2023年度 問題13 特定商取引法(正誤×選択)その1(一般公開)

13.次の文章のうち、下線部が2ヵ所とも正しい場合は○を、下線部のうち誤っている箇所がある場合は、誤っている箇所(1ヵ所)の記号を解答用紙の解答欄に記入(マーク)しなさい。
※誤っている箇所がある場合は、1ヵ所である。
※以下は、特定商取引法に関する問題である。

① 事業者が消費者の自宅を訪問して商品の勧誘を行い、その場で売買契約について合意し、事業者が自ら持参したタブレットで契約手続きを済ませたときは、㋐通信販売に該当し、㋑訪問販売に該当する

② 訪問販売による売買契約締結の勧誘の際に、販売業者から商品の性能について不実告知がなされ、消費者がそれを信じて契約した場合、特定商取引法に基づく契約の取消しをすることが㋐できる。訪問購入による売買契約締結の勧誘の際に、購入業者から物品の性能について不実告知がなされ、消費者がそれを信じて契約した場合、特定商取引法に基づく契約の取消しをすることが㋑できる

③ 事業者から送られてきたはがきに、当該事業者に電話をすれば化粧品のサンプルがもらえると書いてあったので、電話をしたところ、その電話で美顔器の購入を勧誘され契約した場合、電話勧誘販売に㋐該当する。消費者が、新聞に載っていた化粧品の広告を見て事業者に電話をし、その電話で当該化粧品の売買契約をした場合、電話勧誘販売に㋑該当する

④ 事業者が、消費者の留守中に、「購入しない場合は14 日以内に返送してください」と記載したメモと一緒に商品を置いていった場合、消費者は当該事業者にその商品を返還する㋐義務はない。実際には売買契約をしていないのに、売買契約が成立していると偽って、事業者が消費者に対して商品を送付した場合、消費者はその商品を返還する㋑義務はない

⑤ 特定継続的役務提供は、役務ごとに政令でその適用対象となるための役務提供期間と金額が定められている。有効期限のないチケット制のエステティックは、政令で定める期間を㋐原則として超えるものとして扱われる。政令で定める金額には、語学教室等の入学金や入会金が㋑含まれる

解説・ポイント

  • 特定商取引法の正誤×選択です。新試験になってから正誤×選択は出題されていませんでしたが、30年度試験から出題されるようになりました。5問だけとはいえ難易度が上がる問題形式と考えてもいいですし、なかなか手ごわいです。
  • 新試験になってからの出題形式が毎年コロコロ変わっています。29年度は単純正誤18問でしたが、30年度は単純正誤11問と正誤×選択5問の合計16問で、正誤×選択が復活したことで難易度が上がりました。2019年度以降も同じ問題数が続いています。悩ましい問題が多いのですが、丁寧に考えれば得点できますので油断せずに頑張りましょう。2022年度は5肢2択がなくなった分が、正誤○×問題と正誤×選択問題に1問づつ振り分けられ、トータルでは18問と変わっていません。そして、全体の問題数が減少した2023年度試験では、それぞれの問題数が少し減少して、正誤○×問題10問と正誤×選択問題5問の合計15問となりました(妥当な問題数かな)
  • 以前の正誤○×問題は定義に該当するかどうかという問題が中心でしたが、今はそうではなくバランスよく出題されています。また、正誤×選択問題では具体的な事例をもとに出題され実務的であり想像もできますし、手ごわい問題もあります。
  • ほとんどの問題の論点は逐条解説にありますので、できるだけ引用しています。
  • さらに、法律改正論点も出題されています。

出題パターンのまとめ

  • (新試験8年目)2023年度⇒単純正誤10問(2問減少)+正誤×選択5問(1問減少)=合計15問(3問減少・15点分)※全体の問題数の減少による影響
  • (新試験7年目)2022年度⇒単純正誤12問(1問増加)+正誤×選択6問(1問増加)+5肢2択なくなる(1問・2点分の現象)=合計18問(18点分)※トータルの点数では変わらない
  • (新試験4年目以降)2019年度以降⇒単純正誤11問+正誤×選択5問+5肢2択1問(2点分)=合計17問(18点分)
  • (新試験3年目)30年度⇒単純正誤11問+正誤×選択5問+5肢2択1問(2点分)=合計17問(18点分)
  • (新試験2年目)29年度⇒単純正誤のみ18問
  • (新試験1年目)28年度⇒単純正誤11問+5肢2択2問=合計13問
  • (旧試験)27年度⇒正誤×選択15問

2023年度 難易度(A易、B普通、C難)目標:3問以上/5問中

  • 問題13① 取引類型に該当するか(通信販売・訪問販売)BC
  • 問題13② 不実告知の取消し(訪問販売・訪問購入)C
  • 問題13③ 電話勧誘販売・定義 BC ※令和5年6月1日改正
  • 問題13④ ネガティブオプション(送り付け商法)・保管期間 AB ※令和3年法律改正
  • 問題13⑤ 特定継続的役務・定義(期間・金額) BC

過去問

2022年度 難易度(A易、B普通、C難)目標:3-4問以上/6問中

  • 問題13① 訪問販売・クーリングオフの効果 A
  • 問題13② 特定継続的役務・連鎖販売 適用除外 C
  • 問題13③ 電話勧誘販売・定義 B
  • 問題13④ 通信販売・適用除外 C
  • 問題13⑤ 特定継続的役務・定義 AB
  • 問題13⑥ 連鎖販売・中途解約 C

2021年度 難易度(A易、B普通、C難)目標:3問以上/5問中

  • 問題14① 訪問販売・クーリングオフできるか BC
  • 問題14② 電話勧誘販売・過量販売・指示・刑事罰 C
  • 問題14③ 通信販売・電子メール広告規制 BC
  • 問題14④ 特定継続的役務 ・中途解約・違約金 BC
  • 問題14⑤ 訪問販売・業務停止処分・役員 A

2020年度 難易度(A易、B普通、C難)目標:3問以上/5問中

  • 問題16① 訪問販売・定義・該当するか BC
  • 問題16② 電話勧誘販売・定義・該当するか B
  • 問題16③ 連鎖販売・中途解約 C ※難問
  • 問題16④ 特定継続的役務 ・取消しの時効 BC ※平成28年改正論点
  • 問題16⑤ 訪問販売・禁止行為 A

2019年度(本試験)難易度(A易、B普通、C難)目標:3問以上/5問中

  • 問題15① 訪問販売・業務停止命令 BC ※28年改正論点
  • 問題15② 電話勧誘販売・再勧誘の禁止 B
  • 問題15③ 通信販売・定期購入 B ※平成28年改正論点
  • 問題15④ 業務提供誘引販売 ・定義 BC
  • 問題15⑤ 訪問購入・クーリングオフ・適用除外品 BC

2019年度(再試験)難易度(A易、B普通、C難)目標:3問以上/5問中

  • 問題15① 訪問販売・クーリングオフ AB
  • 問題15② 電話勧誘販売・再勧誘の禁止 C
  • 問題15③ 連鎖販売・定義 BC
  • 問題15④ 連鎖販売 ・定義 C ※これは推測も当たらず難しい
  • 問題15⑤ 業務提供誘引販売・クーリングオフ・取消し BC

2018年度(平成30年度)難易度(A易、B普通、C難)目標:3問以上/5問中(★頻出☆重要実務)

  • 問題15① 訪問販売・不実告知 AB 
  • 問題14② 通信販売・ファクシミリ広告 AB ※28年改正論点
  • 問題14③ 連鎖販売・クーリングオフ BC
  • 問題14④ 業務提供誘引販売 ・取消権の時効 BC ★
  • 問題14⑤ 訪問購入・不招請勧誘 AB