1.次の各文章が、正しければ○、誤っていれば×を解答用紙の解答欄にマークしなさい。

① 消費者基本法では、消費生活における安全の確保や消費者契約の適正化は主として国が、計量や規格の適正化は主として地方公共団体が、その施策を講ずるものとされている。

② 消費者基本法では、事業者は、消費者との間に生じた苦情を適切かつ迅速に処理するために必要な体制の整備等に努め、当該苦情を適切に処理する責務を有すると定められている。

③ 政府が閣議決定した現在の「消費者教育の推進に関する基本的な方針」によると、消費生活センターは、消費生活相談を受けることで、個別の消費者被害を救済するだけでなく、最新の消費生活に関する情報等を有しており、地域における消費者教育の推進拠点として適当であるとされている。

④ 消費者教育推進法に基づく消費者教育推進地域協議会は、2024(令和6)年4月現在、1県を除く46 都道府県で設置されている。

問題1① 消費者基本法(第11条~第14条・基本的施策)B

① 消費者基本法では、消費生活における安全の確保や消費者契約の適正化は主として国が、計量や規格の適正化は主として地方公共団体が、その施策を講ずるものとされている。

  • 消費者基本法の中では第2章に基本的施策が第11条から第23条まで列挙されています。列挙されている条文の( )の項目については一通り読んで、なんとなく記憶に残しておいてくださいとしています。
  • 消費者基本法という消費者施策の元になる法律ですので、基本的には国がすべきことが列挙されています。問題文に挙げられている前半2個の「消費生活における安全の確保や消費者契約の適正化」だけでなく後半2個の「計量や規格の適正化」についても、大きな枠の中で講ずべきことになるので、国がすべき施策となることは、常識的に考えてわかると思います。
  • 【追加ポイント】基本的施策の内、第19条の(苦情処理及び紛争解決の促進)と第十七条の(啓発活動及び教育の推進)に、地方公共団体が出てきます。第19条は地方公共団体がなぜ消費生活相談窓口を設置して消費者から無料で相談を受けるのかという理由で定められている条文であり、論文対策にも面接対策にも重要な条文であることはこれまでにも強調してきたことになります。

したがって、①は×(誤っている文章)となります。

消費者基本法
第二章 基本的施策
安全の確保
第十一条 国は、国民の消費生活における安全を確保するため、商品及び役務についての必要な基準の整備及び確保、安全を害するおそれがある商品の事業者による回収の促進、安全を害するおそれがある商品及び役務に関する情報の収集及び提供等必要な施策を講ずるものとする。
消費者契約の適正化等)
第十二条 国は、消費者と事業者との間の適正な取引を確保するため、消費者との間の契約の締結に際しての事業者による情報提供及び勧誘の適正化、公正な契約条項の確保等必要な施策を講ずるものとする。
計量の適正化
第十三条 国は、消費者が事業者との間の取引に際し計量につき不利益をこうむることがないようにするため、商品及び役務について適正な計量の実施の確保を図るために必要な施策を講ずるものとする。
規格の適正化
第十四条 国は、商品の品質の改善及び国民の消費生活の合理化に寄与するため、商品及び役務について、適正な規格を整備し、その普及を図る等必要な施策を講ずるものとする。
2 前項の規定による規格の整備は、技術の進歩、消費生活の向上等に応じて行なうものとする。

(広告その他の表示の適正化等)第十五条
(公正自由な競争の促進等)第十六条
(啓発活動及び教育の推進)第十七条
(意見の反映及び透明性の確保)第十八条
(苦情処理及び紛争解決の促進)第十九条
(高度情報通信社会の進展への的確な対応)第二十条
(国際的な連携の確保)第二十一条
(環境の保全への配慮)第二十二条
(試験、検査等の施設の整備等)第二十三条

(苦情処理及び紛争解決の促進)
第十九条
 地方公共団体は、商品及び役務に関し事業者と消費者との間に生じた苦情が専門的知見に基づいて適切かつ迅速に処理されるようにするため、苦情の処理のあつせん等に努めなければならない。この場合において、都道府県は、市町村(特別区を含む。)との連携を図りつつ、主として高度の専門性又は広域の見地への配慮を必要とする苦情の処理のあつせん等を行うものとするとともに、多様な苦情に柔軟かつ弾力的に対応するよう努めなければならない。
2 国及び都道府県は、商品及び役務に関し事業者と消費者との間に生じた苦情が専門的知見に基づいて適切かつ迅速に処理されるようにするため、人材の確保及び資質の向上その他の必要な施策(都道府県にあつては、前項に規定するものを除く。)を講ずるよう努めなければならない。
3 国及び都道府県は、商品及び役務に関し事業者と消費者との間に生じた紛争が専門的知見に基づいて適切かつ迅速に解決されるようにするために必要な施策を講ずるよう努めなければならない。
(啓発活動及び教育の推進)
第十七条 国は、消費者の自立を支援するため、消費生活に関する知識の普及及び情報の提供等消費者に対する啓発活動を推進するとともに、消費者が生涯にわたつて消費生活について学習する機会があまねく求められている状況にかんがみ、学校、地域、家庭、職域その他の様々な場を通じて消費生活に関する教育を充実する等必要な施策を講ずるものとする。
2 地方公共団体は、前項の国の施策に準じて、当該地域の社会的、経済的状況に応じた施策を講ずるよう努めなければならない。

問題1② 消費者基本法(第5条・事業者の責務)AB ※頻出論点

② 消費者基本法では、事業者は、消費者との間に生じた苦情を適切かつ迅速に処理するために必要な体制の整備等に努め、当該苦情を適切に処理する責務を有すると定められている。

  • 事業者の責務については頻出問題になっています。読んでみても当たり前なことが書かれているので正しいということは判断できると思います。
  • なお、消費者基本法には事業者の責務だけではなく、第3条に「国の責務」(義務)、第4条に「地方公共団体の責務」(義務)が規定されており、第5条から第8条までを「事業者の責務等」として、第5条に「事業者の責務」(義務と努力義務)、第6条に「消費者団体の責務」(努力義務)、第7条に「消費者の責務」(努力義務)、第8条に「消費者団体の責務」(努力義務)としてまとめらています。それらについても頻出問題になっています。
  • 責務とはいっても、「義務」と「努力義務」があり、微妙に言い回しが違っているので条文を確認しておいてください。なお、正確には「責務」となっており、「義務」とほぼ同じように考えたらいいですが、「義務」の場合は法的拘束力が強く私人(個人や企業)が対象となる(罰則等がある)のに対して、「責務」は「社会的な責任」というイメージで国・地方公共団体・事業者などが対象になります。

したがって、②は〇(正しい文章)となります。

(事業者の責務等)
第五条 事業者は、第二条の消費者の権利の尊重及びその自立の支援その他の基本理念にかんがみ、その供給する商品及び役務について、次に掲げる責務を有する。
一 消費者の安全及び消費者との取引における公正を確保すること。
二 消費者に対し必要な情報を明確かつ平易に提供すること。
三 消費者との取引に際して、消費者の知識、経験及び財産の状況等に配慮すること。
四 消費者との間に生じた苦情を適切かつ迅速に処理するために必要な体制の整備等に努め、当該苦情を適切に処理すること。
五 国又は地方公共団体が実施する消費者政策に協力すること。
2 事業者は、その供給する商品及び役務に関し環境の保全に配慮するとともに、当該商品及び役務について品質等を向上させ、その事業活動に関し自らが遵守すべき基準を作成すること等により消費者の信頼を確保するよう努めなければならない。

(国の責務)
第三条 国は、
(地方公共団体の責務)
第四条 地方公共団体は、
(事業者の責務等)
第五条 事業者は、
第六条 事業者団体は、
第七条 消費者は、
第八条 消費者団体は、

問題1③ 消費者教育(基本方針・消費生活センターの役割)AB

③ 政府が閣議決定した現在の「消費者教育の推進に関する基本的な方針」によると、消費生活センターは、消費生活相談を受けることで、個別の消費者被害を救済するだけでなく、最新の消費生活に関する情報等を有しており、地域における消費者教育の推進拠点として適当であるとされている。

  • 2024年度に続き、消費者教育に関する問題で「基本方針」から出題されるという難しい問題になります。まず、基本方針自体ほとんどの受験生はあまり目を通すことはないと思います。長いですからね。このような基本方針の問題は一般常識で考えるというのが対策になります。
  • 本文は長いですが概要というのが1枚ものにまとめられていますので、それをチェックしておくといいかもしれませんが、なかなかしんどいのでどちらでもいいかなと思います。
  • 2024年度は「消費者市民社会」についての問題でしたが、2025年度は「消費生活センターの役割」についての問題にになります。
  • 当然、消費生活センターがするべき内容が書かれているので、基本指針を知らなくても、正しいと判断できると思います。

したがって、③は〇(正しい文章)となります。

消費者教育の推進に関する基本的な方針 本文
平成25年6月28日閣議決定(平成30年3月20日変更)(令和5年3月28日変更)

Ⅲ消費者教育の推進の内容に関する事項
「Ⅱ 消費者教育の推進の基本的な方向」を踏まえ、以下の施策に取り組む。
1 様々な場における消費者教育の推進
(2)地域社会
(消費生活センター等における消費者教育の推進・拠点化)
 地域の消費生活センターは、消費生活相談を受けることで、個別の消費者被害を救済するだけではなく、商品・サービスの基礎知識や契約知識、最新の消費生活に関する情報を有しており、地域における消費者教育の推進拠点として適当であると考えられる。これを踏まえ消費生活センターは、その活動により得られた情報等を基に啓発活動や、地域の様々な消費者教育の担い手と連携するコーディネート機能も担うよう体制を整備することが望ましい。
 行政が発信する情報について、消費者や消費者教育の担い手における認知を高めることが消費者被害の防止には効果的である。また、情報発信においては、関心を持たない層や真に情報を必要とする者へ認知される工夫に努める必要がある。
 独立行政法人国民生活センターは、消費生活センター等に対し、消費者トラブルについての情報を提供等し、地域の消費生活センターが行う情報発信を支援する。また、国においては消費者教育に専門性を有する団体等の研究や実践活動等も有効に活用する。
 消費生活センター等が消費者教育の推進拠点として機能するためには、行政職員の尽力に加え、消費生活相談員やコーディネーターが獲得した知識と経験を、消費者教育の実施にいかせる環境作りが不可欠である。このため、各地方公共団体においては、消費生活相談員やコーディネーターが十分に力を発揮できる環境作りに努めることが期待される。

https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_education/consumer_education/basic_policy/assets/basic_policy_230328_0002.pdf

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消費者教育の推進に関する基本的な方針(基本方針)

消費者教育の推進に関する基本的な方針(令和5年3月28日閣議決定)
概要[PDF:540KB]
本文[PDF:761KB]

https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_education/consumer_education/basic_policy

消費者教育の推進に関する基本的な方針 概要
平成25年6月28日閣議決定(平成30年3月20日変更)(令和5年3月28日変更)
令和5年度~令和11年度の7年間を対象

Ⅱ消費者教育の推進の基本的な方向
今期の基本方針における基本的視点
・「教えられる」だけでなく、消費者による自ら及び相互に「学ぶ」「考える」「行動する」ことを促進
・消費者の多様化等を踏まえたきめ細やかな対応
・デジタル化への対応
・消費者市民社会の一員としての行動を促進

https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_education/consumer_education/basic_policy/assets/basic_policy_230328_0001.pdf

【2024年度 問題1③ 消費者教育(基本方針・消費者市民社会)AB】
③消費者教育の推進に関する基本的な方針によれば、消費者は、消費者市民社会について認知・理解した上で、自ら考え、その担い手になり、相互に学び合うなど能動的に活動することが期待されている。
【正答】②→〇(正しい文章)                    

問題1④ 消費者教育(消費者教育推進地域協議会・設置数)C

④ 消費者教育推進法に基づく消費者教育推進地域協議会は、2024(令和6)年4月現在、1県を除く46 都道府県で設置されている。

  • 消費者教育推進地域協議会の設置状況というほとんど誰も知らない難問(意地悪問題)になります。勘にかけるしかありませんね。
  • この設置数については実は消費者庁のホームページに掲載されているのです。設置状況を都道府県と指定都市の2つに分類して報告されています。令和3年4月1日現在の設置数なので少々古いデータにはなります。
  • 推測もなかなか難しいのですか、よくあるパターンの都道府県にはもれなく設置されているだろうと考えると良いかもしれません。1県を除くというのが微妙に正解のような気がして悩ましいかも。実際は47都道府県に設置済みです。
  • 実は、もう1つの統計である指定都市では20あるうちの19に設置されているということで、「1指定都市を除く」という絶妙なひっかけ問題になっていたのです。
  • 指定都市であれば都道府県ではないので1つぐらい設置されていないところがあるような気がします。とはいえ指定都市は大きいので全て設置されているかと思いきや、1つだけ設置されていなかったのですね。色々調べたところ北九州市のようです。もし北九州市に協議会が設置されればまた出題されるかもしれませんね。

したがって、④は×(誤っている文章)となります。

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消費者教育推進地域協議会設置状況
 消費者教育推進地域協議会とは、消費者教育の推進に関する法律第20条第1項の規定(「都道府県及び市町村は、その都道府県又は市町村の区域における消費者教育を推進するため、消費者、消費者団体、事業者、事業者団体、教育関係者、消費生活センターその他の当該都道府県又は市町村の関係機関等をもって構成する消費者教育推進地域協議会を組織するよう努めなければならない」)に基づくものを指します。この規程を満たすものであれば、例えば消費生活審議会等と兼ねるものやその部会として置かれるものも含まれます

・消費者教育推進地域協議会設置済み(47都道府県)
・消費者教育推進地域協議会設置済みの指定都市(20指定都市中19指定都市)
札幌市、仙台市、さいたま市、千葉市、横浜市、川崎市、相模原市、新潟市、静岡市、浜松市、名古屋市、京都市、大阪市、堺市、神戸市、岡山市、広島市、福岡市、熊本市
(令和3年4月1日現在)

https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_education/consumer_education/promote/council

【正答】
①→×、②→○、③→○、④→×

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