2023年度試験…消費者行政と関連法 (消費者基本法3・消費者教育2・消費者安全法4)9問

1. 次の各文章が、正しければ○、誤っていれば×を解答用紙の解答欄に記入(マーク)しなさい。

④ 消費者教育推進法では、小・中・高等学校における消費者教育は教員免許を有する教育職員が行うものとされ、消費生活相談員の活用は想定されていない。

⑤ 食育基本法では、国民の責務として、家庭、学校、保育所、地域その他の社会のあらゆる分野において、基本理念にのっとり、生涯にわたり健全な食生活の実現に自ら努めるとともに、食育の推進に寄与するよう努めるものとされている。

問題1④ 消費者教育(消費者教育推進法・学校との連携)A

④ 消費者教育推進法では、小・中・高等学校における消費者教育は教員免許を有する教育職員が行うものとされ、消費生活相談員の活用は想定されていない。

  • 消費者教育は学校とも連携しながら進めていくという基本的な考えですので易しい問題です。第3条の基本理念の中では有機的な連携という表現がされています。有機的という言葉はいろんなところに使われるポジティブワードですね。
  • 「活用は想定されていない」という強い否定表現は誤りの可能性が高いですし、この問題においては常識的に考えても正解できると思います。

したがって、問題1④は×(誤っている文章)です。

消費者基本法
(基本理念)
第三条 消費者教育は、消費生活に関する知識を修得し、これを適切な行動に結び付けることができる実践的な能力が育まれることを旨として行われなければならない。
2 消費者教育は、消費者が消費者市民社会を構成する一員として主体的に消費者市民社会の形成に参画し、その発展に寄与することができるよう、その育成を積極的に支援することを旨として行われなければならない。
3 消費者教育は、幼児期から高齢期までの各段階に応じて体系的に行われるとともに、年齢、障害の有無その他の消費者の特性に配慮した適切な方法で行われなければならない。
4 消費者教育は、学校、地域、家庭、職域その他の様々な場の特性に応じた適切な方法により、かつ、それぞれの場における消費者教育を推進する多様な主体の連携及び他の消費者政策(消費者の利益の擁護及び増進に関する総合的な施策をいう。第九条第二項第三号において同じ。)との有機的な連携を確保しつつ、効果的に行われなければならない。

消費者基本法
第三章 基本的施策
(学校における消費者教育の推進)
第十一条 国及び地方公共団体は、幼児、児童及び生徒の発達段階に応じて、学校(学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する学校をいい、大学及び高等専門学校を除く。第三項において同じ。)の授業その他の教育活動において適切かつ体系的な消費者教育の機会を確保するため、必要な施策を推進しなければならない。
2 国及び地方公共団体は、教育職員に対する消費者教育に関する研修を充実するため、教育職員の職務の内容及び経験に応じ、必要な措置を講じなければならない。
3 国及び地方公共団体は、学校において実践的な消費者教育が行われるよう、その内外を問わず、消費者教育に関する知識、経験等を有する人材の活用を推進するものとする。
(大学等における消費者教育の推進)
第十二条 国及び地方公共団体は、大学等(学校教育法第一条に規定する大学及び高等専門学校並びに専修学校、各種学校その他の同条に規定する学校以外の教育施設で学校教育に類する教育を行うものをいう。以下この条及び第十六条第二項において同じ。)において消費者教育が適切に行われるようにするため、大学等に対し、学生等の消費生活における被害を防止するための啓発その他の自主的な取組を行うよう促すものとする。
2 国及び地方公共団体は、大学等が行う前項の取組を促進するため、関係団体の協力を得つつ、学生等に対する援助に関する業務に従事する教職員に対し、研修の機会の確保、情報の提供その他の必要な措置を講じなければならない。
(地域における消費者教育の推進)
第十三条 国、地方公共団体及び独立行政法人国民生活センター(以下この章において「国民生活センター」という。)は、地域において高齢者、障害者等に対する消費者教育が適切に行われるようにするため、民生委員法(昭和二十三年法律第百九十八号)に定める民生委員、社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号)に定める社会福祉主事、介護福祉士その他の高齢者、障害者等が地域において日常生活を営むために必要な支援を行う者に対し、研修の実施、情報の提供その他の必要な措置を講じなければならない。
2 国、地方公共団体及び国民生活センターは、公民館その他の社会教育施設等において消費生活センター等の収集した情報の活用による実例を通じた消費者教育が行われるよう、必要な措置を講じなければならない。

2019年度 論文試験(本試験)
1.最近の消費者トラブルの状況などを踏まえ、消費者教育がなぜ必要か、また、消費者教育はどうあるべきかについて論じなさい。
指定語句:消費者教育推進法、消費者市民社会、成年年齢の引下げ、学校教育、地域における消費者教育

【日経BizGateから引用】有機的なつながりとは、「異なる役割を持ったいろいろな部門あるいは人たちが、組織全体として1つの目標を達成するために、お互いに不可欠な相互作用をする補完関係」のことです。有機的なつながりによって、組織は1つの意思を持った生命体のように行動でき、いずれの個人の能力をも凌ぐ創造力と適応力を発揮できるようになるのです。

https://bizgate.nikkei.com/article/DGXMZO3115435030052018000000?page=2

問題1⑤ 消費者教育(食育基本法・第13条国民の責務)AB

⑤ 食育基本法では、国民の責務として、家庭、学校、保育所、地域その他の社会のあらゆる分野において、基本理念にのっとり、生涯にわたり健全な食生活の実現に自ら努めるとともに、食育の推進に寄与するよう努めるものとされている。

  • いきなり食育基本法が出てきて戸惑うかもしれませんが、食育を消費者教育の一つと考えると、この分野で出題される問題になります。過去にも消費者教育の分野で出題されたことがあります。
  • そんなにがっつり勉強する法律ではないので難しい論点は出題されず、常識的に正解できる問題が出ると考えたらいいでしょう。この問題についても特に間違ったところはなく、正しいと判断できます。
  • ちなみに、「~基本法」という問題には、必ず責務というのがあり、その中の誰の責務かという問題が消費者基本法でもよく出題されています。今回は国民の責務が条文のまま出題されています。

したがって、問題1⑤は○(正しい文章)です。

食育基本法
(国民の責務)
第十三条 国民は、家庭、学校、保育所、地域その他の社会のあらゆる分野において、基本理念にのっとり、生涯にわたり健全な食生活の実現に自ら努めるとともに、食育の推進に寄与するよう努めるものとする。

【正答】
④→×、⑤→〇