策を講ずるため、都道府県・政令指定都市等で[ カ ]が順次制定された。なお、2000(平成12)年の地方自治法の改正で[ オ ]という表記はなくなったものの、引き続き「自治事務」として位置づけられている。

③ [ キ ]年に消費者保護基本法が改正され、消費者基本法として公布・施行された。消費者基本法第9条において、[ ク ]には、「長期的に講ずべき消費者政策の大綱」を定めると規定されている。現行の[ ク ]は、2020(令和2)年3月に閣議決定され、2020(令和2)年度からの[ ケ ]年間を対象とするものである。この中には、若年者等に対する消費者教育を適切に進めるため、消費者教育教材「[ コ ]」の活用を始めとして、全国での実践的な消費者教育の実施を目指すこと等が盛り込まれている。

【語群】
1. 消費者基本計画 2. 2004(平成16) 3. 5 4. 消費生活局 5. 参与 6. 国民生活向上対策審議会 7. 消費者教育の推進 8. 消費者教育推進計画 9. 諮問 10. 消費者の保護 11. 社会への扉 12. 国民生活局 13. 東京都 14. 3 15. SDGs 達成のための未来を変えるエシカル消費 16. 兵庫県 17. 消費者政策行動計画 18. 2009(平成21) 19. 消費者保護条例 20. 国民生活審議会

解説

例年、問題2・3の穴埋は2つに分けられて、おおむね5個づつになっていましたが、今回は問題2が3つに、問題3が4つに分けられていました。実は、この問題2・3の穴埋は得点しやすいのですが、古い消費者問題の長文穴埋の場合は、油断すると時間がかかってしまい、焦りにつながることがあります。今回、3つと4つに分かれて短い文章になったことで易しくなったといえます。次回がどうなるのかは分かりません。

  • 消費者行政の始まり、すなわち、「消費者保護基本法~消費者基本法~消費者庁創設」という、消費者行政の基本の流れです。組織の名称等が難しいかもしれませんが、実は過去にも出題されている問題であり、ハンドブック消費者でも最初に書かれている基本的な話です。穴埋を見るまでもなく、そらでいえるぐらいになってほしいと思います。
  • 海外の消費者問題、ケネディ大統領・フォード大統領、CIが提唱した権利については、旧試験ではそんなに出題されていなかったのですが、新試験での出題が増えています。専門相談員試験では単純暗記は好きではないのか、出題されにくいのですが、試験制度が変わったので、出題されなければならない範囲になったのかもしれません。
  • 「ハンドブック消費者2014」が参考資料となる頻出問題です。同じ論点が繰り返し出題されます。
  • ただし、中には微妙に悩む二択がありますので日本語解釈などのテクニックをフル活用しましょう。

ポイント ※基本的に毎年度同じ解説※

  • 問題2と問題3で「消費者行政の歴史」についての穴埋問題が出題されています。
  • 出題される分野としては、「古い消費者問題」「最近の消費者問題」「消費者庁創設関連」「重要な法律制定改正」を中心に組み合わせられています。
  • 「古い消費者問題」「消費者庁創設関連」については「ハンドブック消費者2014」がテキストとなります。
    【テキスト】消費者問題・消費者行政の歴史(ハンドブック消費者2014)
  • 「最近の消費者問題」では、主に不祥事や事故等の社会問題から出題されていますので、直近数年間のニュースを見ていれば常識的な比較的易しい問題になります。

語群からの選択のポイント(2問に分かれていて語群が一塊)※これまでの解説をそのまま残します。置き換えてください

  • 穴埋が①と②の大きく2問に分かれているにもかかわらず、語群は2問まとめて20個の選択肢があるというパターンで出題されています。
  • この2問が明らかに別の分野の場合は、20個の語群もざっくり2つに分けることができますが、似通った分野だと、どちらの問題の語群かが分かりにくいことがあります。①か②かわかれば非常に解きやすくなります。それは出題される年によって異なります。
  • じっくり時間をかければ、2つに分けれて、かつ、各穴埋が原則2択にまで絞ることができます。勉強段階では分けていく方法で解説しますが、本番ではそこまでの時間はないので、それを繰り返して、慣れていくことが重要です。本番では、記号を使って、ペアで見え消ししていく方法で時間を節約しながら解答していくといいでしょう。どのように選択して、見え消しして、解答していくかは、実際に問題を解きながら実践しますので、動画解説で確認してください。
  • 穴埋問題は基本的に点数を稼ぐ問題ですので平均以上(=7割以上)、可能であれば満点をとれるようにしましょう。
  • 2択まで絞れると、一般常識で正解できることも多いです。ただし、数字になると難しいかもしれません。
  • 注意したいのは、年によって、結構時間がかかる悩ましい問題が出題されることがあります。難易度的には難しくはなく8割ぐらい取れるのですが、2問目で時間を使ってしまうというプレッシャーで、得点できる問題を逃してしまうこともあります。落ち着いて解答しましょう。5分ぐらいで解きたいところですが、悩んでいると、すぐに10分ぐらい経過してしまうので、そうなった場合も、トータルで見れば、あせる必要はないと思います。見直しする必要がないように終わらせておきましょう。見直して書き換えたら間違っているパターンが多いので直感を信じましょう。

1個目2個目の穴埋が悩んで難しければ、一旦後回しにして、その後の問題文から推測しなおしたり、余った語群を見て解答するのもいいでしょう。これは、穴埋問題共通のテクニックです。

2018年度(平成30年度)試験の問題2の悲劇を忘れるな!

とにかく時間がかかる問題でした。時間さえかければ、パズルのように正解がはまっていくのですが、どの選択肢が入るのか問題文自体も読みにくく苦労した問題です。通常、穴埋10個だと5分程度で解きたいのですが、私は10分かけてかろうじて埋まったような感じですので、15分ぐらいかかった受験生もいたのではないでしょうか。結果的に飛ばして捨て問題にしてもよかったのですが、本番ではそこまで頭が回りません。何といっても点数の取りやすい穴埋問題ですから。そして、悲劇は、この問題2が2番目の問題であったことから、時間経過によるあせりがでてしまい、ペースが乱されて、最後まで影響した受験生がいたことです。この問題ばかりは私でも頭が痛く、過去の相談員試験の中でも、こんなに時間がかかる穴埋問題はなかったです。ただ、ここで例え10分余分に使っても、時間的には大丈夫ですので、冷静になってください。

難易度(A易、B普通、C難)目標:8問以上/10問中

①ア~エ 消費者行政の始まり ※定番フレーズ

ア 組織 BC
イ 組織 BC
ウ 組織 BC
エ 初の消費生活センター B ※過去問でも同じ2択

②オ・カ 消費者保護基本法

オ 地方自治体の固有事務 BC
カ 地方自治体で制定 B

③キ~コ 消費者基本法


キ 消費者保護基本法の改正年 B
ク 消費者基本法第9条 AB
ケ 年数 AB
コ 消費者教育教材 BC

新試験での過去の出題状況(問題2と問題3)

2021年度試験

問題2①消費者行政の始まり
問題2②消費者保護基本法
問題2③消費者基本法
問題3①最近の消費者問題(災害に乗じた消費者被害)
問題3②最近の消費者問題(新型コロナウイルス)
問題3③消費者ホットライン
問題3④海外の消費者問題の歴史

2020年度試験

問題2①消費者庁の創設の歴史
問題2②消費者委員会・国民生活センターの役割・業務
問題3①消費者行政の始まり(消費者運動・公害の歴史)
問題3②消費者行政の始まり(法律の歴史)

2019年度試験

2019年度本試験

問題2①消費者庁・消費者委員会の設置
問題2②消費者委員会の役割・業務
問題3①世界消費者権利デー
問題3②SDGs(第3期消費者基本計画)

2019年度再試験

問題2①消費者安全法制定のきっかけ(消費者事故・不祥事の社会問題化)
問題2②消費者安全調査委員会(消費者安全法の改正)
問題3①消費者行政の始まり(公害の歴史)
問題3②海外の消費者行政の始まり(歴史)

平成30年度試験

問題2①景品表示法の誕生のきっかけ
問題2②景品表示法の歴史・ジュースの表示
問題3①企業不祥事・自動車・鉄鋼・2016年~2017年(平成28年~29年)
問題3②旅行業者の破綻(旅行業法)・2017年(平成29年)

平成29年度試験

問題2①消費者行政の創設期
問題2②消費者庁の創設期
問題3①企業不祥事・自動車・食品廃棄物(公益通報者保護法)
問題3②改正個人情報保護法・2017年(平成29年)5月

平成28年度試験 ※新試験1年目で出題分野が安定していないためイレギュラー

問題2①不当請求や悪質や新サービスの悪質商法・2015年(平成27年)
問題2②最近の相談傾向(高齢者の被害)
問題3 消費者を保護するための規制
問題4①国民生活センターの位置付けと業務内容
問題4②消費者委員会