2021年度 問題17 訴訟・景品表示法・個人情報保護法 (5肢2択)その1(一般公開中)
17. 問題①から④のそれぞれについてア~オの文章の中から、誤っている文章を2つ選んで、その記号を解答用紙の解答欄に記入(マーク)しなさい。
① 以下のア~オは、少額訴訟に関する問題である。
ア 特別の事情がある場合を除き、1回の口頭弁論期日で審理が完了する。
イ 請求の目的が金銭の支払いであるときに限り、反訴を提起することができる。
ウ 80 万円の金銭の支払いの請求を目的とする訴えについて、簡易裁判所に審理及び裁判を求めることができる。
エ 判決に対して控訴をすることはできない。
オ 被告が口頭弁論期日において弁論をした後は、被告は、訴訟を通常の手続に移行させる旨の申述をすることができない。
② 以下のア~オは、国民生活センター紛争解決委員会における重要紛争解決手続に関する問題である。
ア 和解仲介手続において当事者間に和解が成立した場合、当該和解は、確定判決と同一の効力を有する。
イ 紛争解決委員会は、和解で定められた義務について、義務者に対し、義務の履行に関する勧告をすることができる。
ウ 和解仲介手続の申請は、消費者のほか、適格消費者団体や事業者もすることができる。
エ 和解仲介手続及び仲裁手続は、非公開とされている。
オ 仲裁手続では、法令により他人の法律事務を取り扱うことを業とすることができる者でなければ、当事者の代理人となることができない。
③ 以下のア~オは、景品表示法に関する問題である。
ア 商品、容器又は包装による広告及びこれらに添付したものによる広告は、表示に該当する。
イ 優良誤認表示及び有利誤認表示に該当するには、表示をした事業者の故意又は過失が必要である。
ウ 商品の品質に関して不当表示が行われた場合、規制の対象となる事業者は、不当な表示についてその内容の決定に関与した事業者である。
エ 「著しく優良であると示す」表示に当たるか否かは、一般消費者に、「著しく優良」と認識されるか否かという観点から判断される。
オ 適格消費者団体は、事業者が優良誤認表示又は有利誤認表示を現に行っているときは当該行為の差止を請求できるが、当該行為を行うおそれがあるのみでは差止を請求できない。
④ 以下のア~オは、個人情報保護法に関する問題である。
ア 個人情報取扱事業者は、個人情報を取り扱うにあたっては、その利用目的をできる限り特定しなければならない。
イ 個人情報取扱事業者は、本人から保有個人データの開示請求を受けた場合、当該開示の実施に関し、手数料を徴収してはならない。
ウ 要配慮個人情報とは、生存する個人に関する情報のうち、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるものをいう。
エ 個人情報取扱事業者は、人の生命、身体又は財産の保護のために必要があり、本人の同意を得ることが困難である場合、本人の同意を得ずに、利用目的の達成に必要な範囲を超えて、個人情報を取り扱うことができる。
オ 個人情報保護委員会は、必要な限度において、個人情報取扱事業者等の個人情報等の取扱いに関し立入検査を行うことができるが、当該権限は、犯罪捜査のために認められたものではない。
解説とポイント
「正誤(×選択)」8問から、「5肢2択」4問に、出題形式が変更 ➡ 点数は同じ8点 ➡ 得点しやすい形式に変更
- これまで「訴訟3問3点、景品表示法3問3点、個人情報保護法2問2点」➡2021年度「訴訟2問4点、景品表示法1問2点、個人情報保護法1問2点」といなり、「5肢2択」だから2点単位になりますので、訴訟が1点分増えて、景品表示法が1点分減ったということです。
- ただし、「5肢2択」は正誤問題が5問ということになるので、短文ではありますが、問題数自体は増えていることになります。
- 前半の「5肢2択」でも解説しましたが、2個正解で1点ではなく、1個正解で1点の2点分になっています。5個のうち誤っているものを2個選択するので、明らかに「正しい」「誤っている」という問題を見つけやすいので、結果的には点数を取りやすくなっています。
- 2021年度試験は訴訟の2問が難しめでしたが、基本事項も多かったです。また、景品表示法と個人情報保護法は易しい問題だったので正解できると思います。
- なお、2022年度試験の受験要項では「5肢2択」問題の形式はなくなっているので、「5肢2択」は今回限りで、結局、もとの形式に戻ると考えられます。
【以下は昨年度の解説ですが、基本的なことは同じです】
- 旧試験では、大問題として「訴訟」「景品表示法」「個人情報保護法」がそれぞれ10問・5問・5問の20問出題されていましたが、新試験での問題数減少の影響を受けて問題数が大きく減少しています。結構重要な分野だけに、もっと出題してもいいように思いますが、表示や個人情報の問題は社会問題になっていますので、今後増える可能性ないとはいえません。
- 問題数が少なくなったということは、基本問題が中心だということですので、しっかり基本を確認しておきましょう。ただ、その基本が暗記系が多くきついところです。
- 訴訟は繰り返し同じ論点が出題されているので過去問対策がポイントです。
- 訴訟の出題分野は大きく3つ。①訴訟自体の制度のこと②一般的なADRのこと③国民生活センターの実施しているADR制度のこと。そのほか、2016年10月に施行された「消費者裁判手続特例法」も含まれます。
- 29年度は景品表示法の中に「独占禁止法」の問題も入っており、30年度はここでは出題はなかったのですが問題2の大問で出題されました。2019年度以降の出題はありませんが、独占禁止法を捨てきれるほどではないので、基本的な知識はつけておきたいところです。
- 景品表示法は、どんどん規制が強化されていっているので最新トレンドを知っておく必要があります。例えば、打消し表示への規制強化(平成29年7月報告書)や体験談・ビフォアアフタの写真に対する規制(まずは医療法から)など、これまでの試験対策を引き継いでいます。
- 個人情報保護法は改正個人情報保護法を含めた基本問題が重要ポイントとなっています。
2021年度 難易度(A易、B普通、C難)目標:6点以上/8(4×2)問中
- 問題17① 訴訟・少額訴訟 BC
- 問題17② 訴訟・国民生活センター紛争解決委員会における重要紛争解決手続 BC
- 問題17③ 景品表示法 AB
- 問題17④ 個人情報保護法 AB
過去問
2020年度 難易度(A易、B普通、C難)目標:4-5問/8問中
- 問題18① 訴訟・簡易裁判所 BC
- 問題18② 訴訟・民事調停 C
- 問題18③ 訴訟・法テラスの立替業務 BC
- 問題18④ 景品表示法・不当表示 B
- 問題18⑤ 景品表示法・行政処分 C
- 問題18⑥ 景品表示法・公正競争規約 AB
- 問題18⑦ 個人情報保護法・定義 B
- 問題18⑧ 個人情報保護法・個人情報取扱事業者 BC
2019年度(本試験) 目標:6問/8問中
- 問題18① 訴訟・取り下げ C
- 問題18② 訴訟・支払督促 C
- 問題18③ 訴訟・第1回期日 BC
- 問題18④ 景品表示法・目的 AB
- 問題18⑤ 景品表示法・課徴金制度 B
- 問題18⑥ 景品表示法・差止請求 B
- 問題18⑦ 個人情報保護法・匿名加工情報 C
- 問題18⑧ 個人情報保護法・利用目的の変更 BC
2019年度(再試験) 目標:4問/8問中
- 問題18① 訴訟・少額訴訟 AB
- 問題18② 訴訟・消費者裁判手続特例法 C
- 問題18③ 訴訟・口頭弁論 C
- 問題18④ 景品表示法・景品類の定義 BC
- 問題18⑤ 景品表示法・課徴金制度 B
- 問題18⑥ 景品表示法・差止請求 C
- 問題18⑦ 個人情報保護法・適用対象 C
- 問題18⑧ 個人情報保護法・利用目的の通知 C
2018年度(平成30年度)目標:5問/8問中
- 問題18① 訴訟・消費者裁判手続特例法 AB
- 問題18② 訴訟・訴訟手続 B
- 問題18③ 訴訟・法テラス BC
- 問題18④ 景品表示法・不実証広告規制 B
- 問題18⑤ 景品表示法・課徴金制度 B
- 問題18⑥ 景品表示法・表示規制の対象者 B
- 問題18⑦ 個人情報保護法・個人データの第三者提供 B
- 問題18⑧ 個人情報保護法・個人情報取扱事業者の義務 B
2017年度(平成29年度)目標:5問/10問中
- 29年度 問題17① 訴訟・裁判外紛争処理 BC
- 29年度 問題17② 訴訟・少額訴訟 BC
- 29年度 問題17③ 訴訟・控訴 BC
- 29年度 問題17④ 景品表示法・優良誤認 AB
- 29年度 問題17⑤ 景品表示法・不当景品類 AB
- 29年度 問題17⑥ 景品表示法(独占禁止法)・再販売価格の拘束 C
- 29年度 問題17⑦ 個人情報保護法・個人情報保護委員会 B
- 29年度 問題17⑧ 個人情報保護法・改正個人情報保護法(定義:個人情報取扱事業者) B
2016年度(平成28年度)目標:5問/10問中
- 28年度 問題19① 訴訟・国民生活センターの紛争解決委員会 C
- 28年度 問題19② 訴訟・少額訴訟 BC
- 28年度 問題19③ 訴訟・答弁書 C
- 28年度 問題19④ 景品表示法・不当表示 AB
- 28年度 問題19⑤ 景品表示法・不当景品類 AB
- 28年度 問題19⑥ 景品表示法・課徴金制度 C
- 28年度 問題19⑦ 個人情報保護法・個人情報の定義 AB
- 28年度 問題19⑧ 個人情報保護法・利用目的 C