1.次の各文章が、正しければ○、誤っていれば×を解答用紙の解答欄にマークしなさい。

⑤ 現行の消費者基本計画では、消費者政策の基本的な方向性として原点回帰を掲げ、消費者政策の従来の価値規範を変更することなく、消費者と事業者の間の格差の是正を図ることを基本とするとしている。

⑥ 「消費者月間」は、消費者保護基本法が5月に施行されたことにちなんで設けられたもので、毎年5月には、消費者、事業者、行政が一体となって、消費者問題に関する啓発・教育等の各種事業を集中的に行っている。

⑦ 消費者委員会は、各種の消費者問題について自ら調査・審議を行って、消費者庁を含む関係省庁の消費者行政全般に対して建議等を行う機能を有しており、消費者庁が設置されたのと同時に、独立した第三者機関として内閣府に設置された。

問題1⑤ 消費者基本計画(消費者政策の基本的な方向性)C

⑤ 現行の消費者基本計画では、消費者政策の基本的な方向性として原点回帰を掲げ、消費者政策の従来の価値規範を変更することなく、消費者と事業者の間の格差の是正を図ることを基本とするとしている。

  • 消費者基本計画はこれまでも頻出問題でしたが、その多くが消費者基本法の条文を元にした問題になっていました。
  • 今回の問題は初めて消費者基本計画の具体的な計画の中身について出題されています。
  • ただ、その内容については当たり前のようなことが書かれており、正しいと判断したいところですが、実は、そうではないということに気付けるかどうかというところがポイントになります。
  • そのポイントは「消費者政策の従来の価値規範を変更することなく」というところです。
  • 第5期消費者基本計画では「デジタル社会への対応」というところが新しいポイントとなっていることは2025年度試験でのポイントでしたので論文対策も含めて事前対策をしていました。
  • 個別記事「第5期消費者基本計画(2025年度から2029年度までの5年間を計画期間)」を参照
  • つまり、スマートフォンの普及、SNSをきっかけとした消費者トラブル、詐欺的な通信販売や定期購入などのネット通販によるトラブル、など、みなさまも実際に経験しているデジタルによる新しい世界に対して、これまでのような考え方ではなく新しい視点を持って対応しなければならず、消費者と事業者の間の格差を是正するだけではなく、消費者が様々な脆弱性を有するということを前提として消費者が安全安心に取引に取引することができる環境を整備することが示されています。
  • 問題文は、なんとなく正しそうな文章ですが、新しい社会への対応が必要であり、従来の価値規範を変更するいわゆる「パラダイムシフト」というキーワードが随所に使われております。※パラダイムシフト(paradigm shift)は、「パラダイム(規範・枠組み)」と「シフト(転換)」を組み合わせた言葉になります。

したがって、⑤は×(誤っている文章)となります。

令和7年消費者白書より(122-123ページ)

 昨今、高齢化やデジタル化の進展等により社会状況が大きく変化する中、インターネットを利用したメディアの多様化等、我が国の消費者を取り巻く環境は急速に変化しており、それにより消費者に多くの利益がもたらされる一方で、新たな課題も顕在化しています。また、従来の消費者概念や消費者が有する脆弱性に対する捉え方が変化しているほか、消費者取引においてデジタル取引と非デジタル取引には大きな違いがあり、消費者市民社会の深化のため、消費者と事業者が協働していくことも必要となっています。このため、消費者が日々の消費を通じてより良い社会の形成に寄与するとともに、国や地方公共団体、事業者等が社会の変化に応じて規律を適切なものに変えていくなど、消費者政策の価値規範に関する考え方の転換(パラダイムシフト)が必要となっています。

https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_research/white_paper

消費者基本計画 令和7年3月18日 閣議決定 12-14ページ

(目次)

はじめに
第1章 消費生活を取り巻く現状の課題 ~消費者政策のパラダイムシフトの背景~
1.デジタル技術の飛躍
(1)消費生活におけるデジタル技術の浸透
(2)消費者の取引環境の急激な変化に伴う環境整備の必要性
2.消費生活のグローバル化の進展
(以下中略)

第2章 本計画における消費者政策の基本的な方向性と目指すべき社会の姿
1.本計画における消費者政策の基本的な方向性 ~求められるパラダイムシフト
(1)消費者政策の価値規範に関する考え方の転換
(2)考え方の転換を踏まえた消費者法制度の再編・拡充

(本文)

第1章 消費生活を取り巻く現状の課題 ~消費者政策のパラダイムシフトの背景~
1.デジタル技術の飛躍

第2章 本計画における消費者政策の基本的な方向性と目指すべき社会の姿
1.本計画における消費者政策の基本的な方向性~求められるパラダイムシフト~
(1) 消費者政策の価値規範に関する考え方の転換
 第1章で示した、デジタル技術の飛躍や社会構造の変化等に伴う消費者の取引環境の急激な変化を踏まえ、本計画においては、消費者基本法に定める基本理念を尊重しつつ、消費者政策の価値規範に関する考え方の転換(パラダイムシフト)を図るとともに、施策への反映を通じて具現化を目指す。具体的には、消費者取引における一定のモデルとして、以下の考え方を基本とする。
・一定のモデルとして「一般的・平均的・合理的消費者像」(情報や判断の機会等が与えられれば適切かつ合理的な決定ができる「強い消費者」像)を念頭に置いて「消費者と事業者間の情報の質・量、交渉力の格差」の是正を図ることのみではなく、現実の消費者が様々な脆弱性を有するという認識を消費者政策や消費者法制度の基礎に置き、そのような多様な消費者が安心して安全に取引に参画することを可能にする環境の整備を図ること。
・全ての消費者が有する多様な「消費者の脆弱性」に着目すべきであって、一部の「脆弱な消費者」に例外的に着目すればよいわけではなく、認知機能の低下等によって「配慮を要する消費者」は多様な消費者の脆弱性の一類型であること。

https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/basic_plan

問題1⑥ 消費者月間 AB

⑥ 「消費者月間」は、消費者保護基本法が5月に施行されたことにちなんで設けられたもので、毎年5月には、消費者、事業者、行政が一体となって、消費者問題に関する啓発・教育等の各種事業を集中的に行っている。

  • 消費者月間のテーマはちょこちょこ出題される頻出問題であり世界消費者権利デーと合わせて押さえておくべき問題になります。
  • 従来は問題2で出題されていましたが、出題分野の組み換えにより問題1に移動してきました。
  • 問題自体は消費者月間とは何かという基本的な問題が出題されており知らなかったとしても正解であろうと予測できると思います。

したがって、⑥は〇(正しい文章)となります。

消費者庁ホーム > 政策 > 政策一覧(消費者庁のしごと) > 消費者教育推進 > 消費者への普及啓発

消費者月間
毎年5月を「消費者月間」として、消費者、事業者、行政が一体となって消費者問題に関する啓発・教育等の各種事業を集中的に行っています。

https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_education/public_awareness

問題1⑦ 消費者委員会の役割(消費者庁及び消費者委員会設置法) AB

⑦ 消費者委員会は、各種の消費者問題について自ら調査・審議を行って、消費者庁を含む関係省庁の消費者行政全般に対して建議等を行う機能を有しており、消費者庁が設置されたのと同時に、独立した第三者機関として内閣府に設置された。

  • 消費者委員会についての基本的な頻出問題になります。
  • ポイントは2025年度の問題と2024年度の問題を合わせたところになります。
  • これまでは問題2もしくは問題3で出題されていました。
  • 「独立した第三者機関として内閣府に設置された」という重要ポイントがありますが、「消費者委員会が消費者庁に設置されている」などのひっかけ問題が考えられますのでケアレスミスに注意してください。

したがって、⑦は〇(正しい文章)となります。

【2024年度 問題2① 消費者委員会の役割(消費者庁及び消費者委員会設置法) AB】
①消費者委員会は、消費者庁に設置された審議会として、各種の消費者問題にいて自ら調査・審議を行うとともに、消費者行政全般に対する意見表明、内閣総理大臣等の諮問に応じた調査・審議などを行っている。
【正答】①→×(誤った文章)※「消費者庁に設置された審議会として」ではなく「独立した第三者機関として内閣府に設置」

内閣府ホーム >活動・白書等 >審議会・懇談会等 >消費者委員会 >消費者委員会について

消費者委員会について

消費者委員会とは

消費者委員会は、独立した第三者機関として、主に以下の機能を果たすことを目的として、平成21年(2009年)9月1日に内閣府に設置されました。

  • 各種の消費者問題について、自ら調査・審議を行い、消費者庁を含む関係省庁の消費者行政全般に対して意見表明(建議等)を行います。
  • 内閣総理大臣、関係各大臣又は消費者庁長官の諮問に応じて調査・審議を実施します。

https://www.cao.go.jp/consumer/about/index.html

消費者庁及び消費者委員会設置法
第一節 消費者庁の設置
(設置)
第二条 内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)第四十九条第三項の規定に基づいて、内閣府の外局として、消費者庁を設置する
2 消費者庁の長は、消費者庁長官(以下「長官」という。)とする。

第三章 消費者委員会
(設置)
第六条 内閣府に、消費者委員会(以下この章において「委員会」という。)を置く
2 委員会は、次に掲げる事務をつかさどる。
一 次に掲げる重要事項に関し、自ら調査審議し、必要と認められる事項を内閣総理大臣、関係各大臣又は長官に建議すること。
イ 消費者の利益の擁護及び増進に関する基本的な政策に関する重要事項
ロ 消費者の利益の擁護及び増進を図る上で必要な環境の整備に関する基本的な政策に関する重要事項
ハ 景品類等の適正化による商品及び役務の消費者による自主的かつ合理的な選択の確保に関する重要事項
ニ 物価に関する基本的な政策に関する重要事項
ホ 公益通報者の保護に関する基本的な政策に関する重要事項
ヘ 消費生活の動向に関する総合的な調査に関する重要事項
二 内閣総理大臣、関係各大臣又は長官の諮問に応じ、前号に規定する重要事項に関し、調査審議すること
三 消費者安全法第四十三条の規定により、内閣総理大臣に対し、必要な勧告をし、これに基づき講じた措置について報告を求めること。
四 消費者基本法、消費者安全法(第四十三条を除く。)、割賦販売法、特定商取引に関する法律、預託等取引に関する法律、食品安全基本法、消費者教育の推進に関する法律、不当景品類及び不当表示防止法、食品表示法、食品衛生法、日本農林規格等に関する法律、家庭用品品質表示法、住宅の品質確保の促進等に関する法律、国民生活安定緊急措置法(昭和四十八年法律第百二十一号)及び公益通報者保護法の規定によりその権限に属させられた事項を処理すること。
(職権の行使)
第七条 委員会の委員は、独立してその職権を行う。

【正答】
⑤→×、⑥→〇、⑦→〇

このページの印刷画面を開く