2022年度 問題2 消費者行政施策・相談統計(正誤○×)その1(一般公開)

2. 次の各文章が、正しければ○、誤っていれば×を解答用紙の解答欄に記入(マーク)しなさい。

① 消費者庁と消費者委員会は、2009(平成21)年に、消費者庁及び消費者委員会設置法に基づき設置された。

② 国は、国の重要消費者政策等に取り組む地方公共団体を支援するための強化事業については、地方消費者行政強化交付金を交付しているが、その交付率は、原則として、当該事業に必要な経費の10 割とされている。

③ 第4期消費者基本計画において重点的な施策の一つとされる消費者教育の推進等に関し、2021(令和3)年度の「地方消費者行政の現況調査」によれば、2020(令和2)年度において、講習等(出前講座を含む)を実施している都道府県は、全体の約8割である。

④ 越境消費者センターは、海外の事業者との間での取引でトラブルにあった消費者のための相談窓口であり、国民生活センターが運営している。

⑤ 2022(令和4)年度消費者月間の統一テーマは、「考えよう!大人になるとできること、気を付けること~18 歳から大人に~」であった。

⑥ 日本司法支援センター(法テラス)では、架空請求等の消費者被害、債務整理のほか、離婚に伴う慰謝料請求や、未払賃金の請求に関する問い合わせ等も受け付けている。

⑦ 製品評価技術基盤機構(NITE)は、消費者安全法に基づき、重大製品事故について製品事故を調査・分析している。

⑧ 事故情報データバンクは、行政機関や地方公共団体等が保有する生命・身体被害に関する消費生活上の事故情報を蓄積するデータベースであり、ウェブサイト上で公開され、誰でも検索・閲覧することができる。

⑨ 国際標準化機構が発行するISO9001 は、製品やサービスの品質マネジメントシステムに関する規格である。

⑩ コーデックス委員会は、経済協力開発機構(OECD)と世界貿易機関(WTO)が設立した、情報セキュリティ対策の国際基準(コーデックス基準)を作る政府間組織である。

⑪ 国際消費者機構は、8つの「消費者の権利」及び5つの「消費者の責任」を提唱した。

⑫ 「令和4年版消費者白書」によれば、2021(令和3)年度に、消費者安全法に基づき消費者庁に通知された消費者事故等のうち、「生命身体事故等」と「財産事案」の件数を比べると、「生命身体事故等」の通知件数の方が多い。

⑬ 「令和4年版消費者白書」によれば、PIO-NET に登録された2021(令和3)年の消費生活相談件数は、前年よりも減少したが、そのうち「架空請求」に関する相談件数は、前年よりも増加した。

⑭ 「令和4年版消費者白書」によれば、PIO-NET に登録された消費生活相談において、SNS をきっかけとした消費生活相談件数は、2017(平成29)年以降、増加傾向にあり、年齢層別では20 歳代が最も多い。

解説 問題1を参照(問題1・問題2の両分野を一体化して考えるといいです)

  • これまでの問題1ではいろんな分野の問題が入り混じっていましたが、2022年度試験では、消費者基本法・消費者教育・消費者安全法の3分野がまとめられましたので整理しやすくなっています。
  • 問題2では、これまでの問題1の雑多な問題と消費者行政施策や5肢2択問題にあった相談統計が集められて、問題数が14とボリュームが増えています。
  • ちなみに問題3は穴埋め問題になっていますが、これまでの消費者行政の歴史の名残が残った穴埋め問題のように感じます。穴埋めの数も2個と4個の合計6個となっていますので重要度が下がってきたのではないかと思います。消費者行政の歴史については学習範囲が広いのでそこそこ勉強しておく必要はあります。

出題分野と内容および傾向や難易度

  • 消費者行政の基本となる法律・行政施策・組織についての正誤○×単発問題が、問題1と問題2に出題されています。
  • 問題1に法律がまとめられました。法律は条文からの出題が多く、暗記問題でもあります。出題される問題は重要なポイントばかりですが、少し細かいところもあったりして、暗記をしていても正解しにくい問題もあります。
  • 出題される問題は、消費者基本法、消費者安全法(消費生活センター・消費者安全確保地域協議会について)、消費者教育などで、消費者行政の重要施策(消費者基本計画)、消費者庁創設に関連する法律、国民生活センターの業務や差止め請求の消費者団体に関することも出題されます。行政施策問題では最新の行政施策が出題されるので、なかなか事前対策は難しいかもしれませんが、一般常識で正解できる問題も多いです。なお、5肢2択問題で出題されていた相談統計問題が問題2に移動しています。
  • なお、消費者行政と関連法の問題は、繰り返し同じような論点が出題されます。前年と同じ論点が連続で出題されることもあるので、過去問はしっかり押さえておいてください。

出題分野および関連法令

  • 消費者基本法・・・基本的施策(条文タイトル)、目的、理念、条文、消費者基本計画、事業者の責務、消費者の責務
  • 消費者安全法・・・消費者事故(重大事故)、消費生活センター(組織・設置義務)、消費者安全確保地域協議会(見守り活動=見守りネットワーク)、消費者安全調査委員会(事故調)
  • 消費者教育・・・消費者教育推進法、高等学校学習指導要領の改訂、SDGs、食品ロス、エシカル消費
  • 消費者施策・・・消費者基本計画、地方消費者行政強化作戦、自治事務、その他時代に合わせた施策(若年者や高齢者など)、消費者月間の統一テーマ
  • 消費者庁・消費者委員会・・・設置法、組織、役割、所管法令 
  • 国民生活センターの業務・・・消費者庁との連携、国民生活センターの内部の事業、消費者向けの事業、相談員向けの事業、PIO-NET、情報収集システム(事故情報データバンクシステム・医療機関ネットワーク事業)、国民生活センター法(消費者裁判手続特例法関係)、越境消費者センター(CCJ)、訪日観光客消費者ホットライン、
  • 地方消費者行政の現況調査(2020年度・2021年度・2022年度)
  • 消費者団体訴訟制度・・・消費者契約法により差止請求(適格消費者団体等の位置づけや役割)、消費者裁判手続特例法による被害回復(特定適格消費者団体)。差止請求は景品表示法、特定商取引法、食品表示法でも追加で対象となった。メインの消費者契約法でも出題される。

勉強方法とポイント ※問題1・2・3の消費者行政と関連法・消費者行政施策・消費者行政の歴史を合わせて学習※

  • 消費者庁(https://www.caa.go.jp)国民生活センター(http://www.kokusen.go.jp)のホームページの法律や施策の最初の概要の説明文
  • 消費者基本法・消費者安全法・消費者教育推進法の条文
  • 消費者行政に関する最近のトピックス(消費者庁のホームページで項目立てしているトピックス・報道されるようなトピックス)
  • 過去問で繰り返し同じ論点で出題されている

消費者基本法と消費者安全法などの条文の問題は、参考書よりも、条文そのものを確認するほうが早いです。ポイントとしては、過去問でどのように出題されたかを確認します。余裕があれば、旧試験までさかのぼって確認してください。同じような問題が繰り返し出題されていることがわかると思います。

重要参考書「ハンドブック消費者2014(消費者庁発行)」 ※全文消費者庁のホームページから閲覧できます。

  • 今となっては古くなりましたが、ほかの法律や消費者行政の歴史も含めてコンパクトにまとまっているので、2009年に消費者庁が創設されるまでと初期の施策についての全体像を学ぶのに適しています。私は非常に重宝しています。早く改訂版が出てほしいなあと思っているのですが、書籍として手元に置いておきたいです。
  • 一番参考になる「我が国の消費者政策」が更新されていますのでぜひ確認してください「2020年12月公表」

消費者庁ホーム > 政策 > 政策一覧(消費者庁のしごと) > 調査研究・国際的取組 > 調査・報告書等 > ハンドブック消費者
ハンドブック消費者

「ハンドブック消費者」は、消費生活に関する各種法令・制度の解説に重点を置きつつ、消費者政策の状況、関係機関の活動状況等について、最新の情報を基に、その概況を幅広く収録したものであり、消費者行政関係者や一般の消費者がそれらについての理解を深めていただくことにより、消費者トラブルの未然防止・拡大防止につなげることを目的として作成しています。

※「ハンドブック消費者2014」の一部を改訂した資料(我が国の消費者政策)を、消費者教育ポータルサイト上に掲載しております。
消費者教育ポータルサイト:消費者教育関連情報
消費者政策・消費者問題の歴史

2014年版
ハンドブック消費者2014(全文)[PDF:13MB]
各章
表紙・凡例・目次[PDF:1,803KB]
I我が国の消費者政策[PDF:4,869KB]
II-«i»各種商品・サービス別の消費者政策[PDF:4,397KB]
II-«ii»取引全般に関する消費者政策[PDF:1,779KB]
II-«iii»消費者の権利の尊重と消費者の自立の支援[PDF:2,098KB]
II-«iv»公正かつ自由な競争の促進[PDF:1,330KB]
II-«v»物価・公共料金[PDF:1,478KB]
II-«vi»経済社会の発展等の環境変化への対応[PDF:2,702KB]
参考資料[PDF:4,699KB]
索引[PDF:879KB]

https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_research/research_report/handbook/

アマゾンの中古は高いので、楽天等の中古などを探すしかないようですが、入手は難しいかもしれません。全ページをPDFでダウンロードできるので無理して大金を支払う必要はありません。

【テキスト】消費者問題・消費者行政の歴史(ハンドブック消費者2014)動画解説あり

問題1「消費者行政と関連法」・問題2「消費者行政の歴史」の学習用

【テキスト・動画解説】消費者行政の歴史(ハンドブック消費者2014)(48分35秒)(2020/10/06)

(参考)2022年度 問題1 ※新試験7年目 難易度(A易、B普通、C難)目標:7-8問以上/10問中

  • 問題1① 消費者基本法(基本理念・第1条・目的)A ※超基本問題
  • 問題1② 消費者基本法(第5条・事業者の責務)AB ※超頻出論点
  • 問題1③ 消費者基本法(第27条・消費者政策会議・消費者基本計画案の策定)C
  • 問題1④ 消費者教育(消費者教育推進法第9条・基本方針)C
  • 問題1⑤ 消費者教育(改定高等学校学習指導要領)AB ※過去問頻出
  • 問題1⑥ 消費者教育(若年者に対する消費者教育の施策)BC ※一般常識で対応
  • 問題1⑦ 消費者安全法(第2条第6項・重大事故の定義)B
  • 問題1⑧ 消費者安全法(第10条・消費生活センターの設置基準)AB
  • 問題1⑨ 消費者安全法(消費者安全確保地域協議会・個人情報の提供)BC
  • 問題1⑩ 消費者安全法(消費者安全調査委員会・被害回復請求)B

2022年度 問題2 ※新試験7年目 難易度(A易、B普通、C難)目標:10-11問以上/14問中

  • 問題2① 消費者庁と消費者委員会 AB
  • 問題2② 地方消費者行政強化交付金 BC
  • 問題2③ 地方消費者行政の現況調査(講習等の実施割合)BC 
  • 問題2④ 越境消費者センター(CCJ)B ※頻出
  • 問題2⑤ 2022(令和4)年度消費者月間の統一テーマ BC
  • 問題2⑥ 日本司法支援センター(法テラス)の業務内容 BC
  • 問題2⑦ 製品評価技術基盤機構(NITE)の業務内容 BC
  • 問題2⑧ 事故情報データバンク BC
  • 問題2⑨ ISO9001 C
  • 問題2⑩ コーデックス委員会 BC
  • 問題2⑪ 国際消費者機構の消費者の権利と責任 AB
  • 問題2⑫ 【相談統計】消費者事故等 BC
  • 問題2⑬ 【相談統計】全体の相談件数と架空請求の相談件数 B
  • 問題2⑭ 【相談統計】SNS をきっかけとした消費生活相談件数 B

問題2では単純に用語の説明という問題が多いです。どちらかというと消費生活アドバイザー試験に出題されるような問題であり、消費生活専門相談員試験ではこのような単純な暗記問題っていうのはあまり出ていなかったのですが、新試験になってからちょくちょく出題されるようになりました。知っていれば簡単ですけども知らなかったら難しいという暗記問題になるので、暗記力が低下した脳には厳しいですよね

過去問

【過去問】消費者行政施策(2021年度試験までは問題1➡問題2へ)

2021年度 ※新試験6年目
問題1⑤ 越境消費者センター(CCJ)B
問題1⑥ 地方消費者行政の現況調査(消費生活センター数と消費生活相談員数) C ※予想外

2020年度 ※新試験5年目
問題1④ 消費者施策(地方消費者行政強化作戦 2020・自治事務)BC ※一般常識で対応可能
問題1⑤ 消費者団体訴訟制度(消費者契約法・差止請求)B ※ひっかけ
問題1⑥ 国民生活センター・訪日観光客消費者ホットライン B ※2019年度に出題
問題1⑦ 地方消費者行政の現況調査(相談窓口の設置と相談員の資格保有) B ※一般常識で対応可能

2019年度(本試験) ※新試験4年目
問題1④ 自治事務 BC ※24年度論文試験指定語句
問題1⑤ 国民生活センター越境消費者センター(CCJ) A
問題1⑥ 事故情報データバンクシステム AB

2019年度(再試験) ※新試験4年目
問題1④ 国民生活センター・訪日観光客消費者ホットライン BC
問題1⑤ 消費者委員会の業務 BC ※頻出
問題1⑥ 医療機関ネットワーク事業 B

2018年度(平成30年度)試験 ※新試験3年目
問題1④ 消費者行政新未来創造オフィス(徳島県)AB ※トピックス
問題1⑤ 地方消費者行政強化作戦  AB ※平成28年度開始の重要消費者施策
問題1⑥ 国民生活センター法の改正(消費者裁判手続特例法での担保金の援助)AB ※法律改正論点

2017年度(平成29年度)試験 ※新試験2年目
問題1④ 消費者庁の所管法律 B★
問題1⑤ 消費者委員会の事務(消費者教育) BC
問題1⑥ 国民生活センター(PIO-NET) A☆

2016年度(平成28年度)試験 ※新試験1年目
問題1④ 消費者庁の所管法律 BC
問題1⑥ ケネディ大統領の4つの権利 A
問題1⑦ 公益通報者保護法 B
問題1⑧ 国民生活センター越境消費者センター(CCJ) A

【過去問】相談統計(2021年度試験までは問題4の5肢2択➡問題2へ)

2021年度 ※新試験6年目
問題4⑤ PIO-NET相談統計(2020年・令和2年の相談統計・令和3年6月公表分・令和3年版消費者白書)AB
ア 年齢3区分の相談割合 A
イ 販売購入形態別相談件数 A
ウ 架空請求に関する相談件数 BC
エ 「ネガティブ・オプション」に関する相談件数 BC
オ 定期購入の相談傾向 AB

2020年度 ※新試験5年目
問題4⑤ PIO-NET相談統計(2019年・令和元年の相談統計・令和2年8月公表分・令和2年版消費者白書)AB
ア 定期購入の相談傾向 B
イ SNS関連の相談件数の20歳代までの相談割合 BC
ウ キャッシュレス決済の相談件数の増減 AB
エ 相談件数 AB
オ 年齢3区分の相談割合 AB

2019年度(本試験) ※新試験4年目
問題4⑤ PIO-NET相談統計(2017年・平成29年の相談統計・30年8月公表分) AB
ア 相談件数 AB ※基本事項として「約100万件」と覚えておく
イ 65 歳以上の高齢者の販売購入形態別相談割合 BC
ウ 販売購入形態別の割合 B
エ 架空請求の相談件数の傾向 A
オ 仮想通貨の相談傾向 B

2019年度(再試験) ※新試験4年目
問題4⑤ PIO-NET相談統計(2017年・平成29年の相談統計・30年8月公表分) AB
ア 「原野商法」の二次被害の相談傾向 BC
イ 販売購入形態別相談件数 BC
ウ 契約当事者の年代別相談件数 B
エ PIO-NETの情報収集 A
オ 架空請求の相談傾向 AB

2018年度(平成30年度)試験 ※新試験3年目
問題4⑤ PIO-NET相談統計(2016年・平成28年の相談統計・29年8月公表分) AB ※一般常識で対応可能
ア 商品・サービス別(2016年)
イ 販売購入形態別(2016年)
ウ 定期購入(2016年)
エ 架空請求(2011~2016年)
オ 契約当事者(2016年)

2017年度(平成29年度)試験 ※新試験2年目
問題16 携帯電話サービス・インターネット(相談統計27年度PIO-NET)(選択穴埋)

2016年度(平成28年度)試験 ※新試験1年目
問題2 相談統計(選択穴埋)

択一試験・一般公開分(YOUTUBE)問題2~問題20 ※冒頭数分のサンプル※

【動画解説】2021年度-問題2「消費者施策・相談統計」(一般公開サンプル)