2021年度 問題7 住宅(正誤○×)その1(一般公開中)

7. 次の各文章が、正しければ○、誤っていれば×を解答用紙の解答欄に記入(マーク)しなさい。

① 宅地建物取引業者が、訪問販売により宅地の販売を行った場合には、特定商取引法による規制を受ける。

② 宅地建物取引業者が、個人に対して、宅地又は建物を販売する場合において、水防法に基づき作成された水害ハザードマップに当該宅地又は建物の位置が表示されているときは、契約締結前までに、そのマップにおける当該宅地又は建物の所在地を説明しなければならない。

③ 民法では、建物の賃貸借契約において、賃借人が通常の使用及び収益によって建物の損耗を生じさせた場合、原状回復義務を負わないとされている。

④ 民法によれば、建物の賃貸借契約において、賃借人の帰責事由がなくその一部が滅失その他の事由によって使用収益をすることができなくなった場合、賃料が減額されることはない。

⑤ 建築基準法は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する中位の基準を定めた法律である。

⑥ 建築基準法によれば、木造2階建てで延べ床面積等が一定の大きさ未満の小規模な建築物については、構造計算によって構造の安全性を確認する必要はない。

⑦ 「住宅の品質確保の促進等に関する法律」における「瑕疵」とは、種類又は品質に関して契約の内容に適合しない状態をいう。

⑧ 有料老人ホームの設置者は、入居者から家賃等の前払金を受領する場合において、入居した日から3ヵ月を経過する日までの間に、当該入居等の契約が解除されたときは、厚生労働省令の定めるところにより、相当額を返還する旨の契約を締結しておく必要がある。

⑨ 「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」では、賃貸住宅管理業に関する登録制度等を定めているが、賃貸住宅を第三者に転貸する事業を営むサブリース業者に対する規制等は設けられていない。

⑩ 民法によれば、住宅建築の請負契約では、注文者は、契約内容の不適合を知った時から1年以内に請負人に対してその旨を通知しなくても、建物の引渡しから10 年以内であれば、契約不適合責任を追及できる。

解説 ※例年同じ内容

  • 住宅の問題です。住宅の問題には、賃貸契約や不動産登記、高齢者住宅サービス、宅建業法、敷金、原状回復など雑多な分野があり、難問ぞろいです。
  • 相談現場では住宅関連のトラブルが少なくありません。センター単独で処理できる場合や住宅専門の相談機関が対応する場合もあります。ただし、特商法が絡まない金銭がらみのトラブル(費用の妥当性など)はセンター単独で処理するのは難しいこともあり、センターの規模にもよりますが、行政の住宅相談窓口や宅建業協会など、ほかの相談窓口を紹介することことも多いように感じます。
  • それぞれの法律や制度の仕組みをすべて覚えるのはきついです。頻出問題を除いて、何とか一般常識力で解答して、勘でもいいので、少しでも多く正解したいところです。
  • 頻出分野としては、宅建業法、原状回復義務、不動産登記の読み方(甲乙など、最近は出ていない)、瑕疵担保責任、住宅にかかわる法律、民法などです。同じような論点で出題されています。
  • 新しい制度などが出題されることもありますが、一般常識で正解できる問題も少なくありません。
  • そもそも宅建業法の問題は旧試験ではそんなに出題されていませんでした。新試験になってから、なぜか出題されるようになりました。しかも、そこそこのボリュームで。

ポイント ※例年同じ内容

  • 宅建業法まで覚えている時間や暗記力はないと思います。余裕があれば勉強すればいいのですが、結構、一般常識的に正解できる問題や原状回復などの頻出問題がありますので、過去問に出てきているところと関連問題に絞ってもいいのではと思います。
  • 旧試験では、10問の正誤×選択もしくは選択穴埋問題が出題されていました。
  • 新試験の平成28年度試験では5肢2択が3問+正誤○×2問の合計5問でした
  • 平成29年度試験では正誤○×10問で、問題数が倍増していますので、全体に占める影響が少なくありませんでした。さらに、民法がらみで問題12に建物賃貸借契約として5個の穴埋め問題が出題されています。
  • 平成29年度試験以降は正誤○×10問だけです。今後も正誤○×10問というパターンになると思われます。
  • 意外に推測やテクニックで点数を取れる問題も多いので、本番では知らない専門用語が出てきても心が折れないように取り組んでください。
  • 短い問題文ですので10問あっても5分程度で終わらせるようにしましょう。

2021年度(令和3年度) 難易度(A易、B普通、C難)目標:7問以上/10問中

  • 問題7① 宅建業法(特定商取引法の適用 )B
  • 問題7② 宅建業法(説明)C
  • 問題7③ 民法・賃貸借契約(原状回復義務)BC
  • 問題7④ 民法・賃貸借契約(賃料減額)BC
  • 問題7⑤ 建築基準法(目的)AB
  • 問題7⑥ 建築基準法(構造計算・建築確認)C
  • 問題7⑦ 住宅の品質確保の促進等に関する法律(瑕疵の定義)B
  • 問題7⑧ 有料老人ホーム(老人福祉法・費用の返還)BC
  • 問題7⑨ 賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(転貸規制)C
  • 問題7⑩ 民法・住宅の請負契約(契約不適合責任)C

過去問の分類と難易度

2020年度(令和2年度) 難易度(A易、B普通、C難)目標:7問以上/10問中

  • 問題8① 宅建業法(報酬 )BC
  • 問題8② 宅建業法(契約内容不適合の通知)C
  • 問題8③ 賃貸借契約(賃料増額請求)C
  • 問題8④ 更新料条項(最高裁判例)B ※重要頻出判例
  • 問題8⑤ 建築基準法(石綿)BC
  • 問題8⑥ 建築基準法(建築確認)BC ※過去問
  • 問題8⑦ 住宅の品質確保の促進等に関する法律(日本住宅性能基準)B
  • 問題8⑧ 有料老人ホーム(老人福祉法・費用)BC ※超頻出
  • 問題8⑨ 不動産の表示に関する公正競争規約(表示対象)AB
  • 問題8⑩ 建物の区分所有等に関する法律(滞納管理費の承継)C

2019年度(令和元年度)(本試験) 難易度(A易、B普通、C難)目標:7問以上/10問中

  • 問題7① 宅建業法( 重要事項説明義務 )BC ※テクニックを使えばA
  • 問題7② 宅建業法(クーリングオフ)AB
  • 問題7③ 住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律(住宅セーフティネット法)BC
  • 問題7④ 原状回復ガイドライン(原状回復をめぐるトラブルとガイドライン)AB
  • 問題7⑤ 建設業法(住宅リフォーム工事)BC ※一般常識で推測
  • 問題7⑥ 建築基準法(違反建築への措置)BC ※一般常識で推測
  • 問題7⑦ サブリース契約(最高裁判例)B
  • 問題7⑧ 有料老人ホーム(費用)C
  • 問題7⑨ 住宅の品質確保の促進等に関する法律(瑕疵担保責任)AB
  • 問題7⑩ 住宅の品質確保の促進等に関する法律(指定住宅紛争処理機関)C

2019年度(令和元年度)(再試験) 難易度(A易、B普通、C難)目標:7問以上/10問中

  • 問題7① 宅建業法(手付金)AB
  • 問題7② 宅建業法(重要事項説明義務)AB
  • 問題7③ 借地借家法(定期建物賃貸借契約の解約)AB
  • 問題7④ 原状回復ガイドライン(原状回復をめぐるトラブルとガイドライン)AB
  • 問題7⑤ 建築基準法(完了検査・中間検査)C
  • 問題7⑥ 建築基準法(構造基準)BC
  • 問題7⑦ 住宅の品質確保の促進等に関する法律(日本住宅性能表示基準)B
  • 問題7⑧ 老人福祉法・有料老人ホーム(費用)C
  • 問題7⑨ 請負契約(瑕疵担保責任期間)C
  • 問題7⑩ 建物の区分所有等に関する法律(マンションの管理者)BC

28年度・29年度・30年度の過去問の分類と難易度

2018年度(平成30年度) 過去問 難易度(A易、B普通、C難)目標:7問以上/10問中

  • 問題7① 宅建業法(瑕疵担保責任期間)C
  • 問題7② 宅建業法(営業保証金)BC
  • 問題7③ 建物賃貸借契約(敷金)AB
  • 問題7④ 建物賃貸借契約(借地借家法・修繕費用の負担)BC
  • 問題7⑤ 住宅瑕疵担保履行法(制度)BC
  • 問題7⑥ 建築基準法(目的の定義)AB
  • 問題7⑦ 建築基準法(建築確認)A
  • 問題7⑧ 住宅の品質確保の促進等に関する法律(性能表示)BC
  • 問題7⑨ 老人福祉法・有料老人ホーム(費用)B
  • 問題7⑩ 建築基準法(建築物の定義)AB

2017年度(平成29年度) 過去問 難易度(A易、B普通、C難)目標:6問以上/10問中

  • 問題7① 建築基準法(建築物の定義)C
  • 問題7② 宅建業法(契約解除)C
  • 問題7③ 宅建業法(再勧誘の禁止)BC☆
  • 問題7④ 不動産表示の公正競争規約(特定用語の使用)C
  • 問題7⑤ 不動産表示の公正競争規約(新築表示)C
  • 問題7⑥ 賃貸住宅標準契約書(原状回復費用)C
  • 問題7⑦ 賃貸住宅標準契約書(原状回復義務)AB★
  • 問題7⑧ サービス付き高齢者向け住宅(定義・登録)C
  • 問題7⑨ 有料老人ホーム(費用)C
  • 問題7⑩ 住宅の品質確保の促進等に関する法律(瑕疵担保責任)BC★

2016年度(平成28年度) 過去問(5肢2択※両方正解で1点)難易度(A易、B普通、C難)目標:1問/3問中

  • 問題7① 宅建業法 C
  • 問題7② 宅建業法 B
  • 問題7③ 原状回復ガイドライン AB

2016年度(平成28年度) 過去問(正誤○×)※「住宅・(旧)薬事法」8問のうちの2問

  • 問題8① 住宅・瑕疵担保責任の特約 BC
  • 問題8② 住宅・住宅の瑕疵担保責任 B

旧試験の過去の住宅問題の出題内容

下記のとおり、基本は普通の住宅の契約関係で、請負・売買、瑕疵担保、不動産登記が中心で、同じような問題が繰り返し出題されています。

勉強部屋の過去問対策をしていれば、大丈夫だと考えます。

年度問題番号種別問題数出題内容
27年度問題15選択穴埋10住宅の建築契約(請負・売買、瑕疵担保)
26年度問題15選択穴埋10不動産登記、住宅紛争審査会
25年度問題11正誤×選択10請負・売買、不動産登記、紛争処理、瑕疵担保、賃貸借契約
24年度(本)問題10選択穴埋10瑕疵担保、救済制度
24年度(沖)問題8選択穴埋10賃貸の保証人、敷引き
23年度問題13選択穴埋10損害賠償